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知っておくべき基本の心理法則

01 ジャネーの法則
歳をとるほど時間が短い
年齢を重ねるほど時間の経過を短く感じる記憶効果。
50歳の人にとっての1年は人生の50分の1ですが、5歳の人にとっては5分の1。時間の心理的長さは年齢に逆比例する。感動体験が少なくなるため。

02 系列位置効果
情報に接した時の「記憶」の順位
少ない情報の時は、「あとの情報」が強く印象づけられる。
たとえば「山田はケチだけど、イイ奴」なら「イイ奴」の印象ですが「山田はイイ奴だけど、ケチ」と聞けば、「ケチ」の印象が強まる。
複数名が自己紹介するときは「一番最初の人」と「一番最後の人」の印象だけが記憶に残りやすくなる。
一番最初の人が記憶に残りやすい場合を「初頭効果」、一番最後の情報の場合を「親近化効果」と呼ぶ。
情報を伝える順番によって印象も変わる。

03 カリギュラ効果
禁止されると「禁」を破りたくなる
人は禁止されると反発する。
昔、ローマ帝国カリギュラを描いた映画が「残酷すぎる」として、米国ボストン市内での上映を禁止されたことがあった。
禁止されると余計好奇心が刺激され観たいと思わされたから。

04 フレーミング効果
「思考の枠組み」を再構築する
「お客さんが気に入られたこの物件のお家賃は、ご予算より3000円オーバーしています。」と伝えたのでは、お客さんを迷させる。
「1日100円、予算よりオーバー」と伝えればお客さんも背中を押される。
言い方一つで、相手の「思考の枠組み」は変えられる。
「もう5時」と「まだ5時」の違いは大きいもの。

05 返報性の原理
「お返し」をしたくなる原理。
他人から何らかの「施し」や「サービス」を受けると、相手にも「お返しをしないと悪いなぁ」と思ってしまう。
スーパーで試食をしたら?「買ってあげようかな?」という気にもなる。
誰かから好意を持たれると、ことらもその人に好意を持つ。(好意の返報性)
誰かから悪意を持たれた場合には、こちらも相手に悪意を持つ(悪意の返報性)

06 バンドワゴン効果
多数派に同調したくなる心理
バンドワゴンはパレードの列を先導する楽隊車のこと。
「時流に乗る、多勢に与する、勝ち馬に乗る」という意味になる。
みんなと同じが安心ということで、流行現象や、当選しそうな候補者に票を投じる行動を指す。正しいかどうかは、関係ないため「人々が信じているから神様は実在するはず」といった論理学の誤りとしても扱われる。

07 リンゲルマン効果(傍観者効果)
社会的手抜き現象
運動会の綱引きや集団作業では手抜きの人が現れる。道路に倒れた人がいても「誰かが助けるだろう」と大勢が素通りしたりする。
特定した言い方でお願いすると動いてくれる場合がある。

08 認知的不協和
自分の認知と矛盾すると不快になる
「タバコは健康に有害」と指摘されているのに禁煙できない人
は不快なので「喫煙者でも長生きの人は大勢いる」「ストレス解消に役立つ」「タバコはそれほど有害ではない」と思い込み、認知を変える。
認知的不協和に陥ると行動を変えるか?(禁煙する)、認知を変えるしかないから。自分の買った商品の半額セールを目撃した場合も、不快なので、人はそれぞれに認知を変えている。

09 共通項・類似性の原理
似たところがあると親しみを覚える
人は相手との共通項や類似性が多いほど「似たもの同士」や「仲間」を意識して「親しみ」を覚える。
出身地や学校、趣味や経験したスポーツ、好きな食べ物、TV番組、俳優などなんでもよい。嫌いなモノでも同じ原理がはたらく。

10 ページングとディスペーシング
相手とのコミュニケーション作法
ペーシング(同調)は、「笑顔には笑顔で」「悲しむ人には悲しむ態度」で応じて、相手を安心させ、仲間意識を育む態度なので、会話も長く続く。
反対に「笑顔の人に怒って応じる」や「悲しむ人に笑って応じる」のはディスペーシング(反同調)なので、会話は中断するはず。
怒って迫る人に委縮するのは「ページング」ゆえに相手は増長して怒り続ける。「落ち着いて下さい」と冷静な態度で適度にディスペーシングするからこそ、相手の怒りも鎮められる。

11 カメレオン効果
さり気ない「マネ」で好感度アップ
カメレオンは環境に応じて肌の色を変える。
それと同じように、相手の言葉をオウム返しすると、相手は自分の話を聞いてくれていると感じる。
「会社の帰りにね、面白い店を見つけたよ」と聞いたら、すかさず「ほう~面白いお店かぁ・・・」と相づちを打つ。(バックトラッキング効果)。
また相手が頭の後ろを手でかいたら、こちらもさり気なくその仕草をマネる。ビールを飲んだらこっちも飲む。(ミラーリング効果)。
これらで相手の無意識に好感度を刻む。

12 ツァイガルニク効果
途中遮断されると続きが気になる
人は達成できなかった事柄や中断して事柄のほうが、達成できた事柄より、よく覚えているという記憶作用。
旧ソ連の女性心理学者ブルーマ・ツァイガルニクが実験で明らかにした。
TV連続ドラマも盛り上がったところで「次回に続く」となる。
途中まで盛り上がって急に打ち切られると、続きが余計に知りたくなる。人は目標に向かっている時は緊張するものの、目標が達成されると緊張が解消されるから。

13 パーナム効果
占いが的中していると思わせる手法
占い師は、お客を目の前にして、生年月日を調べたり、人相や手相をしげしげと眺める。これは目の前のお客に限定して占っていることを示す儀式。
次いで誰にでも当てはまることを伝える。
「あなたは孤独ですね」「お金の悩みがありますね」など。すると漠然とした曖昧なご託宣に対し、お客は自分の具体的な事情を当てはめて、「はい、そうなんです」などと答えてしまう。
こうしてお客の情報を収集しながら当たっていると思わていく手法。

14 アンカーリング効果
最初に提示された数値に縛られる
標準的な価格を知らないと、相手が提示した金額が高いか安いか不明。
すると提示された金額が船のアンカーのように固定化され、そこからの値引き交渉になりがち。
スーパーの冷凍食品売り場では、時々半額セールが行われる。
景表法では安売り表示前の8週間のうち半分以上の期間通常価格で販売すれば虚偽表示にはならない。

15 ザイアンスの3法則
人が親しみを覚えるための原理
米国の心理学者ロバート・ザイアンスは「①人は知らない人には攻撃的、批判的、冷淡に応じる。②人は会えば会うほど親しくなる(単純接触の効果)。③人は相手の人間的側面を知ると、より好意を持つ。」と人間の性向を喝破した。

16 ローボール・テクニック
受け取りやすい球は受けてしまう
「ローボール・テクニック」は詐欺的商法に多く使われる。
「老後の安心にアパート経営!30年間一括借り上げ、自己資金が少なくても土地がなくてもOK!」などと「運営まで任せて安心」をうたう新築アパートビジネスがある。しかし、建築費は相場の2倍で、家賃も2年毎に下げられ、リフォーム代も高額ゆえ他の業者を使えば契約解除され、入居者も引き抜く。30年後にローン完済できても建物は老朽化し、値下がった土地だけが残る詐欺的商法にすぎない。

17 ディドロ効果
気に入ったモノにすべて合わせたい
フランスの思想家ディドロのエッセイにちなみに名付けられた心理効果。
あるモノの購入が気に入ると他のモノもそれに合わせて統一したくなる心理。ブランド物を購入して気に入り、すべて同じブランドで揃えたくなったりする。

18 ダブルバインド(二重拘束)
矛盾したメッセージの罠
「金持ちだけどブサイクな男と貧乏だけどハンサムな男のどちらが好き?」と尋ねると、どちらも好みでなくても「金持ちの方」などと答えてしまいがち。質問には誠実に答えるべきという義務感がそうさせ、二者択一の問いかけは二十拘束の誤った質問法になりがち。
本来は「どんな男性が好き?」と尋ねるのが正しい質問の仕方。
「失敗を恐れず挑戦しろ!!!」と社長が訓示し、社員が失敗したとたん減給処分にしたというのもダブルバインドの罠。

19 メラビアンの法則
視覚的要素の影響力が大きい
米国の心理学者メラビアンが実験で明らかにしたのは、話の内容(言語情報)、話し方(聴覚情報)、顔の表情(視覚情報)などのどれかに矛盾があった時、いずれがどの程度影響するのか分布するか?
言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%としたのだが、この結果が一人歩きして、「人は見た目が一番重要」という解釈が広まった。
本来は「見た目が重要」は間違いでないものの、悲しい話しなのに笑って話すといった表現上の矛盾状況が前提だった。

20 モチベーション効果
外発的発達動機と内発的達成動機
モチベーションとは「動機付け」。
「やる気」や「意欲」を持続させる心の作用。給与や昇進、ご褒美、賞賛、名誉といった外部報酬や、罰則、強制などで仕事が行われる場合は外発的達成動機によるため、持続性が損なわれやすい動機づけになる。
また、好奇心や興味によって心から好きで仕事に取り組んでいる場合は、行動そのものが目的となる内発的達成動機による。人生目標に合致した外発的達成動機があるなら、内発的達成動機とも矛盾せずに両立する。

21 不定率強化
不確定な報酬が喜ばせる
給料は定期的に入る報酬なので、振り込まれてもそれなりの喜びですが、臨時ボーナスが支給された時のうれしさは不確定(不定率)の報酬ゆえに格別なものとなる。時々大当たりを経験してギャンブルにはまるのも同じ原理。
値引きを強いている下請け会社に、たまに元受け会社は満額を払って下請け会社を喜ばせ、従属させる。
LINEの返信がいつ来るかわからない彼氏が、たまにすばやく返信すると彼女は喜び倍増で彼氏にますます縛られる。

22 マム効果 
沈黙によって得られる功と罪
「マム(Mum)」とは沈黙の意味。
寡黙で自分のことを話さない人は、対人関係で悪い印象を与える。
情報量が少ない時、人は悪い方向に考えがち。頻繁に連絡をくれた恋人から連絡が途絶えると何か悪い事態が発生したのではないか?と不安にさせられる。連絡が来ない日数が長すぎると怒りに変わる。
ただし、ほんの一日程度の遮断にして「連絡できなくてごめん。昨日は〇〇で大変で・・・」などと伝えると相手は喜びは大きくなる。

23 集団極性化現象
個人より集団が恐ろしい
「集団極性化」とは、集団で意思決定を行うときは、個人で意思決定する場合より判断が極端な方向に傾きやすいことを指す。過激な方向に向かう場合が「リスキーシフト」、安全無難な方向に向かう場合が「コーシャスシフト」。

24 プロスペクト理論
得することより損することに敏感
02年に行動経済分野でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが提唱して一躍有名になった「損失回避の法則」。
人は目先の利益はそのまま得ようとするが、損失がある時はその回避のためにリスクを取ろうとする。
コイントスする時に、A「無条件で100万円もらえる」B「表なら200万円、裏ならゼロ円」の場合、誰もがAを選ぶ。
しかし、負債が200万円の人はBを選ぼうとする傾向が強まる。
損失があると損失自体の回避に走るから。

25 認知バイアス
認知には歪みや偏りが生じる
人は外界の刺激を知覚し、それを経験や認知などで整理し認知としている。
ゆえに、人はぞれぞれに認知の歪みや偏りが生じる。
たとえば「感情バイアス」は自分の楽観的感情だけで物事を判断する。
「正常性バイアス」は危険が近づいていても自分は安全と思い込む。
「確証バイアス」は先入観に基づき自分に都合よい情報だけを集めて物事を判断する。「喪失不安バイアス」は今やめると過去のすべてがムダになるとサンクコストに呪縛される。

26 連合の原理
「好印象」は隣接させると結び付く
美人秘書を従える社長はヤリ手に見え、クルマの隣に美女を立たせればクルマも映える。美味しい食事の招待は接待した人を「好印象」にする。
(ランチョンテクニック)。CMは好感度の高いタレントを起用し、商品の好印象を演出する。

27 ロミオとジュリエット効果
反対されると恋は燃え上がる
シェークスピアの戯曲で有名なロミオとジュリエットは、家柄の違いを理由に交際を禁じられますが、余計に恋の炎を燃え上がらせる。
カップルは、障害があるほどそれを乗り越えようとする。
禁じられると逆らいたくなる心理(カリギュラ効果)と、障害を乗り超えようとする意欲を、恋のボルテージの高さと錯覚してしまうから。
W不倫のカップルは障害を乗り越え、やがておたがいが離婚して2人が結ばれた途端、急に熱が冷めたりしている。

28 一貫性の原理
自分の態度は首尾一貫させたい
人には、自分の判断や行動を一貫させたい心理がはたらく。
なじみの飲食店に行くのは、選択するのが面倒で失敗が少ないとか、人としてブレない態度は高評価につながるといった認識があるから。
小さな要求でイエスを取り付け、次に少し大きな欲求にもイエスを取り付ける「階段的依頼法」やセールスで「いい天気ですね」などと話しかけ、「そうですね(イエス)」を繰り返させてクロージングまで行く「イエスセット」などにも使われている。



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