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中国語でトイレットペーパーは「手紙」?

漢字がわかる日本人はその他の国の人と比べて中国語の読解力に大きなアドバンテージを持ちます。ただ、気をつけたいのが日本語と中国語には同じ漢字で意味が異なる「同型異義語」がいくつかあるということです。今回はその中のいくつかをご紹介します。

●愛人,手紙

「日本語と中国語では同じ漢字で意味が違うものがあるんだよね!」という話で必ず挙げられるのが「愛人」と「手紙」です。これはそれぞれ「配偶者」「トイレットペーパー」を指し、通じることは通じますが、現在は一般的にはあまり使われていません。

私も中国語の勉強を始めたばかりの頃「手紙」と中国の友達に言ったら「今はあまり使いませんよ。おばあちゃんが使っていたかも。」と言われました。日本語の「ちり紙」と同じ感覚かもしれません。深圳では「纸巾」を使っていましたが、それはいわゆるティッシュペーパー全般を指し、ロール式のトイレットペーパーは「卷纸」と言うこともあるようです。

また、配偶者は女性が男性を呼ぶ場合は「老公」、男性が女性を呼ぶ場合は「老婆」を使うことが多いです。老婆も日本語で理解すると誤解してしまいますね。

●大家

個人的に日中における同型異義語の代表例は「大家」だと思っています。日本でも中国でも頻繁に使う言葉ながら全く意味が異なる面白い単語です。

中国語の「大家」は「みなさん」を指し、「大家好」といえば「みなさんこんにちは」の意味です。でも日本語で読んでみると「おおや すき」。全く違う言葉になってしまいます。

ちなみに、「好」は日本語でも「よい」「すき」、と二つの読み方と意味がありますが、中国語も同じで、意味によって声調が異なります。挨拶に使う時は「よい」方の意で3声です。

●走

日本語では走ってしまいますが、中国語では「歩く」です。また、「行こう」「(先に)行くね」と声をかける際にも使います。しかし古代中国語では日本語と同じ「走る」を指したそうです。他にも古代中国語由来の書き言葉の中には日本語と全く同じ意味の単語が少なくありません。機会があればそれもご紹介したいと思います。

●結束

中国語の「结束」は終わるという意味で日常的によく使う単語です。日本語の「結束」の意味はありません。ある日本のスポーツのポスターに「日本結束」とあり、それを中国人が見て「日本、終わった!?」と解釈して騒然となったというネタが一時期ネットに出回っていたので、日本語との違いをご存知の方も多いかもしれませんね。

●登録

ネットサービスを使う際に必須なのが(会員)登録とログインです。中国のサービスサイトを見てみると必ず「登录」という文字があり、中国語に慣れていない日本人はだいたい「お、ここから登録するんだな」と騙されます。もちろん私も最初は騙されました(笑)。

これは日本語で言うところの「ログイン」にあたり、日本語の「登録」は「注册」を使います。この二つと「邮箱(メールアドレス)」「下一步(次へ)」「提交(送信)」「知道了(OK)」くらいを覚えておくと登録の際に便利です。

●最後に

同型異義語は互いの社会の変遷や関わりによって生まれたり消えたりします。配偶者を意味する「愛人」も日本のコンテンツが広く消費されるようになると、やがて日本語と同じ意味を持つようになるかもしれません。生活必需品の名称も形態が変わることで言葉も変化していくので、情報は常にアップデートしておきたいですね。

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