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友達

友達は少ない。
達って威張れる程、そんな複数人もいない。

昔からそうだけど、仲良くなった特定の人とばかり遊んだり飲んだりラジバンダリ。

幼馴染の友達はコロナ前に10年ぶりに会ったくらいで高校生以降に疎遠になった。

専門学校の時に仲良くなった友達は、卒業して数年後、地元の京都に帰ることになってから物理的な距離や家庭を持ったりと、それから数回しか会えてない。


そして、ここ12年前くらいから一番仲良くしてる友達Tが故郷の福岡に帰ることになった。

互いに音楽活動している20代で出会い、切磋琢磨というのは響き良すぎかな、傷の舐め合いばかりだったけど、ライブで凹んだ時も盛り上がった時も乾杯のお疲れビールはいつもTが一緒だった。
美味しかったね、ありがとう。


俺もTも音楽活動の終止符を打ち、ここ数年、東京で散々嫌なものを見たり聞いたり触れたりして、コロナや失恋も相まって、厭世的になるTを見るのは辛かったし、故郷で落ち着いた生活になるのを見守りたいし、寂しくないって言ったら嘘やけど、幸せになってほしいと心から願っている。

帰る帰ると言ってたから、全然余裕マインドの予防線を張ってたつもりだったけど、いざ帰るとなるとやっぱ寂しいよ。


しばらく一人飲みかぁとか、また飲み友達作らないとなぁとか、もう出会ってるけど、貴重な存在に気付いてないまま通り過ぎてる可能性もあるよなと思慮をめぐらす。


そんなTの引越しが迫り、感傷的に浸りながら散歩してると、見慣れた風景に新しくコンビニがオープンしてた。
コンビニの前はなんだっけ?と思い出せないように、巡る出会いの中で会わなくなった人を忘れていくものなのかなと手の届かない夕日を憂いながら眺めていた。

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