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マッチョメンターと呼ばれて

鳥取県でNPOを経営するゲンヨウです。昨日は内閣府主催の関係人口セミナーでした。僕はメンターとして参加しました。マッチョメンターというのは、同じ分科会のメンターで入った釜石の石井さんにつけられました。たまたまの、その会だけツメツメキャラだったのですが、そんなときもありますね。だるんだるんのBODYを何とかしないとマッチョ業界に叱られます。

1.関係人口拡大に向けたスキルアップミーティング

正式名称は上記でした。詳細は下記のみずほ情報総研のページにあります。関係人口が地方創生の一つの切り口にあるなかで、それをいい感じに広げていくにはどうしたらよいんだろうという勉強会ですね。

この中で、関係人口を考えている主体に対して意見交換を行っていくというものでした。

2.関係性を作っていくプログラムとは

関係人口という言葉は聞いたことあるけど、何をするのかよくわからない状況になっているなと僕も感じています。今回の時間は各地の関係人口の捉え方を確認したり、外部人材との連携に何を期待しているのかについてやり取りする機会が多かったです。

僕としての認識ですが、関係人口とは「居住エリアではなく当事者意識を持つ地域を持つ人」としています。思わず気になって行動を起こしてしまう地域、一度きりじゃない関係がある場所って感じでしょうか。

地域が外部の人材を巻き込む有効なツールは”食”だと思うのですが、あくまでも最初の一歩にすぎず関係人口となる人は、その一歩からどう深めたかという部分が大事になってきます。そこはやはり人との接点であり、役割があることだと僕は考えます。

キッカケとなるわかりやすい関わり「例えば食」
+
役割「例えば、ボランティアや副業」

交流「お互いの暮らしや考え方を語る」

僕はこの三つの組み合わせがあるとパワーアップしやすいと思っています。

3.地域内関係人口としての地方大学生×農村ボランティア

僕は鳥取県内の大学生が農村ボランティアに行く仕組みを運営して18年になります。おかげさまで関わった学生の中から約30名がI ターンで鳥取県に暮らすようになっています。19市町村のうち11市町に住んでいるので、ジワジワ広がっているというのが正しいかなと。

原資は鳥取県の委託事業「農山村ボランティア事務局」ではあるのですが、
この農村ボランティアの仕組みが上記の3つのポイントを踏まえています。

1)農学部や地域学部など現場を知りたい学生に経験の場を提供
僕も鳥取大学農学部の出身ですが、大学は座学は十分に学びますが、実際の農作業や地域での暮らしについて触れるものはほとんどありません。そこでNPOを通して、鳥取県内の農村集落の共同作業(田んぼの水路清掃やイノシシ防護柵の設置など)を大学生が参加できます。これがキッカケとなっています。さらに、おいしいご飯もあるから効果は大きい。

2)確実に感謝される単純作業
農村ボランティアは、基本的には季節的な作業で単純作業です。体力があれば誰でもできること、しかし高齢化した地方では20代の担い手はほぼいません。普段は地域にいない世代である大学生が足を運び、一生懸命作業をするだけで感謝が生まれます。ここに役割があります。

僕は変な学生だったので、地域に飛び込んでましたが、一般的な地方大学生はまじめで大人しいです。学生人材バンクのプロジェクトに関わる子も、まじめな子が多いです。その子たちが地域に入り、作業をし感謝を通じて、自分にも担えることがある、自分でやってみたいことが生まれるという感覚に自然となっています。楽しみながら沼にはまっていく感じだと思いますが、小難しくいうと自己有用感と自己肯定感をあげているということでしょうか。

本人たちはやりたいことをやっているので、そこまで細かく実感してないと思いますが、少し離れて見ていると大学一年生の時と三年生の時は大きく変わっています。役割があることで、地域に関わり始め、そこから自分のやりたい事も企画して実践していく流れが結果的に階段状の関りを作っているんだと感じています。「0→1と1→5」くらいの階段なので社会に壮大なインパクトを与えるとかではないのですが、「できた!いけるかも」という経験をつめることが価値と捉えています。

3)会食を通じた交流
作業後のご飯を食べたりするのを大事にしています。学生と地域の人を交互に座ってもらうなども工夫して、コミュニケーション機会を作ります。コロナ禍においてはなかなか難しくなっていますが、それなりに工夫しながらやっています(もちろん、地域へ確認しながら)。

その時間を通して、農業や農村の暮らし、世代を超えた価値観の違いだったり人生観などに触れることができます。その多様な情報の中から”自分にあったもの”が見つかると継続的に関わるのかなと思います。親以外の大人が真剣に自分の話を聞いてくれて、意見をくれることも良い時間になっているのかもしれないです。

そんな3つのポイントを通じて、鳥取に残る学生が出てきているのではないかと感じています。

4.関係人口で消費しないために

移住定住も関係人口も、○○人という数値目標が設定されがちです。自治体の施策で進めるので、目標は大事ですが、それに惑わされないことも大事になってきます。

釜石市役所の石井さんは、目的によって測るものが変わるとお話しされていました。観光軸なら消費金額になるし、創発軸であれば起きたプロジェクトの数、移住軸なら移住人数。地域が何を求めて施策として関係人口を活かすと話されていて、確かに違うしわかりやすいと思いました。採用。

人が決断をして、住む土地を変えるには時間がかかります。本人の気持ちや環境の問題もありますし、受入れ側の体制や、雰囲気の醸成などもあります。僕らの活動も20年弱でやっと雰囲気が作れた感じです。長い目で動きをつくる腹のくくり方も大事になると感じています。短期で成果を安易に得ようとすると結果的に遠回りになる気がします。地域が消費されてしまう。

「地域が消費される」と例として今日も話したのですが、グリーンツーリズムが流行った時に、おもてなししすぎて地域側が疲れてしまい継続しませんでした。地域側も都市側も、お互いに提供しあうそんな状況をじっくり作る必要があります。


そんなことを話したり、質問したりしていました。僕としても学びの多い時間でした。こうやって書くと更に整理できて良いですね。

今日のおまけ記事は下記つぶやき関係のお話しです。

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