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勧善懲悪がいけない理由

 いやぁ、我ながら挑戦的なタイトルやと思うわ。おそらくやけど、君はこのタイトルに惹かれたんじゃない?

 さて、今から喋り倒してしんぜようとも。

人間の理想は…



 「善を勧め、悪を懲らしめる」

 この言葉に人は惹きつけられる。気持ちは分かるよ?

 人の努力を踏みにじってブクブク太る悪ってのは、大体忌み嫌われる。
 だから人間は正義なんてものを掲げたりしたんやろう。

 漫画、映画、小説などなど。
 想像を何がしらのカタチで作り出すフィクションには、必ずといっていいくらいに勧善懲悪が入り込む。
(もちろん、一概には言えんけども)

 悪人がいて、善人がいて、悪人は自業自得の結末を辿り、善人は報われる。

 なんだかんだ、人間はこんな展開が大好物で、心から願う世界の姿でもあるんやろうよ。
 でも、あえて自分は主張しよう。

 勧善懲悪は現実にしてはいけない劇薬だと。

ロシア革命、フランス革命、2030年

 なぜ勧善懲悪はダメなのか?

 じゃあ、逆に君に聞くがね。
 
 君は何を持ってして善とし、何を持ってして悪として定義するつもりなん?

 まあいいよ。
 仮に、君は善悪の境界線を定めたとしよう。

 君は罪人とそうじゃない連中を見分ける術を生み出した。だから、全人類にそれを適応させてみろ。

 あら不思議、そうやって生まれるのは独裁に他ならん。
 その先は地獄そのものやなぁ。

 ・・・・・。
 ・・・・・・・・なんで地獄になるって断言できるかって?

 昔の歴史を見ればすぐ分かるよ。

 フランス革命を見てみ?

「今の世の中はよくない! だから過去の産物は捨てねぇと!」

 農作物が取れず、生活に困った庶民(ほとんどが農民)はこの言葉に踊らされた。
 そうやってフランスを血で洗い果てた成れの果てを知ってるか?

 踊らされた結果、税は以前よりさらに高くなり、国家の借金はさらに積み重なった。貴族や王を処刑した結果、政務をこなせる人材が大幅に減る。さらにさらに、各国を敵に回したんやと。

 何をどうみても、状況が悪化してるやん。
 自由と平等と博愛を求めた結果がコレだとすりゃ、嘲笑が止まらんのは私だけかね?

 ああ、ロシア革命もあったな。

 レーニンがドイツから運ばれて、マルクスの傍迷惑な思想を現実にしやがった革命やな。
 
 ものっすごくざっくりと説明すると、レーニンは平等を叫んだ。
 金持ちがおるから平等は実現できない。だから金持ちは殺すべし。
 
 金持ちを殺し、王族を殺して。

 やがて、理想は現実にできないことが分かった。
 経済の平等を叫んで、「資本主義の結果こそが共産主義だ!」なんて言ってたくせに滅びるなんぞ、これもまた嗤いが止まらんよ。

 最後に、お偉いさんたちが本気で目指そうとしてる2030年。

勧善懲悪は人の身にあまる

 人間は間違える。
 善と悪を決めたところで、そこには必ずなにかしらの誤りがあるんやろう。
 さらに、キッカリ決めてしまったものに柔軟な解釈なんぞ望めない。

 そしてさらにタチの悪いことに、勧善懲悪は悪人を裁くことを求める

 何もかもを間違える人間に、真に悪を捌くことなんぞ不可能やろ。

 さらに加えるなら、悪人を裁くためには暴力が必要なわけで。その暴力は当然、正義の名の下に容認されるんやろう。

 世間一般の悪ってのは、人を殺すことや傷つけることも含まれる。
 ははは、皮肉だと思わないかね。

 殺人犯、傷害を加えた人間に、悪を懲らしめるという名義で自らも同じ罪を背負うとは。
 正義の名の下に行われた悪もまた悪であるならら、同じ悪人がどうして罪を正確に測れるんだろうな?

 正義のためにゃ、ささいな悪は正当化される。

 なんとも業の深くて、自己矛盾を孕んでるもんもあったもんよ。

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