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『特捜部Q キジ殺し』…北欧ミステリーはなんだかリアル

派手じゃないけど、そこがいい

ハリウッド映画や海外ドラマばかり観ていると、ミステリーとは言え北欧映画は暗く感じてしまう。雰囲気だけではなく、映像そのものもそうだ。そして、登場人物も暗い。なんなら主役が1番暗い。

デンマークを舞台にしたデンマーク映画🎬
『特捜部Q』シリーズ
私は最初に『キジ殺し』を観たが、これは第2作目だったことがのちに判明。しかし、それは大した事ではない。

この映画を観るにあたって気をつけることは、リアル感たっぷりの性描写と暴力である。
モザイクはかかるし、バスケットボールで一方的に顔面パスされるし、被害者は理不尽な暴力(身体的のみにあらず)にさらされまくる。

ちなみに本作は、肌の露出、飲酒、薬物の使用、暴力等々、アマプラのコンテンツアドバイザリがてんこ盛りだ。

しかしそれだけでは無い。私には、主役のカールが映画の中の人物じゃない、リアル人間に見えて仕方がない。映画の中では物語とは関係ない箇所で、カールのそういったところがみられる。注目していただきたい。

映画冒頭、職場での酒盛り中に、1人ソファで場を眺める刑事のカール。そこに1人の女性がやって来て、キョロキョロ辺りを見回している。これはチャンスかと声をかけるべくカールが腰を上げた瞬間、夫らしき署員がやって来て抱き合う2人。誰も見ていないはずだが、バツが悪そうに腰を下ろすカール。

この気まずさ。わかるわ…

となること請け合いである。

♧♧♧

人情派じゃないけど、人間だもの

刑事のカールは強引な捜査がきっかけで、未解決事件を捜査する「特捜部Q」に異動させられていた。
相棒のアサドに加えて、今作から秘書のローサがメンバーとなる。

未解決事件を取扱うはずの特捜部Qだが、今回の事件は解決済みの案件だ。何故か?カールに再捜査を頼んだ市民が自殺したからだ。
アサドに問われた際、カールは「再捜査を頼まれたが、俺が無視した」とはっきり言う。

潔い。
自分が頼みを聴かなかったから人が死んだ。だから、俺が捜査する。「解決済みなのに」とアサドに反対されそうになったら、「お前がそれで納得するなら」と人の良心につけこむちゃっかりさんだったりもするのだ。

20年前の双子惨殺事件の再捜査を進めるにつれ、犯人同士の関係など暗い話が展開されるのだが、詳細は下記を参照されたし!


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