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人工クラゲを水槽で泳がせる

以前、光る人工クラゲの作り方をご紹介しましたが、
今回は作り方に改良を加え、水槽で泳がせてみます。
使用した水槽にLEDライトが内蔵されているため、蓄光剤は使いません。

基本は人工イクラ作りと同じなので、人工イクラキットを使います。

まず、約1.3%のアルギン酸ナトリウム水溶液を作ります。
2.6gのアルギン酸ナトリウムを200mlのぬるま湯に溶かします。
ペットボトルなどに入れて振り混ぜると溶かし易いです。
溶け残りがあるときは、冷蔵庫で一晩保存して下さい。
残った粉のかたまりに水が浸透して溶かし易くなります。

そして、約1%の乳酸カルシウム水溶液を小さめのボールに作ります。
例えば、3gの乳酸カルシウムを300mlの水に溶かします。
こちらはすぐに溶けます。

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まずはクラゲの触手を作ります。
スポイトにアルギン酸ナトリウム水溶液を取り、乳酸カルシウム水溶液中に勢いよく押し出します。
水面から1cmほど離れたところから、円や弧を描くように押し出して下さい。細長いゲルができます。
押し出す位置はギリギリの方が良いんですが、それだとスポイトの先が液に浸かってしまうことがあるので、少し離した方が良いと思います。

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押し出して1分以上経過したら引き上げて下さい。
1分未満でなければ、取り出すタイミングはいつでも問題ありません。
触手は10数本作ります(綺麗なものを選別するため、多めに作ります)。

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次に、浅い直径3~4cm程度の容器に、触手を三本交差するように設置します。
容器の大きさは目安です。何かのフタなどがちょうど良いかもしれません。
写真は100円ショップで売っていた弁当用(?)の容器です。

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ここに、アルギン酸ナトリウム水溶液をスポイトで一滴ずつ加えます。
今回改良したのはこの工程です。
スプーンで一気に加えず、スポイトで容器の中央部分に少しずつ液を落としていきます。
触手がちょうど液に浸かるくらいがベストです。入れすぎると上手く作れません。

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そして、乳酸カルシウム水溶液に、容器を水平にしたままゆっくりと漬けます。
漬けたら裏返して10回程度ゆすり、手で容器からゲルを剥がします。
ゆっくりと少しずつ剥がして下さい。
剥がしたら、5分後に液から引き揚げます。これで人工クラゲの完成です。
人工クラゲは2体作ります。

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この写真ではよく分かりませんねw
引き揚げた後、水道水に漬けて乳酸カルシウム水溶液を軽く落とします。
そして、水槽に人工クラゲを入れます。

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水槽には水道水を9割程度入れ、食器用洗剤を一滴加えておきます。
人工クラゲを2体入れたら、ふたをして水槽のスイッチを入れます。

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悪くないですね。
触手をもっと細く作れると良いんですが、人工イクラの原理を利用した作り方だと、細くするのは難しいですね。

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水槽に付属のクラゲ(樹脂製)も入れてみました。
当然ですが、付属のクラゲ以外を入れるのは推奨されていません。
自己責任になります。

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幻想的で良い感じです。
ちなみに、天井にLEDの光がうつって綺麗でした。
水面の揺れやクラゲの動きも反映されるので、見ていて飽きません。

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暗闇でなくても綺麗です。

使用したのは以下の水槽です。
乾電池駆動も出来、コンパクトなので卓上に置くことも出来ます。

人工クラゲ作りのコツは、完璧を目指さないことです。
あまり神経質にならず、気楽に作って下さい。
繰り返しになりますが、付属のクラゲ以外を入れるのは自己責任になりますので、その点は注意して下さい。

個人的には今回作ったクラゲでも十分なんですが、やはりもっとリアルなクラゲを目指したいですね。ほかのゲルで試行錯誤しているところです(実は何度か失敗していて、結局、人工イクラ作りの方法に戻りました)。


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