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ごりやく歳時記 福運を招く12か月の作法 #5

生まれ持った霊能力に加えて修行により霊格を上げ、神様とおはなしができるようになった桜井識子さん。神社仏閣で神様や仏様と話したことをブログや本で紹介し、その衝撃の内容と親しみやすい語り口が多くの支持を得ています。本書は桜井識子さん流の『ごりやく歳時記 福運を招く12か月の作法』。歳時記とは1年の季節ごとの行事について解説した書物のことです。

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縁起物は年が明けてから飾るとよい

私は毎年、初詣に行った時に神社で熊手を買っています。

読者の皆様の中には「縁起物で来年をラッキーな年にしよう!」と、年末に購入して、そのまますぐに飾っている人がいるかもしれませんが、どちらかというと、年が明けてから飾ったほうがいいです。

年が明けたその瞬間から、日本中に新年のお祝いムードが漂います。年が明けてすぐに飾れば、その「気」を浴びつつ飾られたので、「元日に飾られた縁起物」となります。

年末から飾っても、縁起物度が下がるわけではありません。大きな差はないのです。購入するのは年末でも「元日に飾られた縁起物」のほうが、わずかですが、縁起物度が上がります。

熊手は一家にひとつ? ひとりにひとつ? と悩む人が多いようですが、どちらでもかまいません。家族がそれぞれ自分専用の熊手を持って、せっせとカキカキ(かき寄せるようなしぐさを連続してする意味です。「11月」にわかりやすく書いています)するのもいいですし、家族が交替でひとつの熊手でカキカキするのもいいです。

前述したように、初詣は母と元夫と3人で行き、母も私も毎年神社で熊手を買っています。それを元夫が持って、神社から駐車場まで戻ります。

その時に元夫は、右手と左手に1本ずつ、熊手を立てて持ち、歩きながら軽快にカキカキしています。たぶん、無意識にやっているのでしょうが、自分の体も左右に揺らしてリズムよく、元日の新年ムードが漂う空間を、力強くカキカキしているのです。

「なんだか楽しそうだなぁ」と思いつつも、余計なことは言わずに黙って見ていたら、毎年必ずそうやって駐車場まで歩いていました。そのおかげで、熊手は「元日にカキカキされた」縁起物となっています。わずかですが、縁起物度が上がっています。

「今年は俺も買う」と、元夫が自分の分も買った年がありました。この時は、私は自分の熊手を自分で持ち、「元日カキカキ」をしつつ、駐車場まで歩きました。もちろん自分でやっても縁起物度は上がります。

コロナ禍で初詣が遅くなった年に買った熊手は「元日カキカキ」をしていません。この熊手はいつものものに比べると、ちょっとだけですが、弱かった印象があります。

もちろん、「元日カキカキ」をしなくても、熊手は立派な縁起物ですから、「運」や「福」をちゃんとかき集めてくれます。ただ、両者を比べた場合、どちらの縁起物度が高いのかと言うと、元日にカキカキしたほう、となるわけです。

ですから、「わずかでもいい、縁起物度を上げたい」という人は、明るく希望に満ちた新年の雰囲気の中で縁起物を買ったり、飾ったり、カキカキしたりするといいです(熊手の場合、新しく買ったものでなくても「元日カキカキ」は効果があります)。

土鈴や置物は単純にサッと飾るのではなく、あれこれと配置を変えたり、角度を変えてみたりします。「おぉ~! これだ!」という配置と角度が必ずあるので、適当に置かないようにします。

ちなみに、干支の縁起物は1年後に(干支が変わったら)、期限が切れたように思うかもしれませんが、基本、縁起物に期限はありません。パワーが続く限り縁起物なのです。「あら? パワーがなくなってきたかな?」と感じるまでは、5年でも10年でも飾り続けて大丈夫です。

神仏の波動入りが望ましい、と思う人は1年で交換します。

“時”の実体をつかむ練習になる

海外では、新年の抱負(New Year’s resolution)を家族や知人、同僚などに、年が明けて初めて会った時に語る、またその逆で「今年の抱負は何?」と年明けに初めて会った時に聞くのは、ごく普通のことです。

アメリカで新年を迎えた時(住んだのは半年ほどです)や、講師が外国の人ばかりだった英会話学校に通っていた時は、多くの人に新年の抱負を聞かれましたし、聞かされました。

新しい年に何をする予定なのか、何を目標にしているのか、どのような1年にしたいのかを、年初に考える習慣があるのです。これはおすすめです。

これから始まる1年をどうすごすのか、何をすべきか、を考えることで、長い人生の中の「1年」という時間を意識の中で浮き上がらせることができます。こうすることで、見えない、実体のない“時”というものを実感としてつかむことができるのです。

これは「わかる能力」をレベルアップさせます。「わかる能力」とは神仏が見える、神仏とコンタクトができるという「神仏霊能力」の基礎となるものです。この能力がレベルアップすれば、神仏霊能力(誰もが持っていますが、眠らせている人が多いです)を目覚めさせ、発達させていけるのです。

“時”を感覚でつかむことは、「わかる能力」のかなり上級の訓練であり、単独でこの訓練をするのは難しいです。1年という期間を意識する「新年の抱負」は、練習ができるせっかくのチャンスですから、利用します。

さらに、抱負を考えることで、自分の望んでいる目標をしっかりと把握できます。その年をどのようにすごすべきか、何をすべきか、なども見えてきます。具体的な計画がどんどん進むかもしれません。

目標は達成できなくても、それはそれでいいのです。結果が重要なのではありません。新年の抱負を持つことで、ぼ~っと流されるままに、日々をなんとな~くすごすよりも、有意義な1年にできる可能性が高くなる、ということです。

人生は時間の積み重ねです。深いことを考えずに、やりたいことも先延ばしにして、流されるままにダラダラとすごしていたら、それがそのまま人生となります。常に力んで生きる必要はありませんが、たまには人生について考えてみる、どうすごすのが自分にとっていいのかを考えてみる、などスパイスを効かせることも大事です。

日々の生活に埋もれていると、忙しくてなかなかじっくりと人生について考えられない、という人もいると思います。年初はいい機会ですから、このチャンスを生かしてみてはいかがでしょうか。

七つの野菜のカレーでも邪気祓いできる

1月7日は「七草がゆ」を食べる日です。五節句のひとつであり、重要な日でもあります。

五節句とは、人日じんじつ(1月7日)、上巳じょうし(3月3日)、端午たんご(5月5日)、七夕しちせき(7月7日)、重陽ちょうよう(9月9日)のことを言います。

季節ごとの食物を神様とご先祖様にお供えし、節日をお祝いするこの行事は中国から伝わったものです。

まず宮中や貴族社会に受け入れられ、江戸時代になって民間にも普及しました。江戸幕府は式日しきじつ(祝日)として定めていたようですが、明治時代に廃止されています。

スピリチュアル的に言うと、五節句はすべて「邪気を祓える日」です。ですので、知らず知らずのうちにくっついているよくないものや、どこかで拾った小さな厄(不運)、人から飛ばされた念(軽いもの)など、運気上昇を妨げるものを祓う日として、利用します。

1月7日のこの日は七草がゆを食べることで、邪気が祓われます。七草というのはセリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロで、それぞれ体によい作用があるため、食べると1年間健康にすごせると言われています。

実はこの日は、七草に限らなくても、7種類の野菜(植物)を同時に食べることで、見えない世界で「邪気祓い」のパワーが発揮されます。

たとえば、おかゆに入れるとしたら、ほうれん草、大根、白菜、人参、じゃがいも、小松菜、三つ葉、でもいいのです。量はほんのわずかでかまいません。おわんの中に7種類が入っていればオーケーです。このおかゆでもしっかりと邪気が祓えます。植物を7種類、同時に食べることが重要なのです。

おかゆだけでなく、カレーでも、シチューでも、7種類の野菜を入れれば効果があります。

ここで重要なのは「肉・魚を入れない」ということです。植物のみのお料理にします。出汁だしや固形ルウに入っている肉や魚のエッセンスというか、旨味うまみを抽出したものは気にしなくてもオーケーです。

お雑煮もいいと思います。ただし、お餅は植物としてカウントしません。炊き込みご飯も肉や魚を入れずに、野菜(植物)のみで炊けば七草がゆと同じ効果を発揮します。

7という数字はラッキーセブンとして親しまれていますが、見えない世界でも、すべてが丸く平和に収まる、物事がよい方向にうまく進む、という特徴を持った数字となっています。七福神も7の特徴がプラスされるために、ますます縁起がいいのです。

松の内が7日までという地域は多く、そこから考えると、確実に新年のおめでたい「気」が漂っているのはこの日までです。晴れやかな「気」を浴びられる最終日(7日)に、植物のパワーを7種類摂取することで、邪気が祓えるようになっているのです。

植物を7種類食べることで邪気が祓えるのは、1年で人日の節句だけです。せっかくなので、美味しくおかゆなどを食べて、1年の健康、平和を手に入れます。

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