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生まれた日の天気

寒波襲来です。
通り過ぎるのをひたすら待つしかないですね。
そんな待ち時間のお供に。

わたしの祖父母は既に鬼籍に入っていますが、このふたりの葬式の間中とんでもなく荒れた天気で、参列者が寒さに震えることになりました。
母は生まれた日が晴天だと死んだ時も晴天、荒れた天気に生まれた人の葬式は荒天に見舞われると何度となく口にしており、最後は決まって
自分は晴れた日に生まれたので、自分の葬式は晴天に恵まれるとわたし達に繰り返し言って聞かせてきました。

祖母が死んだのは3月24日。暑さ寒さも彼岸までというように、祖母が死ぬまでは特段天気は荒れていませんでした。
しかし葬儀中は吹雪に見舞われ寒い事この上ない。窓の外は真っ白で
荒れ狂う吹雪に震えておりました。
ところが葬儀が済むと、ピタッと吹雪が止み青空が顔を出し春の温もりが戻ってきました。
図ったかのように悪天候が鎮まった時には、何で全部済んでから天気が良くなるんだと唖然としました。

祖母の死から数年がたち、今度は祖父を見送ることになりました。
祖父が死んだのは7月1日。梅雨明けはまだでしたが、ジメジメした曇天模様でした。
しかしこちらも葬儀中は暴風雨に見舞われました。7月だというのにその寒いことといったら。
葬儀の間中、寒さに震えておりました。
ところが、こちらも葬儀が済んだ途端に暴風雨はピタリと止み、青空が顔を覗かせ、夏が戻ってきました。
何故葬儀中は荒れ狂う天気なのに、葬儀が終わるとピタリと天気が回復するのか、不思議でしょうがありません。

この悪天候の葬儀が会話にのぼる度に、母は自分の時は祖父母と違って天気がいいから気にするなと何度となく言うのですが、わたしはちょっと疑っています。

実は祖祖父の時も土砂降りの天気で幼心に荒れた天気が恐ろしかったのを覚えているからです。
うちの家族の葬式が悪天候に見舞われるだけで、生まれた日の天気は関係ないんじゃないかと。

ともあれ嵐は止みます。吹雪もずっと続くわけではありません。
通り過ぎるまでの一時を共にやり過ごしましょう。


読んで頂きありがとうございました。


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