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私という人 〜旅立ち〜

冬季休みも終わり

卒業までは残り少ない。

反省文を書き終えたことで

高校三年生を二回経験せずに

卒業できる。

担任には感謝しかない。

クラスメート達は

一緒に卒業できるなんて

奇跡じゃね!

なんて笑いながら話ていた。

ここまで来たのだから

もう大人しくしていよう。

小学校の入学から

中学卒業まで

友達がおらず

高校デビューをした私。

強くなるためにと

ギャルになり

初めて出来た友達に

裏切られる。

待ち伏せをされ

暴行を受けた事もある。

授業を受けたくないから

遅刻や早退を繰り返していた。

日々 カラオケや

ゲームセンターへ行き

補導されるなんて日常だ。

日が沈んでからも

意味もなく

フラフラと

繁華街を歩きまわり

深夜の駅で騒ぎながら

花火をして通報される。

最終電車がなくなったからと

ヒッチハイクをしながら

自宅へ帰ろうとして

停まった車が

覆面パトカーだった事もある。

運転手が無免許だと

分かっていながら

一緒に出かけ事故に遭う。

何度も停学になった。

思い返してみても

とても濃い三年間だった。

いつも

その時の楽しさしか

考えていなかった私は

卒業後の事は何も決まっていない。

勉強が嫌いだから

大学や専門学校へは

進学しない。

いや違う

しないではなく

出来ないの間違いだ。

仕事をするしか道はないが

何をしたいかなんて

分からない。

とりあえずバイトか

なんて考えていた時

母から

県外に行って住み込みで

働いてみたらと言われた。

なぜ県外?

地元で働けば

また遊び歩き

貯金もできないだろう。

いつまでたっても

大人にはなれない

人より濃い青春を

体験したのだから

少し落ち着いたら

どうかと

母は言う。

県外か・・・・

行ってみても良いだろう。

三月になり私は無事に

高校を卒業する事ができた。

担任は相変わらず

鼻水を流し嗚咽しながら

泣いている。

父にも

きちんと卒業出来た事を

報告した。

満開の桜がとても綺麗で

私の卒業を

喜んでくれているように

見えていた。

卒業式の1週間ほど前に

就職先が決まり

地元に残らないことを

Мやクラスメートたちに

報告すると

会えなくなるからと

寂しがってくれていた。

私は仲間たちを

信用していない

訳ではないが

気持ち新たに

大人へのスタートを

きるために

所在は分かり次第

連絡すると言い

Мにさえ伝えなかった。

私は心機一転

自由気ままに遊んでいた

破天荒な自分を

封印し真面目な社会人に

なる事を決意。

仲間へ別れを告げ

地元を離れる事にした。


・・・・・・・・続く




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