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松本光平の試合を観にニュージーランドへ

柿谷曜一朗の試合を観るために2014年にスイスまで行った事は以前ここで伝えた通りだ

その翌年も私は11月から12月にかけてまとまった休みを取る事ができた

海外まで試合観戦をしに行く楽しみを知ってしまった私はこの休みを利用して地球1周の旅に出ることを決意したのだ

旅のプランは日本からニュージーランドへ
そしてニュージーランドからスイスに行くというプランだ

なぜニュージーランドかというと目的はただ一つ

松本光平の試合を観に行くためだ

2014年に私が柿谷曜一朗の試合を観にスイスへ行ってからすぐに
ニュージーランドのオークランドシティがクラブワールドカップで世界3位に輝き、その翌年に日本代表との親善試合が行われた

その様子は日本でも取り上げられていた

ただ少し変わった取り上げられ方をしていた

「日本代表の試合で日本人選手がピッチに13人!?」
といった見出しだったと記憶している

詳しく見てみるとオークランドシティFCには日本人選手が2人在籍していたことで日本代表チームの試合にもかかわらず
ピッチ上に日本人選手が13人もいたということだ

そして私が何より驚いたのがその日本人選手の一人があの松本光平だったということだ

私が学生時代にプレーを見て最も衝撃を受けた選手の一人であった人物だが
高校卒業後の消息は全く把握しておらず
すっかり松本光平という名前を聞くこともなくなっていた

その一方で柿谷曜一朗はセレッソ大阪の中心選手として注目が集まっていた

私もセレッソ大阪の試合に何度足を運んだことだろう

スター選手となり日本代表にも選ばれヨーロッパの有名クラブに移籍するほどの大活躍を柿谷曜一朗はしていたのだ

しかし相反する松本光平に関してはサッカーを続けていることすら知らず
私の記憶からも完全に消えかかっていた

その松本光平が世界3位のクラブに加入して日本代表と対戦している

私はその事を知った時に大きな興奮と喜びを覚えた

ちょうど柿谷曜一朗の試合を観にスイスへ行った直後だったこともあり
私の海外試合観戦への熱は最高潮に達していた

次の休みで絶対にこの2人の試合を観に行く

そう心に決めて約1年間仕事に打ち込んだ

そしていよいよ出発の時
2015年世界一周の旅がいよいよ始まる
日程はかなりタイトなスケジュールだった

11月22日にニュージーランドで松本光平の試合観戦
そして11月26日にスイスで柿谷曜一朗の試合観戦

日本からニュージーランドへの飛行時間は約10時間ほどだったと思う

松本はオークランドシティFCからホークスベイユナイテッドという田舎のチームに移籍していたこともあり

空港に着いてから別の飛行機に乗り換えて試合会場であるネイピアという小さな田舎町にたどり着いた

のどかな自然を進み興奮しながらいざスタジアムへ

だが到着してみるとかなり小さなスタジアムだったことに驚いた

ニュージーランドではラグビーしか人気がないのか
この町ではサッカー人気がないのかはわからないが観客の入りもイマイチ
ヨーロッパの大リーグと比べるとかなりの落差があった

正直言うと、かなりショボい試合をわざわざ観にきてしまったのではないかと心配になるほどだった

しかし試合が始まると私の不安は一気に消し飛んだ

まず衝撃を受けたのが選手一人一人がとてつもなくデカくてゴツい

サッカー選手とは思えないような体格の良い選手ばかりだ

そんな中、一人だけ一際小さな選手がいる

その選手こそが松本光平だった

こんな大きな選手の中で本当に戦えるか?と不安に思いながらも試合は進む

スタジアムが小さい分
選手との距離も近く、選手同士の激しいぶつかり合いを間近で見る事ができる

かなり激しい
物凄い迫力だった

お世話抜きでフィジカルの激しさだけでいえば世界でもトップレベルではないだろうかと思わせるほどだ

その中でも松本光平はあの頃と全く変わらない存在感を魅せていた

右サイドを何度も駆け上がり、精度の高いクロスをあげチャンスを演出する

スピードで相手を置き去りにし
自分よりも大きな相手でも一切フィジカル負けしない力強さも健在だった

その姿は当時よりもさらに磨きがかかっていた

休むことなく攻め続ける
右サイドで圧倒的な潜在感を放っていた

そして、これだけ大きな選手が揃っている中で松本光平はヘディングで得点を決めた

目の前でゴールを見ることまで出来てとても興奮したのを覚えている

試合はホークスベイユナイテッドの完勝で終わり

この試合のマンオブザマッチにも松本光平が選ばれていた

わざわざニュージーランドまで来た甲斐があった
私も大満足で帰路についた

学生時代に私が憧れた選手はやっぱり本物だった

自分はやっぱり見る目がある
松本光平が改めてそう思わせてくれたのだ

これからも応援し続けよう
そう心に決めて休む間もなく私はスイスへと向かうのであった