亡くなった人が、あなたに知ってほしい40の真実 #3
10万部突破のベストセラー『亡くなった人と話しませんか』の著者、第二弾!幼い頃から、普通の人にはみえないものがみえるなど、不思議な力をもっていた著者のサトミさんは、スピリチュアルテラーとして、亡くなった人の言葉を相談者に届ける活動をしています。最も「してはいけないこと」は、亡くなった人への後悔です。
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あの世では、一人でいても寂しくない
こういう話をすると、「私には子どもがいないので、年を取ってあの世に行ってから、誰にも手も合わせてもらえずに、寂しい思いをするのでは?」とたずねる人がいます。
しかし、あの世に孤独な人は一人もいません。私には、亡くなられた人同士が、お互いに「どうしてる?」と声をかけ合う姿も届いてきます。
また先ほどもお伝えしたように、あの世は、次に生まれ変わるまでを過ごす場所です。大半は一人で淡々と川のほとりを歩き続けていますが、この世で感じていた、寝たきりなどの身体的な不自由さからも解放されているので、寂しいと感じることはないようです。
それよりもむしろ、お子さんがいても、自分の仏壇やお墓に見向きもされない人のほうが、あの世でくやしい思いをしているように感じます。それが高じて、子どもたちに嫌がらせをする人もなかにはいるので、「子どもがいるほうがいい」とは一概に言えないのです。
お子さんがいても、いなくても、共通して大切なのは、この世を旅立つときに「自分はこの世で悔いのない生き方をした」と思えることです。
その自信が、死んであの世に持っていく“冥めい途どの土産みやげ”になり、その後、歩いていく足元を照らす燈とう明みょうになります。
自分が死んだあと、誰かのお参りや声かけ、お供えに励まされながら、あの世で歩いていくことも、素敵なことです。とはいえ一番大切なのは、自分自身が思いっきり自分の人生を生き切ることなのです。
真実3 亡くなった人の言葉は、時間に関係なく届く
15年前の母親の本心を知った娘
私が亡くなった人を呼ぶと、ほとんどの人があらわれてくれます。1年前に亡くなった人も、30年前に亡くなった人であっても、喜んで登場してくれます。
それは、生きている人だけでなく、亡くなった人も、残してきた家族や大切な人と話したいと望んでいるからです。
私を介してメッセージを伝えたいと、お呼びする前からそばにいて、しゃべりたそうに、うずうずしている人もいます。
Hさんのお母さんも、その一人でした。
死後15年経っても、母親を亡くした寂しさを抱えていたと言うHさん。お会いすると、すぐにお母さんがきてくれたのがわかりました。そして、亡くなる前の様子を鮮明に話してくれました。
「亡くなる4カ月前、みんなの態度が急に変わったので、自分の死期を悟った」とお母さん。Hさんによれば、がんで開腹手術をしたものの、すでに全身にがんがまわっていて、体力維持のために何もせずにお腹を閉じたということでした。
そして、お父さんやきょうだいとも相談し、そのことをお母さんには伏ふせていたそうです。
「でも、母はそのことを知っていたんですね」とHさん。
お母さんにしてみれば、Hさんが何度も自分の前で涙をこらえようとしていたこと、家にあまり寄りつかなかった息子が訪ねてくるようになったことで、言われなくても死期がわかったそうです。
「でも、みんな演技がうまかったよ」と笑っています。
「お母さんは、死を覚悟していたから、家族の前でみっともないまねはしなかった。あなたが最後まで手を握ってくれていたから、死ぬときも怖くなかった、と言ってはりますよ」
そう伝えた瞬間、Hさんの目から大粒の涙があふれました。
また、お母さんは、「自分が死んでしまうという悲しさより、娘があまりに泣いていたので、かわいそうで仕方なかった。自分自身は親孝行できなかったけど、子どもたちが私を大切にしてくれて、本当にうれしかった」と言います。
「お母さん、とっても喜んではりますよ」と伝えると、Hさんも涙を拭いて、「15年前にはわからなかった母の本心を知ることができて、なんだかすっきりしました」と、心からの笑顔をみせてくれました。
しかし、私を介さなくても、たとえ亡くなった人がみえていなくても、みなさんが亡くなった人を思う気持ちは必ず届いています。
伝えたいことがあれば、お墓に行かなくても、仏壇の前でなくても、場所はどこでもいいので、亡くなった人に話しかけることを、私はいつもおすすめしています。
ケーキを持って登場したスーツ姿の父
Yさんは1年ほど前に最愛のお父さんを亡くされました。このお父さんも、亡くなるまでずっと付き添ってくれたYさんに感謝の思いを伝えようと、私のそばにきてくれました。
口を開いて最初に出てきたのは、娘への「ありがとう」でした。
「最後に入院したとき、いなり寿司におにぎり、いろいろ持ってきてくれてありがとうって言ってはります。毎日、食べきれないぐらい持ってきてくれて、ちゃんとお礼を言ってなかったなって。お父さんのしゃべるテンポ、ゆっくりされてますね?」と言うと、Yさんはクスッと笑って「そうですね、話すスピードはかなり遅いです」と、お父さんの存在を確認してくれたようです。
でも、お父さんが言いたいのは、それだけではないようです。
「これまで親孝行してくれて、ありがとう。自分は親に何もしてあげられなかったのに、娘が精一杯のことをしてくれたことに対して、今さらだけど今日はお礼を言いにきた。それから、こっちにきて、ずいぶん元気になったことを伝えてほしい」と言います。
そのことを話すと、「亡くなる前、骨折で入院してから脚の筋肉が弱って、リハビリをしていたんですが、杖つえがないと歩けなかったんです」とYさん。すると、お父さんが「もうピンピンしているよ」と、ひょうきんに脚を上げてみせてくれました。
生きているときは杖をつき、車いすに乗っていた人も、成仏してあの世へ行くと、たいていは普通にスタスタ歩いています。
また、脳のう梗こう塞そくで手や足がマヒした状態で亡くなったり、認知症で亡くなったりすると、ご家族は亡くなる直前の姿を想像してしまいますが、そんなことはありません。もと通りの元気な姿であらわれてくれます。
よく「あの世へ行って歩きにくくないように」と、生前使っていた杖などを棺ひつぎに入れて見送る人がいますが、あの世で杖や車いすを使っている人はいません。
Yさんのお父さんもお元気な様子で、スーツを着てピシッとおしゃれに決めていました。そして、手にはケーキの箱を持っていて、「子どもの頃のように、娘の誕生日祝いをしてやりたくって」と言います。
生前は無口な方だったそうですが、Yさんへの感謝をどうにかして伝えたくて、スーツ姿でケーキを持って会いにきてくれたようです。
Yさんもお父さんの気持ちを受け取ったのか、「父らしいですね」と言いながら、うれしそうにしていました。
真実4 亡くなった人は、あの世で家族を見守っている
亡くなった人が口にした反省の言葉
長年、定期的にセッションにこられていた姉妹がいます。そのお姉さんが病気で亡くなって少し経った頃、妹さんが久しぶりに相談にこられました。
亡くなったお姉さんの息子さんが、30歳を過ぎても定職に就かず、アルバイトも「ここが気に入らない、あそこが嫌だ」と言って、すぐやめてしまうのだそうです。叔母である妹さんが電話口で「もういい加減、大人になりなさい」と言おうものなら、ふてくされて電話を途中で切ってしまうのだとか。
すると、亡くなったお姉さんから照れくさそうなメッセージが届きました。
「私があの子を小さいときから甘やかしたから、わがままに育っちゃって。迷惑かけてごめんね」としきりに謝っています。
実はこのお姉さん、生きているときは、妹にいくら「お姉ちゃんが甘やかしすぎたせいだよ!」と言われても、自分の子育てが間違いだったと認めたくないあまり、最後まで妹の忠告を受け入れなかったそうです。
ところが、自分があの世へ行ってから、息子の頼りない様子と妹が心配していることが身にしみて、これは妹に謝らないといけないと思ったようです。
妹さんはそれを聞いて、「なんだ、本当はわかってたんだ」とほっとしていました。
実際、あの世からはものごとを冷静になってみられるようで、このお姉さんのように「今さらかもしれないけど、あのことを謝りたい」とおっしゃる方もなかにはおられます。
それにしても、お姉さんはなぜか幸せそうにみえ、私は妹さんに次のように伝えました。
「成仏もされてますし、すごくお元気ですよ。それに、亡くなる前、入院されていたと聞いてましたけど、ご家族としょっちゅう会ってはったようにみえます」
妹さんによれば、コロナ禍になって面会できない病院が多いなか、その病院では毎日15分間だけ会える時間を設けてくれていたそうです。
また、お姉さんの息子さんは親に反発し、援助だけもらって口をきかない時期があったということですが、死の間際になって、毎日のように病院を訪れ、「いつも心配をかけてごめん。俺もお母ちゃんに安心してもらえるようにがんばるから。だから、お母ちゃんもがんばれよ」と話しかけていたそうです。
「息子の言葉を信じています」とメッセージを残して、あの世に戻られたお姉さん。
息子さんは、まだしばらくは時間がかかるかもしれませんが、何でもしてくれた母親が亡くなった今、ここからは自分の力で少しずつ成長していこうとする姿がみえました。
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