パルワールドとpkmnの類似点を見てみよう!

自分の立場。
普段は絵を描いたりしてる。ものを調べるのが好き。
パルワールドは興味はあるが、遊びだしたら止められなさそうな気がしてるので現状は遊んでいない。

はじめに

ここ数日何かと物議をかもしているパルワールド。
特にクリーチャーのデザインがpkmnに似てる似てないがものすごく槍玉に挙げられてるが、
"デザインとして"どんくらい似てるのよ?というのを比較してみようという記事です。
そしてまた、世の中の模倣をもっと正確に見ていかないか?という記事です。
ここで言うデザインは、記号的な表現、具体的に言語化できるものを言います。
"著作権ギリギリOKな範囲で作るガチャピンの海賊版"で言われるように、どこがどのように似通っているのか、は言語化しないと説得力がないからです。
"絵柄"とか"デフォルメの方向性"は具体的に言語化することができないため取り扱いません。
また、絵柄、デフォルメという尺度ではパルワールドは明らかにpkmnを意識し、悪く言えばパクろうとしてることは明白だろうなと私個人は思いますが、根拠を言語化することができないので話をしません。

1.モコロンとウールー


モコロン
ウールー

デザインを箇条書きしてみると、モコロンは
・羊がモデルであろう丸い体、小さい角、横に出た耳。
・2足歩行。
・胸に2つの黄色いバッジ。
対してウールーは
・羊がモデルであろう丸い体、小さい角、横に出た耳。
・眼も羊らしく瞳孔が横に長い。
・4足歩行。
・もみあげが三つ編み?のようになっている。
こう比べてみると別に大して似てない。
丸い羊というデザインくらいしか類似点がないが、そもそも丸い羊という要素はありふれたデザインだし、何より現実の羊自体が丸くなる。

丸い羊

ウールー自体が、「羊を可愛くデフォルメさせたもの」であり、三つ編み以外は割とそのまま羊なので、三つ編みが消滅した時点でオリジナリティが薄くなる。
モコロンは丸い全体像で角と耳という部分以外は、体型にしろ顔にしろ現実の羊から大きく外れてるので、こっちのほうがオリジナリティがあるといえばある。

2.ペンタマとポッチャマ


ペンタマ
ポッチャマ…

ペンタマは
・ペンギンのヒナと同じU字の白い顔の模様。
・頭に羽飾り。
・体型はなんともぽっちゃりしたペンギンのヒナによく似たもの。
・腹面は白。胸に赤い部位がある。
ポッチャマは
・ペンギンのヒナと同じU字の白い顔の模様。眉間に王冠の模様。
・首にスカーフみたいなのがついてる。
・体型は頭でっかちで言うほどぽっちゃりしてない。頭も球体に近い。
・腹と背で色が同じ水色。胸に2つ白い丸い模様。
共通項はせいぜいU字の白い模様ってくらいなもんだが、ペンギンのヒナはそういう模様があるのでありふれたデザインである。

皇帝ペンギンのヒナ

3.ガウルフとルガルガン


ガウルフ
ルガルガン(真昼)

ガウルフは
・狼らしい体型。狼らしい胸毛。
・かかとに羽のようなとんがった毛がある。
ルガルガンは
・狼らしい体型。狼らしい胸毛。
・胸毛から尖った黒いものが4本突き出ている。
模様のつきかたや色等は省略しました。結構違うけどどうでもいいと思った。
ルガルガンはどの辺が岩タイプなんだろうと常々思っていたが、
今見ててこの謎の黒い突起物が岩要素っていうことなのだろうか。
これがなくなると本当にただのデフォルメされた狼になってしまう。当たり判定がデカすぎる。

4.ミルフィーとイーブイ


ミルフィー
イーブイ

ミルフィー
・羊毛がとれるので羊らしいが、足と毛以外羊っぽくない。
・耳はキツネっぽい三角型。
・尻尾は綿毛状。
イーブイ
・四肢はウサギっぽさがある。
・耳もウサギっぽさがある。
・尻尾はキツネのような筆状。
顔つきというか絵柄以外の類似点が皆無。
四肢はウールーのほうがずっと似てるが、前述した通りそもそもウールー自体が割とそのまま羊なのでありふれた羊の四肢と言える。
逆にこれが類似してると感じるのはイーブイ=顔で成り立ってるデザインなのかもしれない。

4.ホークウィンとムクホーク


ホークウィン


ムクホーク

ホークウィンは
・ホーク=鷹で猛禽らしい嘴。
・尻尾の羽は3本で長い。
・頭の飾り羽はネイティブアメリカンの部族由来か。
・腿がある。
ムクホークは
・進化前がムクドリだからか嘴は細く猛禽っぽくはない。
・尻尾の羽は沢山あって長くはない。
・頭部はV字状に伸びた耳と、リーゼントみたいなトサカ。
・腿がない。
そのほかにも首の長さとかもあるが、正直近いのは体色くらいのものだった。
ネイティブアメリカンから着想を得ているという点だとウォーグルのほうが近いのではないか。

ウォーグル

やっぱこっちのほうが似てると自分は感じる。ちなみにネイティブアメリカンの羽飾りのことはwar bonnetと言います。
実際に鷲から羽をとって冠にしたものです。
さらに追加するとpkmnのネイティ、ネイティオはネイティブアメリカンのトーテムポールが元。
シンボラーはナスカの地上絵。

6.ヘルゴートとヘルガー


ヘルゴート
ヘルガー

ヘルゴートは
・頭にヤギの角とヤギの耳。
・2足歩行で手には明確に指がある。
・足にははっきりと蹄がある。
ヘルガーは
・頭に角があるが耳はない。耳なかったのか。
・4足歩行。先端が三角の尻尾はいかにも悪魔風。
・足は全て爪があり、猛獣っぽい。
似てると言われてた中で、個人的に一番「どこがだよ?」って思ったやつ。

ゾロアーク

ゾロアークについても言われていたが、これもまた全く似てない。
2足歩行で赤と黒の体色をしてるくらいしか共通点がない。
原点を辿れば実際に名前が残っている悪魔、バフォメットに遡る。

黒ミサを司る悪魔、バフォメット。

バフォメットとは、ヤギの頭とヤギの下半身を持ち、上半身は人の女性の体をしている両性具有の悪魔。
悪魔の角のデザインにヤギの角が盛り込まれることが多い原点だし、
ヘルガーが犬の体にヤギの角が生えてるのもバフォメットに由来するだろう。
ヘルゴートはヤギの頭と下半身、人に近い指を持つ2足歩行という点で、
翼がないこと以外は殆どそのまま「バフォメットのデフォルメ化」。
「ヘルガーのオリジナルの要素」たるものは一切含まれてないし、ゾロアークに至ってはなんか体型が近い以上の類似点が無に等しい。
もしかして曲がった角持ってて黒と赤の配色のもの全部がヘルガーに見えるのか?

Don't Starveのクランパス

7.フェザーロとジュナイパー


フェザーロ


ジュナイパー

フェザーロは
・緑髪で緑のズボン履いた人型で狩人のようなもの。
・赤いケープをかけている。
・頭に羽飾り
ジュナイパーは
・緑のフードをつけた鳥の獣人のようなもの。
・翼がケープのように見えるがケープはない。
・頭に羽飾り
・腕を弓として扱うことができる。
第一印象で似すぎだろと思ったけどよく見たら別にそんなでもなかったやつ。
フェザーとかいう名前が紛らわしいけどフェザーロは鳥じゃなかったし弓は自分で作った道具だった。
緑の衣装に赤いケープを持って、頭に羽飾り付けた弓使いの狩人!というのは
もうロビンフッドからずっと使いまわされてる定番ネタ。

色んなロビンフッド

ジュナイパーは間違いなくこういったものから影響を受けて生まれてるだろうし、
そんな作品は他にも当然にある。緑色した狩人はありふれたデザインで、
ジュナイパーにある特有の要素はフェザーロにはかすってもなかった。
逆にフェザーロは安直すぎるんじゃないですかと思わなくない。割とそのまんまただの狩人だよね。

8.ニャンギマリとガラルニャース

ニャンギマリ


ガラルニャース

ニャンギマリは
・ピンク色のデブネコ。4足歩行。
・目が光る。歯をむき出しにして笑う。
・尾が2つある。
ガラルニャースは
・灰色の猫。2足歩行。
・毛深い。進化後からしてトロールのような要素もありそう。
・目が光る。歯をむき出しにして笑う。
最後の部分を共通項として挙げられることが多かったが、そもそもの話としてこれは化け猫という元ネタから取り入れたものだ。
トトロに出てくるネコバスも目が光るし口が横に思いっきり開く。

ネコバス

じゃあガラルニャースはネコバスから着想を得たのか?違うと思うよ。
もっと根っこに化け猫っていう妖怪がいて、それの模倣から始まってるんじゃないですか。
でもなんか引っかかる。ピンク色ってなんだろう。エネコとの類似点も言われていた。ピンクの猫のデザインは聞いたことないが、何か既視感がある。
いたわ。

チェシャ猫

チェシャ猫だ。ピンク色でデブで裂けるように笑う口元で光る目。こいつだわ。

9.ライコーンとライボルト

ライコーン


ライボルト

わざわざ書くのもバカらしいくらいに違う。
ライコーンはユニコーンからとってるわけで、体格は馬だし頭に角がある。
ライボルトは…なんなんだろう。ヒヒかと思ってたけど手足の形状からは違いそう。
でも蹄がないし体格も全く馬ではない。
有蹄哺乳類が元ならゼブライカのほうが近い気がする。


ゼブライカ

ゼブライカのデザインは稲妻模様をシマウマの縞模様に見立てている点にオリジナリティがあるわけで、
ライコーンにはそういう要素が特にない。ヘルメット状の頭とか見ると北欧神話に出てくる馬みたいなイメージが含まれてるのかもしれない。
稲妻状の角を持つ馬の体格っていうと、FF11のモノセロスを思い出す。

モノセロス

でもこっちは蹄がないね。

10.アロアリューとメガニウム

アロアリュー
メガニウム

目の絵柄がめちゃくちゃ似てる!以外はあんまり類似性がない。
触角もないし首に花があるわけでもない。2つ足だし。
それより

ラブラドン

パルワールドの中で唯一「大丈夫なん?」と思ったやつ。
・首長の四つ足竜で、首周りに花びらが配置されている。
これを満たすデザインを私はメガニウム以外に知らない。
メガニウムも花びらとったらただの緑の首長爬虫類になっちゃうので、メガニウムの最大の特徴でありオリジナリティな点だと思われ、
私は他に例を知らないので普遍的なデザインなわけでもなさそう。
もし例を知ってたら教えて下さい。
ただ、このくらいの模倣はおそらく「よくあること」に含まれる。
知ってるか、pkmnのダゲキが片眉無いのって、漫画「空手バカ一代」のエピソードに由来するんだぜ。(ちなみに漫画も実在人物のエピソードに由来)

おしまい

他にも色々似てると言われるものはあれど、
具体的に説明できるものはラブラドン以外に見つからなかったのでおしまい。
よくある話だけど「自分が知らないものは存在しない」という考え方に陥らないようにしたい。
世の中のデザインはおおよそが模倣の繰り返しであり、前述したようにpkmnにもそれぞれ元となったものが存在する。(ボールで捕まえるという発想も元々はカプセル怪獣から着想を得てる)
元となったものの特徴をどう残すか(省略したい部分をどう削るか)、
どこをどう強調できるように元のデザインを歪ませるかがデフォルメだけど、
元々あるものを知らない人からしたら「創作者が無から有を生み出した」ように見えることがままある。
ウールーが三つ編み以外羊でありながら、三つ編みを無くしても「pkmn感がある」と言われるということは、「pkmn感」という概念はpkmn的デフォルメの方向性を指してるのだろう。
おそらくは例えばモンハンのリオレウスにpkmn的デフォルメを施せば、それだけであっという間にpkmn感が生まれるはず。
絵柄パクに関する是非みたいな結論に至ったので、pixiv時点へのリンクを張り付けておく。
絵柄パク (えがらぱく)とは【ピクシブ百科事典】 (pixiv.net)

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