理想の文化人類学の概説書とは何だろうか?(後半)——「ディスカッション授業実践ガイドブック」の配布について
私にとっての理想の概説書(入門書・教科書)であることの条件の2点目は、「使える」かどうかである。多くの文化人類学の教科書は、それ自体、読み物としての魅力がある。しかし、それらを授業で使用するとき、どこか物足りなさを感じてしまう。そもそも「読んで、理解して、終わり」ということであれば授業はいらない。しかし、じっさい教科書は授業で使用することが前提となるため、授業のなかでどう使うのかを念頭において教科書を作成しなければならない。
このとき重要になるのが、よく各章の最後に「おまけ