【短編連載】精と血:2
〈7月21日〉
待ち合わせの場所に父親は来なかった。
2時間待っていたが、連絡もなかった。
15年ぶりの再会に何かしらの期待はあったが、来なかったことに特に怒りはない。
帰りに母のところへ行った。
父親が来なかったことを話すと、やはり悲しそうに笑っていた。
昨日より少し顔色が良かった気がする。
今、警察から電話があった。
父親が亡くなったと伝えてきた。
自分の部屋で倒れているのが見つかったらしい。
明日、警察に来るように言われた。
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