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2022年の身辺変化と雑感

2022年もあとわずかとなったので、忘れないように今年訪れた変化とその雑感を記録しておきます。

●移住
かれこれ十数年東京在住だったのだが、2022年11月に家族で米国の東の方に移住した。今はやっとクリスマス行事が落ち着き、のんびりこれを書いている。

●2022年のアメリカ

〜フロント側のライセンスプレート消失〜
十数年ぶりに米国に住んでみてまず驚いたのは、フロント側のライセンスプレートが撤廃されていたこと(私の住んでいる州だけかもしれないが)。つまり、往来を行き来している車はどれも後部側のプレートしか付けていない。話を聞くと、例えばパトカーが被疑者の車とカーチェイスになった時、必要なのは後部側のナンバーだけなので、フロントのプレートは必要ないとのこと。交差点の事故とかあおり運転とかの検証しないのか?と疑問に思うのだが、関係ないんだろうな(よくいえば大らかな国だ)。

〜錆びてボロボロの車が5,000ドル?〜
中古車の相場が上がっているようだ。なんでも車に使用しているマイクロチップが不足しているとかで(伝聞のため本当かどうかは分からない)、バンパーからボディまで錆びてボロボロの車が5,000ドル(約70万円)以上で取引されている。そんなの誰が乗るんだと思われるかもしれないが、この州は車検がないため、どんなにボロボロでも走れば売れるらしい。ちなみに、そんなボロボロの車でハイウェイを平気で100mph(160km/h)とかで走ってくる。そういう車に限って端から端までダイレクトに車線変更したりする。車間距離はほぼない。あおり運転という概念が存在しない所以かもしれない。

〜マスクは何処に〜
空港に降り立って以降、一部の例外を除き、マスクをしている人たちを片手で数えるぐらいしか目撃していない。2022年11月時点で東京ではほとんどの人たちが外出中にマスクをしていたわけだが、少なくとも私の住んでいる地域ではほとんど誰もマスクをしていない。住み始めて1ヶ月以上経ったが、私がマスクをしている人で記憶に残っているのは、Walmartですれ違った背の高い黒人男性と、Krogerという量販店ですれ違った中肉中背の黒人男性ぐらいだった(もっといたような気もするが、あんまり憶えていない。それぐらい少なかった印象)。とりあえずこの辺りにおける白人のマスク着用率はほぼ0パーセントに近いと思われる。善いか悪いかという価値判断は置いておいて、この2ヶ国における両極端さに驚かされた。ちなみに、病院などの医療機関はどこもマスク必着となっているため、マスク人口が全くないわけではない。なお、病院では使い捨てのマスクが入り口に文字通り山積みになっていて、自宅から持っていかなくても病院で身につけることができる(衛生的に不安なため、私は自前のものを持参している)。日本ではコンビニなど至るところで手に入るマスクだが、こちらでは使い捨てマスク自体もほぼ売っていないため、例えばWalmartでも結構奥の方まで探さないと見つからなかったりする。

〜ジムの会費が安い〜
東京在住時は東急スポーツオアシスというジムに通っていたのだが、その時の会費は月額18,000円ぐらいだった。今はPlanet Fitnessというジムに通っている。こちらの会費が何と月10ドル。ほぼ10分の1以下。なお、敷地面積は圧倒的にPlanet Fitnessの方が広いのだが、その半分以上が有酸素マシン(ランニングとか階段とかのやつ)になっていて、フリーウエイトのスペースがとても小さい。安全のためなのか、ベンチプレスは設備がない(スミスマシンだけ)。東急スポーツオアシスは徒歩3分のところにあったのだが、Planet Fitnessは車で15分。これでも近所にある方だそう。車がないと何もできない。東京の快適な電車生活が懐かしい。ちなみに、東京時代はジムでは常にマスクをしていたが、こちらでは誰もマスクをしていない。この違いも驚かされた。

〜サプリが意外と売っていない〜
誰も興味ないと思うが、ワークアウト大国アメリカでは意外にEAAが売っていない。詳細は省くが、EAAというのは吸収効率のよいプロテインのようなもの(アミノ酸)で、ワークアウト前後や起床時に飲むことが推奨されている。日本だとインフルエンサーみたいな人たちが大体オススメしているけれども、例えばWalmartなどの量販店では今のところ一度も目にしていない。My Proteinのアメリカ版のサイトでも、大袋サイズのEAAは売っていなかったりする。何の違いなのか分からないが、興味深い。なお、米国の量販店ならどこでも目にするプロテインにGold StandardのDouble Rich Chocolateという味があるのだが、これはあまり美味しくないので、Gold Standardのチョコ味のプロテインを買うならExtreme Milk Chocolateという味をお勧めする。

https://www.amazon.com/OPTIMUM-NUTRITION-STANDARD-Protein-Chocolate/dp/B000QSTBNS?th=1

あと、これもどうでもいい情報だが、米国ではGold's Gymの商品があんまり売っていない。それでも一応Walmartがおそらくライセンス契約か何かでGold's Gymの製品を扱っているのだが、粗悪な作りでとても日本のGold's Gymの製品とは比べられない。今はGold's Gymのグッズを日本から取り寄せようか迷っているところだったりする。

〜インフラは凄いが、人間側は。。。コロナでさらに悪化?〜
正直この辺りはあまり変わっていない印象だが、アメリカは全体として公共サーヴィスのデジタル化やIT・AIの活用はとても進んでいるものの、人間側の問題で物事が進まないことが多い。例えば、

❶とある行政サーヴィスに登録しようとホームページにアクセスすると、サイト上では全ての工程がオンラインで完結するような書きっぷりになっているのだが、フォームを記入して数日経過すると、郵便で「これから先は電話で問い合わせください。なお、受付時間は朝の8:00〜8:30です」というような通知が届く。
❷仕方がなく指定の番号にプッシュダイアルで電話をするも、もちろん時間内に繋がることはなく、半日以上保留のまま時間が過ぎてゆく。そしていざ電話が繋がったかと思ったら、なぜか通話が切られてしまう。。。
❸こんなことを2、3回経てようやく電話が通じたと思ったら、すでにサイト上のフォームに記載していたことと同じことを延々質問される。そして「ちょっと待ってて」といわれてすぐ、突然電話が切られる。。。おそらくオペレーターが保留の仕方を知らないだろう。。。
❹次の日❶〜❸の作業を最初からもう一度繰り返し、質問にも再度返答すると、最後にオペレーター(前回とは別人)から「貴方のケースは確認が必要なため、本日中に折り返しします」と告げられる。もちろん折り返しはない。次の日も何の音沙汰もない。
❺仕方がなく❶〜❸の作業を最初からもう一度繰り返し、質問にも再度返答すると、最後にオペレーター(前回とは別人)から「貴方のケースは確認が取れました」と告げられる。なお、口頭での結果を踏まえホームページにアクセスしても「あなたのケースは作業中です」と表示されたままになっているが、どうやら承認は下りたらしい。
❻「あなたのケースは確認中です。追加の書類を提出してください」という内容が記載された封筒が1週間おきに届き続ける。承認自体は問題なく下りているようで行政サーヴィスは開始されている。誰か封書を止めて欲しい(だがもう半日かけて電話はしたくないので何もしない)

というような経験を先日経たばかりである。おそらく日本では考えられない事態だと思われるし、人によっては発狂してしまうかもしれないが、脚色は一切なく、実際に起こった事例を書き記している次第である。ちなみに上述の行政サーヴィス自体は口頭で承認された翌日には使用できるようになっていた。このスピード感は凄い。小売りのデジタル化は特に進んでいて、Amazonは配達員の行動を全てGPSで逐次教えてくれるし、WalmartやLowe'sなどはネットで商品を予約すると、次の日にはドライヴスルーで荷物を受け取ることができたりする。日本の物流はここまで進んでいないだろう。もっとも、インフラのIT化は突出しているが、例えばWalmartで予約した商品がすぐに現地で受け取れるとは限らないし(予約したのに店員がどこに商品があるか分からずずっと探していて結局遅くなるorそもそも日本みたいにがむしゃらに頑張って探さないので時間がかかる)、アメリカの郵便(USPS)はコロナ以降サーヴィスが死んでいるようで、荷物が予定通りに届かない(平気で1週間ぐらい遅れる)し、決してアメリカの物流機能が優れているわけではないというのがミソである。日本のきっちりしたサーヴィスに慣れていると発狂しそうになるかもしれない。

〜LPの高額化、ここまで来たか〜
日本時代に集めていたレコードを全てこちらに持ってこれなかったので、だいぶ処分してしまった。ちなみに、昔からレコード(特にファンクやラップなどの重低音を意識したジャンル)を買っていた方なら伝わるかもしれないが、かつては「米国のアーティストのレコードは米国(オリジナル)製で買う」というのが何となくの共通認識として存在していたと思う。カッティングの製法やマスタリングなどの違いでサウンドにも多少影響するとか何とかの理由で、UK盤やドイツ盤などの方がちょっと安かったけど、多くはUS盤でレコードを買い求めていた時代があったわけである。何が言いたいかというと「米国に行くのだから、米国製のレコードは移住後にまた買えば良いや」というような安易な気持ちで、そこまで希少ではない作品はかなり手放してこちらに来てしまった。ところがどっこい、最近のレコード(特にLP)の高額化は凄まじく、またドル円為替差の影響などで、日本の(宇田川界隈の)レコードがどれほど安く状態がよかったのかをすっかり失念していた。
名前はあえて伏せるが、宇田川界隈で簡単に見つかる某アーティストの2LP、2、3年前は2,000円ぐらいで見つかったであろうに、今やDiscogsで検索すると、最低でも1万円弱(70ドル)+送料は出さないと米国の片田舎では手に入らない。しかも笑えるのが、Discogsの出品のほとんどが日本の売り手となっている。東京でレコードが買えるのがこんなにも恵まれていたのだと完全に忘れてしまっていた。しかも最近の新作のレコード、米国プレスはほぼなくなり、そのほとんどがヨーロッパ(ドイツ、チェコなど)からの輸入ものとなっていて、米国に住む恩恵がほぼ得られないことに絶望している。ちなみにEU→米国よりEU→日本の方が送料もちょっとだけ安かったりする。日本のコレクター諸氏は安心してレコードを買い続けてほしい。まだまだ日本の(東京の)レコード屋は世界一のクオリティだと思う。

●その他
先日確認したところ、2020年11月に執筆した拙著『インディラップ・アーカイヴ』がメーカー在庫切れになっているようだ。

売れるような内容の本ではないと思っていたので、約2年で無事在庫がはけたようで安堵している。増刷の予定などは分からない(多分ないだろう)が、ご購入いただいた方、ありがとうございます。

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