遺伝子童話

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遺伝子童話

d.e.t. / 080(2624)3638 / cicetmeleame@gmail.com

最近の記事

小説概要

「櫛那姫」 「エゼキエル書簡」 「積乱雲の記憶」 これらは三部作です。 主観としては私本人のもの、 私本人が見る世界。 それらの小説としての成り立ちは、 現実の描写です。 ある主人公は、全て別人の様に感じられると 思いますが、共通して"子侶"と名乗る者。 その男を主人公としてひとつの世界の ディテールを表現しています。 そういう意味で、それ以前の 「上都集」 「神人A」 も、二部作の世界の描写として機能し、 ある世界の土台、基盤、スタート地点に 立った人物が生きる物語を

    • 積乱雲の記憶(十)

      可能ならば出来る事の中に、 絶対に出来ない事があるとする。 必ず出来る事が出来ない理由。 それは、結果論が追い付かない為に 出来た状態が作られないという理由から、 知り得るすべての情報を知った時に、 必ずどうしようも出来ない事実が立ち現れる 事と同じだ。 木原の領域は、必ず出来ない事が存在しない。 つまりは出来るかもしれない可能性までは、 確保されている。 それは潜在的な可能性としてその他の人間とは かけ離れて異なる。 必ず出来ない事がない領域へのアクセスは、 本人以外に

      • 積乱雲の記憶(九)

        神域と寺院。 似て非なるものだが、 私がこの部屋を出る前に最後に付け加えておく。 神域は絶対的なもの。 寺院は個人の精神。  まあ、絶対的な個人の精神が私の思うところ による、寺院。 では神より神域の方が絶対的なものなのか。 その事については私は絶対的な神の神域は 個人にとっての個人と同じなのだが、 他者にとって個人が完全たる時のみ、 絶対領域。そしてその中にいる個人。 その他者が見る個人が、 その他者の見る見え方、世界観が 個人の絶対的な主観、世界観に似付かない場合、 に

        • 積乱雲の記憶(八)

          カード。 見せた相手にその領域の影響が出ない様に、その容量のメモリが必ず読み取れない程の バイト過多となる事を示すカード形式の保存は 自分に任されている。 ネロ領域は信頼されている。この社会で。 界隈で。脳の領野に於ける新規託生の感覚器官として示されたカードは通行手形や、 身分証、または見なくても分かる形式として持ち歩くだけ。 他者の幻覚領域に存在している事がすぐさま理解できない人物は家に帰っても、外に居ても、 関わる事を干渉される領野的洗脳区域指定された個人として危険

          積乱雲の記憶(七)

          長い線路がトンネルの先へ抜けると、 樹林が生い茂る線路の両脇の片側に 誰も歩いていないコンクリートの側道が少し 高い位置に流れている。 その道路の下に抜け道が通っていて その先へ行こうと思った。 夏は相変わらずこんなイメージがする。 OLが名前を告げると、取引役の会社員は 名刺の代わりに名札を外しテーブルの上に置いた。作業員を待たせているのを告げて言おうとする事を遮らずに、取引ノートを取り出し拘束約款を見せた。 木原さん。そういう事で。 この書面はみ出さずに御願い申し上

          積乱雲の記憶(七)

          積乱雲の記憶(六)

          寺院が投影されるのは何もものや世界の 見え方ではない。ある状態、 で自室に入るとその状態に呼応した 生物環境となる。 一旦外へ出た後、戻ると自室。 その前後が寺院。 記号を文法に変えると、霊的な視点が生まれる。 文字や言葉は体外物への記号表現なので 同じレートの相対物への変換を脳内で行う。 すると、正確に理解した時、遺伝的反応を 呼び起こし、その変化が必要かどうか審査しなければいけなくなる。或いは時に、逆の意味に取り替えてでも。そういう取り違えや勘違い、 自分に見合う意味

          積乱雲の記憶(六)

          積乱雲の記憶(五)

          その名は、子侶 という。 部屋に戻った子侶は、 展開、と唱えると遺伝配列の記号を 目の前のドミノ板の羅列に転換し 読み取り操作をし始めた。 モノリス遺伝子はある洗脳を 常に生み出し続け、即物的に書き換える テレコミュニケーションを遠隔で行う 危険な存在だが、洗脳を失った時に どう行動するかを調べようとした。 カルト宗教のTシャツを着た子侶は、 ある宗教家に言われた事がある。 この視界に違なる者が居た時、この道の上に いる者だと思う事が互いにとって干渉だ、と。 己が道に何も

          積乱雲の記憶(五)

          積乱雲の記憶(四)

          男はデパートに出かけ財布を買った。 そのままデパートを出ると スプロールの存在しない都市部の辺境、 ある場所へと向かう。 寺院。 精神概念上の洗脳構造。 落ちた構造投影は、他の場所へと移されるが この男が投射した地理的要因に転嫁される。 男の地理的要因にタンパク質が感化されて 影響されると、 地理的自閉 環境的自閉 空間的自閉 そういった状態をスイッチして 街を移動する有端子分子活動となる。 落とした要因はこれか。 ブブブブブブウン。 投射するのは 遺伝子活動形態 又は

          積乱雲の記憶(四)

          積乱雲の記憶(三)

          寛解の様態を見る遺伝子。 DNA配列に哲学書の文字のカルシウム。 接合剤にゼラチンシート。 タンパク質の反抗。 新しい分子記体の為に出来る事は、 アミノ酸結合のためのパニック。 ストレスで呼吸を止め、細胞分裂を加速。 ホルモンが中性になるまで、 白血球に女から指令を送る。 細菌と細胞を戦わせる事に欠けて、 新しい病原体を入れる。 WAR REPORTは常に活動形態に還元される。 精神構造体を持たずに 常にあるひとつのカットアウトした コンセプトで全てを語らない。 そのうち新

          積乱雲の記憶(三)

          積乱雲の記憶(二)

          何事もなかったような気分になる事が とても懐かしい。 みんみん蝉がみんみん鳴く。 公園の噴水や街路、商店通り、 そこかしこにアイスバーの木の棒。 あの日に明るい部屋がここにあった事を 知るのは世界中で一部の人。 こうして飲み物を飲んでいると、 知っている人間が全てではないのに皆んなして 飲み物を飲んでいる事がさも普通なように思える 存在論は否定形で語っても肯定形でも 絶対的に肯定される。 そんな行動から離れて何かを行う事は そこにいる人の構造主体性を変えて 目的地までも。

          積乱雲の記憶(二)

          積乱雲の記憶(一)

          電子卓に手を打つ。 その盤面には黄色と白のぼやけたキー。 プル イング インフォームド イル テイカー アル テンプル ドーム クルーシアル カース カタカタ鳴らず気分が悪いが、外が雨なのが 昨夜の転換の後始末をしてくれている。 昨日、寺院が落ちた。 私はいつも英文をカタカナでこうして記述している。それが何よりも一番正しいと疑わない。 寺院とは構造的に敷いた洗脳の一部だ。 私たちは見えないものが見える。 見えないものが見える。 見ないものは見ない。そういう事なのだ。 ベー

          積乱雲の記憶(一)

          エゼキエル書簡

          ヒエラルキーの部屋で あそこの通りに居る女はCV 片隅に見つけた哲学書のページは人口動線の 支配過程で破った それを象形したのが総合病院 特にあの患者は 夜の徘徊 暴力沙汰 支配領域 精神に領野を開く 「あたしは釘を刺した」 「あいつに言っただろ」 「あんたが」 新たな日々。 死神に連絡を取った。 何を言うか、あの女はダメだと。 死神にも男女関係が? ディスクに光学迷彩を施したら 突然に 眩暈がして大気圏 中空の遺伝子を読み取り操作 あれを舐めるのはDNA

          エゼキエル書簡

          櫛那姫 (九)

          インターネットは網、ウェブ、蜘蛛の巣。 天網恢々租にして漏らさず。 と言う。 地面の底へ落とし、押さえ付け、 そこより外へ出さない。 「そういったコンセプトでいいのかな。」 俺が言うなら地図。マップ。 地域的に地獄が存在する。 その地の底に押さえ付ける。 地理的に局所的に。 インタラクティブに扱えるなら。 「他に意見あるかな?」 「わたしは違う。私はマップでいいと思う。 マップスっていう漫画あったでしょ? あれ、そういう話。あの頃の漫画、80年代、 サイレントメ

          櫛那姫 (八)

          「クシナダ、しない理由に諦観。 しない事を選ぶ事に情観。事由としての身体。」 「そうね。あなたが選んだ情や感覚的な判断は正しいとしたらその理由は他にあるか自分にあるか。」 「俺はいつも、、、」 「あなたが選ばない事にこだわる理由は? する事がたくさんあるから。する理由を見つけた時はどうする?」 「迷わず」 「あなたはそうね。つまらないわ。」 「しない事がする事になるだけで、する事がしない事を望んでるのは俺の理由。誰にもわからない。だからする事がする事を望むのは神の

          櫛那姫 (七)

          輪子とは 第三の眼 か。 臨床的体験上、病理の要因として挙げられる 事のひとつに諦観、そして情観。 このふたつの生理的現象が身体に表れて固有 の身体機能を有する霊体を得る場合がある。 心理的に第三の眼を有する事が障害しか 生み出さない長期間に及ぶ苦悩を生み出さ ざるを得ない状態を、 又は、或いは。 ---- 諦観は意識野で、夜 情観は無意識野で昼。 日と月。 意識は無能。 無意識は無。 諦観の常識として無意識に於ける諦観の 主義主張を諦観が退けて諦観たる

          櫛那姫 (六)

          輪子が精神的体験の主眼となり、 生じた能力子を客観的に見る。 その事により脳子が生ずる。 その脳子が能力子を伝授する。 輪子が見る体験を生み出す事は、 情報として詳細を見る、 書類に目を通す事だ。 テレパシーはFAXの様だと思っていたが、 送り付けた先が変換せざるを得ない データベースが溜まる状態で言語変換 しなければいけない書類が多い状態。 それが幻聴だと。 それを考えると、幻聴は自分の輪子が 働いているからか。 輪子とは? 輪子は使いこなせるものなのか。 原子の様