あっちの話⑸
30年近く前、静岡市内で働いていた時によく通っていたカレーのおいしい喫茶店があった。「OAK(オーク)」という店名で、名前の通り木の家具を使った落ち着いた店内で本がたくさん置いてあった。辛めのカレーの後にコーヒーを飲みつつ本を読んで長居するのが好きだった。
静岡を離れてずいぶん経ってから、OAKが閉店したことを知った。残念だが仕方ない。あの本たちはどこへ行ってしまったのかな、などの思っていた。
よほど心残りがあったのか、OAKは私のあっちの世界に移転していた。新しいマンションの1Fのテナントとして入っていて、店内は前のまま。本たちもそのままだった。ほっとした。夢だけど。
そんなんけでまたしばしばOAKに行けることになった。うれしい。夢だけど。カレーは相変わらず辛い。
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