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製造業コンサルティングの虎の巻

まえがき

このマガジンの記事では、私が普段どのようにコンサルティングをしているのか、どのような視点で現場を見て、どのような観点で問題を発見しているのか、コンサルティングの根幹の部分に関して記述していこうと思います。

従って、これらの記事には、私のコンサルティングノウハウが詰まっています。

そして、この記事を読んだ人は、製造業のコンサルティングができてしまうかもしれません。

そのくらい、私が何をどう考えてどのようにコンサルティングをしているのかが具体的に分かるような記事にするつもりで、私の頭の中をさらけ出そうと思っています。

もし、製造業関係者の方で、自社の業務を見直したい、DXなども含めて上のレベルに行きたい、とお考えの方は、このマガジンの記事を読んでいただいてヒントにしていただければと思います。

あるいは、私と同じようにコンサルティングを行う方で、お客様に製造業の企業がいるのであれば、これまた参考にしていただいて、その製造業のお客様を理想に導いていってほしいと思います。

尚、マガジン内の記事が充実していくに従って、価格は上げさせていただこうと考えています。
ご興味ありましたら、早い段階でのご購入をお勧めいたします。

虎の巻を書こうと思った理由

自分が一番属人化してないか?

業務改善などの業務効率化のために、業務を標準化して誰にでもできるようにする、あるいは、設備やITツールなどでもできるように業務や作業を標準化するという王道の手法があります。

私自身も、コンサルティングにおいてはこの標準化の手法は念頭に置いており、業務の中に個人個人に依存している属人化した業務がないかを常に考えています。

ところが、翻って自分自身を見てみると、正に自分の業務であるコンサルティングが自分自身に属人化しているのです。

当初は、その問題に気が付きつつも、

「それこそが自分の強みでありノウハウでありアイデンティティだ!」

という想いもあり、この問題を見てみぬふりをしてきました。

ところが最近になり、

「これでは、業務を標準化される現場に寄り添うことができない」

そう考えるようになりました。

標準化を進めようとするコンサルタント自身が標準化されていないなんて、現場に対する説得力に欠けると思えますし、お客様の成果に繋げることができないのではないかと思います。

そこで、属人化している自分自身の仕事を棚卸してみようと思ったわけです。

所詮は一人

私が製造業向けにコンサルティングを行ったところで、所詮は一人です。

日本国内だけでも約38万社(2021年現在)ある中小製造業全てには到底質の良いコンサルティングを届けることはできません。

私事ではあるかもしれませんが、2021年11月に【株式会社GEMBAコンサルティング】を設立したときにこのようなミッションを掲げました。

現場の第一線がもっと輝く社会を!

株式会社GEMBAコンサルティング 理念

このミッションを達成しようと思ったら、到底一人では実現できません。

例えば、税理士の先生や社会保険労務士の先生など、同じように中小企業の成長に貢献したいと考えてくれているコンサルタントの方にも、私の視点を知っていただいて、コンサルティングノウハウをばらまいてもらい、むしろお客様となる中小製造業の方ご自身が、私の視点を持って、それぞれの業務効率化に役立ててもらうことが一番の近道ではないか。

実現したいことを考えたとき、自分のコンサルティングを標準化して誰にでも使えるようにすることが最も有効な手段なのではないか。

法人設立をきっかけに、このように考えるようになりました。

単純に自分自身がラクをしたい

法人設立とタイミングを同じくして、誰もが知る大企業グループのコンサルティング会社(A社)からこのような相談がありました。

当社のルーツは製造業ですが、新たに当社のソリューションを活用したコンサルティングを展開することになりました。
しかしながら、当社内で製造業の他社の現場に入り込めるノウハウがなく人材もいません。
そこで、製造業のコンサルティングのプロセスやノウハウをある程度体系化して、製造業専門のコンサルタントじゃなくてもある程度課題がお客様に提案できるものを作りたいと思っています。
つきましては、製造業のコンサルティングをどのように行っているのか、ノウハウを教えていただきたいです。

A社の依頼

というものでした。

正直に言うと、最初は、

「それならそのまま自分に仕事を依頼してくれれば良いのに!」

と仕事欲しさにそんなことを思ったりもしました。

ただ、よくよくお話を伺うと、A社は大企業グループですので、報告資料のお作法なんかも面倒くさそうですし、そのお客様となる企業も売上で言うと1,000億円~5,000億円くらいの規模とのことで、これまた大企業で、そちらに対するお作法等が面倒だなと思いました。

私の個人的な考えとしては、そうしたお作法は確かに体裁を整える意味でも大切になるということは理解しますが、私自身がその作業をすることはとっても非効率だなと思っています。

私が提供している価値は、そうした体裁を整えるスキルや感性ではなく、あくまでも問題を発見し、課題を明確にし、解決のプロセスを示すコンサルティングにあります。

もし、このA社のコンサルティング業務を委託した場合に、資料を作成する時間に大きな工数が割かれ、本質であるコンサルティングの内容以外の時間が大きくなってしまうのは、個人で経営しているコンサルタントとしては致命的に時間のムダになり得ると思いました。

そこで、多少気持ちの良いものではないかしれないけど、コンサルティングのノウハウを教えて、短い期間でサヨナラしようという気持ちで、このA社の相談を受けることにしたのです。

そう、そうした非効率な作業をせずにラクをしたいと思い、自分のコンサルティングを人に教えようと思ったわけです。

さらに、教えているものが他でも使えるなら、仮に今後、自社で従業員を採用してコンサルタントを育成しようとしたときにでも、この経験はムダにならなくて、むしろ後でラクできるかもしれない、とも思いました。

※A社の方には申し訳ないのですが、最初はこんな気持ちでした。
が、お話しさせていただいたものは確実に私のノウハウですし、想定されるお客様に可能な限り高い成果を届けるにはどうしたら良いのかは真剣に考えて対応させていただきました。

書かれたノウハウを見ただけではコンサルできない?

さて、かくしてA社との活動を始めたわけですが、実際にはこんな質問を受けてヒヤリングが行われました。

「どんな流れでコンサルティングをしていますか?」
「いったいどういう視点で現場を見てるんですか?」
「現場を改善する切り口ってどういう風に見つけてるんですか?」

といった、コンサルティングの肝となる点についての質問です。

そこで改めて思ったのですが、

「あれ?自分はいったい何を考えていて、何をどう見て問題を発見し、課題を形成しているのだろう?」

という疑問でした。

それと同時に、ヒヤリングに応える内容を自らで書き起こしてみたり、それを見てA社の担当の方がさらにヒヤリングして、私の回答を書き起こしてくれているものを見て、

「これは相当な経験が必要そうですね」

という心からの感想をもらえたこともあったり、私自身がそれを見て、

「あぁ、これを見たらヒントにはなると思うけど、コンサルが完璧にできるわけじゃないな」

と思えたことがあります。

つまり、コンサルノウハウを書き出してみて、それを多くの人が活用したとしても、私自身のコンサルの価値がなくなるわけではないんです。

しかも、製造業の業務効率化のヒントにはかなり活用できるものであるなとも思いました。

こうしたものをどんどんオープンにしていって、製造業の業務効率化の視点を広めることが、結果的に自分のコンサルの価値を高めることに繋がると考えたのです。

期待するもの

まえがきでも書きましたが、このマガジンでは、具体的なコンサルティングの内容に関してオープンに書いていこうと思っています。

少なくとも、業務効率化のヒントにはなるでしょう。

まずは、得られたヒントを基に、何かしらの行動を起こしてほしいと思っています。

行動を起こせば、次の課題が見つかってきます。

たとえコンサルに相談するとしても、一歩でも先に進んでから相談した方が費用面でも効率的です。

それに、自らが考えて行動した後には必ず経験値が残ります。

早い段階でコンサルタントに相談することも良いのですが、受け身の姿勢だけでは経験値が積み上がりません。

そうした機会の損失を失くしたいと思っています。

ただし、私の記事を読んだからといって、全てが解決するわけではありません。

これを読んで行き詰まったら、躊躇なく相談してほしいのです。

答えや次の方針が見出せない時間は、経営上では最もと言って良いほど時間のムダです。

これを読んでも方針が見えないのであれば、躊躇なく専門家に相談しましょう。

こうしたことで、2種類のムダを失くしていきたいです。

① ムダに早いタイミングでコンサルティングに費やすコスト
② 方針が見出せずに停滞してしまうロス

これら両方を失くしていきたいと思っています。

また、記事を読んでいただいて、個別のケースに関する質問も受けることで、記事自体をバージョンアップしていきたいです。

忌憚のないご意見もよろしくお願いいたします。


以上、コンサルティング虎の巻の在り方や活用方法について書かせていただきました。

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株式会社GEMBAコンサルティングが、製造業の現場に伺ったとき、何をどのような視点で現場を見て、どのように問題を発見し、どのように課題を見…

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