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翻訳実務検定TQE

翻訳実務検定TQEという資格がある。この検定は、サン・フレア アカデミーという翻訳学校によって運営されている。私は7回目の挑戦でこの検定に合格した。合格後に3回受験したが、3回すべて不合格だった。したがって、私のTQE合格率は10%ということになる。

TQE合格者説明会に参加して、この試験を運営している会社のスタッフといろいろと話をしたが、この試験は超難関資格であるようだ。翻訳実務経験が豊富なプロが何度受験しても永遠に合格できないということもあるらしい。

3級以上が合格であるが、2級以上の合格者はいないのではないかと思う。TQE合格者説明会に出席した時、合格者一人一人に合格証書が授与されたのだが、合格者全員が3級合格だった。

サン・フレア アカデミーの超ベテラン講師によれば、英日翻訳のTQEより日英翻訳のTQEの方が難易度が高いらしい。私は法務・契約書分野の日英翻訳のTQEに合格したのだが、このようなケースはかなり稀であるようだ。

私には英検1級合格、TOEIC900点台取得、TOEICリスニング満点取得、翻訳実務検定TQE合格の実績があるのだが、難易度に関しては、TOEIC900点台<TOEICリスニング満点<英検1級<<翻訳実務検定TQEであると考えている。これらの資格はそれぞれ独自の難しさを備えているので、一概に翻訳実務検定TQEの難易度が最も高いとは言えないかもしれないが、TQE合格は至難の業であるのは間違いない。

TQEに合格できる人はほぼゼロであると考えてよいだろう。何十回受験したとしてもすべて不合格になるということも十分あり得る。よって、この検定は合格を期待しないで受験するのがよいのではないだろうか。TQE受験に際して以下の体験談は役に立つと思われる。

TQE合格後は、サン・フレア アカデミーの母体である翻訳会社サン・フレアに翻訳者登録をすることができ、この会社からフリーランスとして仕事を得ることができる。しかし、この会社でフリーランスとして仕事をすれば悲惨な目に遭うことになるので注意が必要だ。

理系分野の翻訳を専門としているあるフリーランス翻訳者は、サン・フレアからフリーランス翻訳者として仕事を受けた時、時給に換算するとどう頑張っても時給350円だったと言っていた。この方は東大卒、イギリスの大学院卒でTQEにも合格している。

私はサン・フレアからフリーランス翻訳者として多くの仕事を受けたことがある。その際には時給350円が限界だということはなかったが、時給に換算すると時給数百円で仕事をしている状況が当たり前だった。

サン・フレア アカデミーの法務・契約書関連の講座すべて及び英訳の中級講座・上級講座を修了し、翻訳実務検定TQEに何度も挑戦し合格したにもかかわらず、上記のような状況となったので、甚大な精神的ショックを受けたことは今でも忘れられない。

TQE合格は至難の業なので、この検定に合格している人は最高クラスの翻訳技術を持っていると考えてよい。したがって、TQE合格者が仕事が遅く実力がないということはあり得ない。TQE合格者が時給350円や時給数百円で仕事をすることになったのであれば、このような仕事をTQE合格者に発注した翻訳会社が法の穴をかいくぐって悪事を働いていると考えてよい。

先日投稿した記事にも書いたが、翻訳会社は、時給をベースに報酬を算出することなく、1ワード〇円とか1文字〇円で報酬を算出することによって、脱法行為(違法行為)を行って、利益を出していると考えられる。これは大きな問題ではないだろうか。

フリーランス翻訳者として稼げている人は翻訳会社や一般企業に強いコネクションを持っている人ではないだろうか。したがって、上記のコネクションがある等の事情がない限りは、自らを守るためにフリーランス翻訳者として働くべきではないと私は強く感じている。

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