ベリサリウス/Βελισάριος
人類史上最高の軍事的天才とは誰か。アレクサンダー大王?ナポレオン?など不毛ながら暇潰し的には楽しい問いというものがあります。
私個人の考えでは東ローマ帝国の将軍ベリサリウス(500〜565)だと思います。
このベリサリウスという将軍はユスティニアヌス大帝の下で獅子奮迅し、各地の反乱を滅ぼして、イタリアやイベリア半島まで征服する恐ろしいまでの戦績の良さによって、歴史家から高く評価されています。
そのため大帝はこの将軍を恐れ、ずっと冷遇します。凱旋式の後に解任したり色々やっていますが、そのために国が危機になると呼び戻されるという繰り返しです。なぜかベリサリウスはその度に付き従うのですが、マゾヒストかなと思うくらい従順だと思いました。
今日の破壊的な円安で、西洋美術の展覧会に行く私たちもどこかベリサリウス的なところを含んでいます。昨年もエゴン・シーレ展等で呟いて匿名のお叱りを受けたのですが、展覧会で持ってこれる作品の質が明らかに低下しています。
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