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ニケ… 翼ある少女:番外編「せーぎのみたかのにけちゃん ①超音速で急ぐニケ…果たしてBERSは?」

ニケは急いでいた

急がないとBERSバーズが…

だめ… このままじゃ間に合わない…

超音速飛行で飛ぼう!

と、その時…

「にけちゃーん!」

ニケはあたりを見回した

「こっち、こっち」

下を見ると公園があった

女の子が三輪車に乗って手を振っていた

この間、助けた子猫の女の子だ

キコキコキコ…

「にけちゃん、あそぼ!」

「ごめんね、おねえちゃん急いでるの!」

かまわず超音速飛行に入ろうとした…

「ええーん!」

ニケは泣き声の方を見た

三輪車の車輪がみぞにはまり込んでいた…

天をあおぐニケ

「もう… 急いでるのに…」

でも捨ててはおけなかった

ニケは女の子のそばに舞い降りた

女の子を乗せたまま三輪車を持ち上げ

地面に下ろそうとしたその時…

大型のダンプカーが二人に向かって突っ込んできた

ギギギーッ!

ニケは右手で三輪車を抱いたまま

左手一本でダンプカーを受け止めた

「あぶねえじゃねえか!」

ダンプの運ちゃんが怒鳴どなっている

「ズビーッ!」

ニケはニケの青い炎青いレーザー光線で前輪の一つに穴をあけた

「あなたこそ気を付けなさい!」

ニケは三輪車を公園内に運んだ

「ママー!」

女の子の母親はママ友と立ち話をしている

「にけちゃんがたすけてくれたあ!」

女の子が振り返るとニケの姿は消えていた

ニケは超音速飛行で目的地上空に着いた

誰にも気づかれないように静かに舞い下りる

ニケは目的の場所に立った

しかし、間に合わなかった…

「そんな… 間に合わなかった… BERSバーズ…」

ニケは愕然がくぜんとした

目の前の光景が信じられなかった…

張り紙がってある

 「秋の新作ケーキ『BERSバーズ』おいもたっぷり!」

 《限定200個、特別価格で販売中》と書かれた上に

朱筆しゅひつで《売り切れました!》の文字が…

ニケの目から涙がとめどなく流れた

「どうしても食べたかったのに…」

「おいもたっぷりケーキ『BERSバーズ』」

ニケは唇をかみしめた…

「それにしても何て名前のケーキなのよ…」

「最低…」

ニケは目の前の張り紙に、思い切り舌を出した

「ベーッだ!」

ニケの周辺に風が吹いた…

ひょう君…?」

そんなはずはない…

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