こんにちは！ 劇団木霊71期の乘峯志保です。
前回の見学から一週間を空けて、再び稽古場にお邪魔しました。その様子を少しお届けします！
本番が近づいてきていて、わくわくしますね。
（前回の見学↓）

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17時前、座組一行を見つけました。そういえばお昼にすれ違ったダニエルさんがいつもの神々しい顔を少し曇らせていたなあと思い出しつつ近寄ると、みんなお昼のダニエルさんと同じ顔をしていました。季節の変わり目とはいえ、何かしら抱えているようで心配です。

そんな日の稽古場には、終始EDMが流れることになります。音楽のつく箇所の練習です。
傍見秋・うりのつる・韮崎大輔・ダニエル ら役者はキレキレです。佐久間喜望さんが彼らの身体を細かく観察し、照明の当たり方や演出の意図と擦り合わせながら完成度を高めていきます。ポーズをとって体を止めるにしても、動き出しを揃えるほうを重視するか止めを完璧にしたいか、など精査しては繰り返します。

「ここはバブリーに」「壊れかけのロボットみたいに」「途中で壊れたい」「這うように」「上半身重くしよう」

佐久間さんが各人のもつ身体の癖をかなり敏感に見て取り、的確に指摘するのでびっくりしました。「ここは傍見さんに合わせましょうか」
誰のニュアンスが一番目標に近いか、曲ごとに掴んで合わせます。

途中で椅子取りゲームも始まりました。音楽の停止に反応して身体を切り替える必要があり、それに慣れようということです。アツい戦いでした。

19時前、ここで休憩です。
お手製のきんぴらごぼうを食べるうりのさん、ダニエルさんは「年々旨くなっていってる」らしい肉まんを頬張り……韮崎さんは「真面目そうに見えない」とうりのさんに失礼な一言を放っていました。最初は心配していましたがだんだん役者のほうも、音楽に合わせて動くうち心も高揚してきているようでした。

樺香さんが合流したら、総攫いをします。

私は音楽に乗るモノローグがこんなにワクワクするものだと知りませんでした。韮崎さんの淡々とした語りやダニエルさんの深い語り口がどらま館でどう響くのかとても楽しみです。選ばれている曲も格好良くて、流石ホシダマサオミさん……「あなたたちは飢えています」演出の小島淳之介さんの声かけも面白いです。

音が鳴って踊りだし、音が止まって役に戻る。
夢から醒めるようにOFFになり、しかし戻るのは演技というONの状態。音／踊りから醒めて喋り／演技にもどる。不思議に感じます。


20時半過ぎ、企画相談役として瀧口さくらさんが稽古場を訪れました。
公演が近づくいまこの稽古場が何に直面していてメンバーはどんな不安を抱いているか聞き取り、円になって話し合います。

どの段階でどのくらいの完成度であれば役者は安心できるか？
実験的な公演として上演することについてどう思うか？
一人でも多くの人が面白いと思うようにつくるか、自分たちが面白がれる方向を突き詰めるか？

話し合いを進めるうちにダブルキャストならではの悩みも出てきました。そして初めのみなさんの曇り顔の理由がだんだん顕れてきたように感じました。
何通りも試して壊してを繰り返すからこそ、チームが違えば進み方も捻れ違ってくるもの。
演出家が似たものと捉えていた演出が役者がやるには全然違うものに感じていたり、
声質が違えばしっくりくる演出が全然違ったり。
稽古時間を過ぎても話し合いは続きました。

この日に瀧口さんを交えて協議できたことはこの座組にとってとても良かったのではないかと思います。偉そうで恐縮です……私は安心して、本番を楽しみにできそうです。
いくつもの悩みを抱え、きっと乗り越えて上演される『マッチ売りの少女』、彼らは何を選び取り私たちに何を見せてくれるのか、一緒に刮目しませんか！
（文責：乘峯志保）

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早大劇研×劇団木霊『マッチ売りの少女』
主催：翠　小島淳之介
潤色・演出：小島淳之介
作：別役実
企画：花城凛
日時：10/27　 19:00 A
　　　 28　14:00 A　19:00 B
　　　 29　14:00 B　19:00 A
　　　 30　13:00 A　17:00 B
場所：早稲田小劇場どらま館
料金：一般 2000円　学生 1000円
出演
A　齊藤真菜香　ダニエル　樺香[カコ]　傍見秋
B　うりのつる　韮崎大輔　樺香[カコ]　傍見秋