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決算短信のチェックリスト

こんにちは、jojo太郎です。
とある中小企業で経理・財務の仕事をしています。
仕事中、たまに他社の決算短信を読んで、
当社の経営陣に所感を述べなくてはいけない時があります。

※決算短信とは
決算内容の要点をまとめた決算の予測情報。 たとえば3月決算会社の場合、株主総会で決算が確定される6月以前(4月末から5月中旬が多い)に発表される。証券取引所が統一の様式を定めてすべての上場会社に作成を義務づけている。
引用元:https://shorturl.at/dnCFX

そんなとき用に、「どこを見て、何をチェックするのか」をまとめたチェックリストを作りました。決算短信は全社統一のフォーマットが決まっているので、おおよそこれに沿って読めば、誰でも大枠をつかんで語ることができると思います。
よければ投資や仕事にご活用下さい。

※チェック項目の多くは、この本を参考にしました。
「一番売れてる株の雑誌ZAiが作った「株」入門 上級編」


(1)サマリー(決算短信の1ページ目)

① 売上高、経常利益が前年同期比で伸びているか。

② 自己資本比率は50%超えているか。
⇒30%以下など極端に低いなら、B/Sで流動負債 vs(流動資産+営業CF)を比べて資金繰りがOKかチェック⇒(2)③

③ 営業CFは減少、またはマイナスでないか。減っていたら警戒。
⇒営業利益が黒字なのに営業CFが赤字なら、B/Sで売掛金、棚卸し資産が急増していないかチェック⇒(2)①

④ 財務CFが大きな黒字が続いていないか。もしそうなら要注意。借金急増の恐れ。B/Sで負債をチェック

⑤ 投資CFの大きな赤字が続いていないか。特に、投資CFのマイナス幅が、営業CFを大きく超えていないか。
⇒そうならば、B/Sを見て、ソフトウェア、ソフトウェア仮勘定の項目が急増していないかチェック⇒(2)④

⑥業績予想

(2)B/S(貸借対照表)のページ

① 資産の部において、「受取手形及び売掛金」、「棚卸し資産」が売上増以上に急増していないか。
⇒もしそうならば、危険信号。収益力低下したのを補うために期末で無理な販売をしたのかも知れない。

② のれん代がないか
もしあるならば、真の純資産を見る。
純資産ーのれん代=真の純資産 
真の純資産がマイナスなら、実質の債務超過。
(※参考)ちなみに、資産ーのれん代=真の資産 である。

③ 流動負債を、流動資産と営業CFでまかなえるか。
⇒そうでないなら、資金繰りは危険。
※流動資産の中で、現金、受取手形、売掛金ー貸倒引当金、製品、半製品、原材料、仕掛品などがいざという時に現金化できる資産。

④ ソフトウェアなど実態の不明な項目が急増していたら要注意。
 利益や財務体質を良く見せる為に、P/L上の人件費や諸経費を費用ではなく資産(ソフトウェア)にしている可能性がある。

⑤ 投資有価証券が急増していないか
急増していたら、決算短信のコメントで、何を買ったのか書いてあるのでチェックする。

⑥ 現金は増えているか。流動資産は増えているか。

⑦ 純資産は増えているか。

⑧ 買掛金+未払費用=運転資金 はいくらか
手元にいくらの現金があり、いくらの運転資金を毎月支払っているのか。

⑨ 短期借入金はいくらか
手元の現金+営業利益で、返せるのか。

(3)P/L(損益計算書)のページ

① 特別損益が大きすぎて、経常利益と当期純利益の間に大きなギャップがないか。
⇒そうならば、経常利益÷税引前利益を計算し、その倍率を1枚目の1株益にかけると、本来の1株益になる。
経常利益÷税引前利益=α倍
1株益×α倍=真の1株益
株価÷真の1株益=真のPER

② 営業利益はのびているか、経常利益はのびているか

③ 営業外損益はどのようなものがあるか(助成金など)

④ 特別損益はどのようなものがあるか(退去時の保証金返還など)


(4)CF計算書のページ

① ソフトウェアなど実態の不明な項目が急増していたら要注意。

② のれん償却費がいくらかを見る。(CF計算書に出てくるのれん償却費は、今期で償却した分のこと)
経常利益+今年分の のれん償却費=真の経常利益
真の経常利益÷税引き前利益=α倍
1株益×α倍=真の1株益
株価÷真の1株益=真のPER

(※参考)一般的な良い会社の傾向
営業CFは、プラス( 稼いでいる)
投資CFは、マイナス (設備投資している)
財務CFは、マイナスorプラス
(利益出ているから借入金を返済してるor投資のために借入増やしてる)


(5)セグメント情報のページ

① セグメント別売上、利益はどう変化したか


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