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“国蝶”オオムラサキを求めて…逢瀬公園①(福島県郡山市)

麓山公園も日本野鳥の会郡山支部の探鳥会で訪れた五百淵公園も、それどころか大安場史跡公園の記事もためているのに、逢瀬公園の記事をアップしてしまう。
実は逢瀬公園は5月にも訪れていて、その記事がまだアップされていなかったりします(;^_^

逢瀬公園は、郡山市西部に位置する逢瀬町にある面積17.3haの公園です。ちょっとした小高い山になっており、森林の中にウォーキングコースが設定されていたりします。足腰を鍛えるのに最適かも…。

今回はじめて知りましたが、郡山市の施設ではなく、福島県の施設なんですね。年緑化のモデル緑地として1979年に開園。また、その2年後の1981年にみどりの普及・啓発を目的に福島県総合緑化センターが設置されたようです。敷地内の「さくらの広場」には約200本の桜が咲き誇り……などと、ついついマジメに紹介内容を書いてしまう。職業病か。

詳しくは、逢瀬公園・緑化センター公式サイトをどうぞ↓

さて、今回のわたしの目的は、国蝶のオオムラサキです。
逢瀬公園には「オオムラサキ観察舎」という施設があり、ローカルニュースで「オオムラサキが羽化」と聞いて、それはぜひとも見たいと思い、お出かけしたのでした。

オオムラサキ観察舎があるのは、東側の本館ですが、どうせならウォーキングもしたいと思い、あえて西側駐車場に車を停めました。
今回もお弁当を持参し、ココで↓ランチしました。だけど、途中で雨が降ってきて、屋根のある施設へ移動することに……残念!

緑に囲まれた感じがステキ

駐車場の近くには、その名の通り湿地帯に育つ植物が集まる「湿性植物園」があります。全体的にジメジメしています。逢瀬公園で一番好きなスポットかもしれない。

わたしの写真では感じられませんが、もっと薄暗くて、ジメーーッとしています。アジサイが花盛りでした

実際はもっと薄暗くて、森の奥へ引き込まれそうな雰囲気があります。

久しぶりにきたら、こんなつぼみが。
花の名前が分からない。牧野万太郎先生ーーー!

なんのお花だろう?

水芭蕉がワサワサになっていました。

雨が降った後なので、湿地がさらに湿った感じに

何度も書きますが、薄暗くてジメーッとしています。好き…!

階段が森の奥深くへと誘います。

実際はもっと薄暗いです

バショウの葉っぱがワサワサに。

気の早いキノコさん。結構顔を出していました。
ちなみに園内には、キノコの施設もあります。

雨のしずくが輝く青葉

ギボウシのお花とミツバチさん

もう少しシャープにすればよかったかな
擬態したつもり(?)のアオガエルさん
ぎゃー! 実は5月にきたとき、ニアミスしました!
途中で3kmコースに変更しました(;^_^ それなりに高さのある丘陵地です

ここからはお花の写真をご紹介。
今回は夏ツバキが散り際…という感じでした。

秋の七草の一つ、萩。

夏ツバキの森。

ちょっとちょっと! いくらなんでも気が早すぎますよ!

しっとりとアジサイ。

玉ボケが似合うガクアジサイ。

わたし好みの”緑の重なり“

夏ツバキ。清楚

もう1枚、夏ツバキ。見頃は終わりかな。

ノリウツギ。アジサイと同じユキノシタ科(別の科にする分類もある)

本館前で少しお休みして、いざ、オオムラサキ観察舎へ!

幼虫は「森のクリオネ」と呼ばれてるらしい。

いたーーー! でも、これは「森のクリオネ」さんのサナギかな?
だけど、肝心のチョウになったオオムラサキがいない?

と思っていたら、上のほうでガサガサと音がして、何かがうごめく気配が…!

あ、いたーーー! 
オオムラサキ!
たくさんいました! だけど、天井近くのネットに張り付いていて、全然見えないし、望遠を持ってしても撮影不可能!

しかも手前の枝にピンが合っていて、後ろがボケてる!

と思っていたら、望遠でなんとかキャッチできる位置にオスがいました! 
アゲハのような華やかさはないけれど、ベルベットのような光沢のある紫色がキレイ。不思議な色合いです。

ここでせっかくなので、今回仕入れたオオムラサキの情報をまとめます。

・北海道から九州の里山に生息している。戦後の高度経済成長とともに里山の荒廃が進み、オオムラサキも減少しつつある
・タテハチョウ科。翅(はね)を広げると10センチほどになる
・翅の表面の色はオスは青紫色、メスは茶紫色。翅を閉じているときれいな色が見えないため、オオムラサキだと分からないこともある
・飛翔能力が高く、はばたきが機敏で滑空するように飛ぶ(見たかったなあ)

・寿命は約1年。1頭のメスが数回に分けて約400個の卵をエノキの葉に産み付ける。卵は1週間で孵化する。
・孵化したばかりの幼虫は1齢幼虫といい、2齢、3齢と脱皮を重ね、4齢幼虫になると、落ち葉の中で越冬する。
・4齢幼虫はエノキの葉が芽吹きはじめる4月中旬、活動を再開し、5齢、6齢と成長する。
・その後、エノキの葉の裏で蛹(さなぎ)となり、6月下旬から7月下旬にかけて羽化する。成虫が見られるのは、夏の間のわずかな期間。成虫はその間に交尾、産卵を行う

・幼虫はエノキの葉っぱを食べる。成虫になると、クヌギ、コナラ、ニレ、ヤナギなどの樹液に集まったり、クリやクサギなどの花の蜜を吸う。腐った果実や動物の排泄物なども吸う。逢瀬公園の観察舎では、エノキを栽培し、夏には熟したバナナやお酒の入ったカルピスなどを与えている

こっちはメスかな?
ペットボトルの蓋にアリさんが集まっていました。
もしかして、これがお酒入りカルピス? アリさんは酔っぱらわないのでしょうか?

逢瀬公園の名物といえば、サボテンです。サボテン園にも立ち寄りました!
サボテン園については、また今度書くことにします。

たぶんサボテン好きさんには、たまらない空間

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