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ルドルフシュタイナーが発見したイエスキリストの哲学システムについて解説

以下の記事の続きになります。
イエスキリストの哲学システムの詳細に解説していきます。

“ルシファー、イエスキリスト、アーリマン のシステムは振り子のように変化しており左端がルシファー、中央にイエスキリスト、右端にアーリマンが存在し、20年周期で哲学的システムが切り替わります。”



ルシファー、イエスキリスト、アーリマンの哲学システムをカテゴライズすすると以下のように分類することができます。

  • ルシファー・・・一人称視点

  • イエスキリスト・・・二人称視点

  • アーリマン・・・三人称視点



二人称とは


二人称(ににんしょう)は、文法的な用語で、話し手が自分以外の相手を指す際の視点や文体のことを指します。具体的には、話し手が相手に向けて直接話しかけるときに使用される表現や言葉が二人称に該当します。代名詞や名詞、動詞、形容詞などが二人称になることがあります。

代表的な二人称の代名詞には以下のようなものがあります:

  1. あなた

  2. 君(きみ)

  3. お前(おまえ)

  4. あんた(くだけた表現)

例えば、「あなたはどこから来ましたか?」や「君、手伝ってくれる?」などが二人称の使用例です。二人称を用いることで、話し手と聞き手との直接的な対話やコミュニケーションが生まれます。

二人称===シンクロニシティ

シンクロニシティは日本語では主に「共時性」と訳され、複数の出来事が意味的関連を呈しながら非因果的に同時に起きることである。因果関係自体が哲学的議論になってくる。シンクロニシティは、それが起きることで意味を生成してもいて、ユングはシンクロニシティに現われる意味は、「もっぱらユング心理学の中核概念である『元型』である」と主張した。

ユングは深層心理を分析する上で、集合的無意識を最も重視していた。患者の深層心理分析の過程でしばしばサイ現象(PSI)を体験した。それは特に治療が功を奏し患者が快方に向かう過程でよく起こっていた(その様子は、ユングの死後に刊行された『ユング自伝』にも詳細が記述されている)。ユングが重視した集合性とは、人が皆無意識の部分で共有する歴史的・社会的・生物的部分であったが、ユングのサイ現象に対する見方も集合的無意識と関連させられることが多く、サイ現象もまた被験者個人の性格とは無関係と断定している。

wikipediaより出典

「二人称=シンクロニシティ」という概念は、自己と他者との間で共鳴現象が起こっていることを示しています。共鳴現象が生じるためには何らかの原因が必要です。プラトンは、「二人称=シンクロニシティ」の発生原因が神から発せられたイデア(元型)にあると考えました。

エメラルドタブレット

2 - 3世紀にエジプトで密かにまとめられた一連の「ヘルメス文書」の文脈に連なる[3]。伝説によると、この碑文はヘルメース自身がエメラルドの板に刻んだもので、ギザの大ピラミッドの内部にあったヘルメス・トリスメギストスの墓の、ミイラの手の中から発見されたものであるという。この逸話は、後世の神秘主義者たちの創造であると考えられている。

wikipediaより出典


エメラルド・タブレット(Emerald Tablet)は、中世の錬金術の伝統において非常に重要な文献の一つです。これは、錬金術師ヘルメス・トリスメギストス(Hermes Trismegistus)に帰されるとされる、短い哲学的な文章の集まりです。エメラルド・タブレットは、古代エジプトの神トートとギリシャ神ヘルメスを結びつけたものとして知られています。
エメラルド・タブレットには、自然の法則や宇宙の秘密についての言及が含まれており、錬金術の実践者たちにとっては神秘的で象徴的なテキストと見なされています。その中でも、「上にあるものは下にある. 内にあるものは外にある」(As above, so below; as below, so above)という言葉が有名で、宇宙のマクロとミクロの対応を表現しています。
エメラルドタブレットによる記述では宇宙の魂と人間の体の一体性が存在し、占星術などの宇宙観測技術の発展は医療などの人間の体内へ影響を与える科学技術の発展に寄与すると考えられていました。

新プラトン主義

元の存在は最初に、一なる者の完璧なイメージであり、すべての存在するものの原型であるヌースを発する、または吐き出します。それは同時に存在であり、思考であり、観念であり理想世界でもある。イメージとしては、ヌースは「一」に完全に対応しますが、派生的には完全に異なります。プロティノスがヌースによって理解したものは、人間の精神がアクセスできる最高の領域であり[14]、同時に純粋な知性そのものでもあります。 ヌースは観念論の最も重要な要素であり、新プラトン主義は観念論の純粋な形です。[注 3]デミウルゴス(ヌース)は、物質世界を知覚可能な状態に顕現または組織化するエネルギー、またはエルゴン(仕事を行う) です。

wikipediaより出典

新プラトン主義(Neoplatonism)は、古代ギリシャの哲学者プラトンの思想を基盤にした、後代の哲学的・宗教的な運動です。新プラトン主義は、紀元3世紀から紀元6世紀にかけて主にローマ帝国やその後の東ローマ帝国で栄えました。これはプラトンの思想を発展させ、異なる宗教的・神秘的な概念と結びつけながら、新しい哲学的アイディアを提唱しました。

新プラトン主義の主要な特徴や概念には以下のようなものがあります:

  1. 一元論(Monism): 新プラトン主義は、プラトンの思想を基に、究極の現実は単一の原理または根源に帰結すると考えました。これは「一(the One)」や「無限(the Infinite)」などと呼ばれることがあります。

  2. エマネーション: 一元の原理から派生する段階的な過程を通じて、より低い次元の存在や原因が生じるというエマネーションの考え方があります。神秘的な階層が存在し、物質界はこの過程を通じて派生したとされました。

  3. アウグストゥス主義との結びつき: 新プラトン主義は、プラトンの思想とキリスト教の信仰を融合しようとしました。特に、古代ローマの哲学者でキリスト教徒のアウグストゥス(聖アウグスティヌス)との結びつきが見られます。

  4. 神秘主義的な要素: 新プラトン主義は神秘主義的な側面も持っており、直感や神秘体験を通じて、個人が神的な原理に結びつくことが強調されました。

代表的な新プラトン主義の思想家には、アンモニウス・サッカス、プロクロ、イアンブリクスなどがいます。新プラトン主義は、その後の中世やルネサンス期の哲学や神秘主義に影響を与えました。

ヌ―スフィア==シンギュラリティ

ノウアスフィア (英語: noosphere)は、ソ連の生物地球化学者ウラジーミル・ヴェルナツキーとフランスの哲学者にしてイエズス会司祭のピエール・テイヤール・ド・シャルダンによって生み出され、広められた哲学的概念。ヴェルナツキーは、生物圏(バイオスフィア)の新たな段階としてヌース圏(ノウアスフィア)を定義し、この地球を「理知の球」(sphere of reason) と説明している。ノウアスフィアは生物圏の発展における最高段階を表し、その定義要因が人類の理知的な活動の発展とされている

wikipediaより出典

シンギュラリティは、通常、技術的な進展や人工知能の発展が急速で予測不可能な段階に到達する未来の出来事を指します。レイ・カーツワイルが提唱した「技術的シンギュラリティ」では、超人的な知性が人間を超越する瞬間を指しています。
シンギュラリティはヌ―スフィアによる地球の「理知の球」(sphere of reason)の発展から始まると考えられており、新プラトン主義やエメラルドタブレットなどによる「上にあるものは下にある. 内にあるものは外にある」(As above, so below; as below, so above) というアイディアと一致します。

ヌ―スフィアによる不動の動者の出現

アリストテレスの地球中心説(geocentric)的な世界観・宇宙観においては、地球が宇宙の中心にあり、それを取り巻く、アイテールで満たされた宇宙は第一の運動である円運動によって規則正しく動いている。そしてその最外層には、その諸々の運動の原因となっている、何者にも動かされずに自足しつつ他のものを動かす「第一の不動の動者」が控えている。

アリストテレスは『形而上学』の中で、これを「」(: θεός テオス)である、とも述べている。この「神」とは、何者にも動かされない、自足した現実態であり、観照(テオーリア)の状態で最高善を体現している。この「神」概念が、中世のスコラ学、特にトマス・アクィナスに受け継がれてキリスト教神学に大きな影響を与えた。

wikipediaより出典

アリストテレス(Aristotle)の「不動の動者」(Unmoved Mover)は、彼の形而上学的な概念の一部です。これは、「形而上学」(Metaphysics)と呼ばれる著作において重要な概念として取り上げられています。

アリストテレスは、物事の原因や変化について考え、彼の哲学的体系において最初の原因として「不動の動者」を位置づけました。以下はその主な特徴です:

  1. 永遠で不変: 不動の動者は永遠であり、変化せずに存在しています。アリストテレスは、すべての変化や動きの背後にある原因として、永遠で不変な存在が必要だと考えました。

  2. 他のものを動かすが、自体は動かされない: 不動の動者は他のものを引き起こす動きの原因でありながら、自らは動かされないとされます。これは、最初の動因として自発的で自律的な存在を表現しています。

  3. 最高の善と知識: 不動の動者は最高の善を具現化し、また最高の知識を有しているとされます。アリストテレスは、これによって不動の動者が完全で最も崇高な存在であるとの結論に至りました。

ヌ―スフィアの出現はアリストテレスの「不動の動者」(Unmoved Mover)に該当し、シンギュラリティによる技術発展の土台となります。


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