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中山間地域の田んぼ

今日は1日晴れていて、日中は日差しが強く暑い日でした。
肩の負傷が完全に癒えるまで山での仕事は厳しいので、今日は祖父から使っていた精米所の片付けをしていました。

2年前に伯父が亡くなり、それからは精米所は使われなくなり、物置代わりになっています。
古い精米機や製粉機があるのですが、ネズミの糞や糠などの埃が積もっていて、すぐに使える状態ではありません。
一度精米機を掃除して使っていたのですが、1ヶ月も使わずにいると虫の巣になってしまい、次に使った時はお米が出る前にミールワームがゾロゾロ出てきました。
他にも使えそうな機械があるのですが、とにかく埃まみれで掃除しなければどれも使えません。
中には壊れて部品取りになっている機械もあるのですが、この先使えそうなものでもないので、今回は思い切って使えなくなった機械を処分することにしました。
掃除をしながら作業を進め、やっとの思いで大きな機械を外に出すと、ずいぶんスペースが広がりました。
いずれまた籾摺り機を入れるでしょうが、しばらく使える広いスペースが確保できました。

機械類は今の稲作には欠かせないものになっていて、機械がなければたくさんの人で作業しなければいけません。
今この集落では、数反程度の規模で稲作をしている農家が多く、稲作は基本一人で作業するものになっています。
1町程度の大きさになると、作業効率を上げるために二人で作業される農家もあります。
このように書くと、たかが1町(1ha)程度と思われる方もいらっしゃると思いますが、こちらは山間部の田んぼなので、1枚が3a〜7a(3畝〜7畝)の広さの田んぼが多く、10a(1反)もあれば広い田んぼで、しかも形は四角形ではなく隣の田んぼとの高低差もあり作業効率がとても悪いです。
平野部のような長方形で1枚の広さが数反もある田んぼの作業と比較すると、同じ広さの作業では何倍もの時間が必要になります。

こんな効率の悪い田んぼで細々とお米を作っているのは、効率の良さを求める現代社会において必要のないものに感じるでしょう。
まして山間部の農村には補助金も出ています。
こんな経済性の低い産業は、現在の社会には悪だと考える人がいてもおかしくありません。
一方では多様性を求める声もあり、こういった場所を残すべきだという意見もあるでしょう。
しかし、私はそんな意見に惑わされず、ただ田んぼの生き物が好きだから、そして自分で作ったものを食べたいから、という理由だけで田んぼを続けています。

今日はこいつがやたら跳ねていました。
捕まえて佃煮にしたいほどでした。

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