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ドイツに見習うべき働き方改革

「失われた30年」と言われている日本人の賃金の低空飛行状態。
「働き方改革」だといって、残業を減らそうと旗揚げしても、オムライスの上の国旗程度(昭和の人しかわからないですね・・・)で、働く世代に安心感も満足感も生むことはない。

日本人の真面目な気質ととても似ているといわれるドイツは、圧倒的に労働時間が少ないのです。日本の平均労働時間より20%も少ない。
そして有休消化率も高く、一人当たりの国内総生産は1.5倍も高い。
労働時間が少ないのに、豊かな生活をしている、ということです。
当然、育児中の女性、学びながら働きたい人などが、仕事を辞めずに自分の生活スタイルを守ることが可能になっています。

ドイツの有給休暇は24日以上と決められているそうですが、実際には30日支給している企業が大半。ヨーロッパでは有休は1か月など長期間休んでバカンスに行くのが当たり前なので、有休消化率も高い。
残業時間は、プールして一定数になったら、それを有休として使うことが可能。
労働時間も最大でも10時間まで。忙しいときは10時間残業しても、暇になれば6時間で帰ることも可能。

当然仕事が回らないケースもある。それでも例外は認められることはなく、労基署的な機関が厳しく見ているため、人材を増やすことを要請される。
ある企業では、管理職の仕事があまりにも多忙過ぎることから、1人の業務を2人で行うことで成功している。
週3日づつ出社し、お互いの仕事の引継ぎはリモートで毎日行い、スムーズに運営できる。勿論、彼らは正社員のままです。
また仕事が属人的にならず、この人がいないと回らない、という事態を未然防止ができる。そして働く2人は、家事や育児、リスキリングや趣味などで自分の時間をしっかり確保できるため、ストレスになることもない。そのため女性の管理職が大いに活躍している、という事実もある。

ここまで一気に変革を起こすことは、一企業でできるわけがありません。
政府主導で、改革をしなければならないでしょうが、まあ難しいでしょう。

・・といってあきらめているわけにはいきません。

多くの企業で、労働時間の削減ができない理由は

「仕事が属人的」だから

マニュアル化は難しい、この人がいないと回らない。

労働時間削減、有休消化、労働者を守る法律はどんどん厳しくなる中で
企業も労働者も、どちらも悲鳴を上げているのが現状です。
ですが、「できない」ばかりで「やるための施策」を考えなければ、いつまでたってもこの問題は解決しないのです。

もうひとつの理由は

「残業時間が生活費」だから

これは労働者側だけでなく、低賃金で働かせている企業側に言い訳でもあります。8時間以上働けば、割増が付く、深夜になれば更に深夜割増がつく、このシステムでは、低賃金を補うために長時間労働を率先してやりたがる人が増えても仕方がありません。8時間以上の超過割増がなくなるほうがずっと早く帰ろう、と思う人が増えるのではないか、と個人的には思います。

いずれの理由があっても、労働時間を削減することは、働く人の「人生を諦めないで働き続ける」ことを促進します。家庭の事情、自己実現、心身の病気などで、正社員になれない、とあきらめてしまうのは、人生の大半を仕事に費やす私たち人類には、残酷な暗黙のルールのように感じます。

仕事をすることは、人生の一部です。
仕事で人生を狂わされるのはおかしい。
誰もが自分の人生を歩む中で、仕事がしやすい環境でなければならない、と思います。

勿論、仕事の成果を出すことが前提ですから、どこで働こうと、短時間になろうと、やるべきことは同じです。

労働は時間で判断すべきじゃない。 労働の対価は時間ではない。

成果を出せば、どこで働こうが、何時間働こうが、関係ないはず。

そのためにも、まずは今私たちができること。

「リモートワーク」を推奨します。

コロナ禍で一気に進んだリモートワークですが、残念ながら元に戻っている企業が多く見られます。
リモートワークで寂しい感情を受けることも多いですが、目の前にいないことで、コミュニケーションを積極的に行おうという意識に芽生えたこともあるでしょう。
私は、この「意識」がとても大切だと思うのです。漫然と毎日一緒にいるから、職場にいるから、仕事をやってる気分になっている、というのが、日本の労働時間の長くなる原因だと思うのです。
意識を変えることで、仕事の仕方、コミュニケーションの取り方が大きく変わりました。それを継続していくことが、仕事の属人化を防ぐこともできる、仕事の指示の仕方を工夫し、評価基準も明確になるわけです。

これを一般化したら、また同じようなパンデミックになっても、出勤できないから仕事がまわらない、という状態になることはないでしょう。
また通勤ラッシュのストレスもなくなります。
当然ですが、リモートでコミュニケーションができていれば、対面で会ったときの喜びはひとしお。更によいコミュニケーション組織になれるでしょう。

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