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コスパってなに?

最近雑誌やテレビで、やたらと「コスパ」という言葉を見かけます。コスパ最強〇〇、コスパファッション、などなど。

言うまでもなく、コスパとはコストパフォーマンス(=費用対効果)の略です。コスパが良い・悪いという表現も見かけますが、これは間違いで正しくは「高い・低い」です。

つまりコスパとは、「パフォーマンス」がメインとなります。

では、コスパという言葉を使うにあたり、本当に「パフォーマンス」まで見ているのでしょうか?単にコストだけを指して言っていませんか?


そもそもパフォーマンスとは何を指すのか?

コスパ=割安、というイメージが強すぎる気がしますが、本来はこの「パフォーマンス」、つまり費用対効果が高い事を意味します。

もちろん割安も大きな意味では間違いではありませんが、大前提としてですが、「コストパフォーマンスはモノの値段に対する表現ではありません」


モノを買う、という行為はよく「投資」と見なされます。投資した金額を「費用」とすれば、購入する事で得られる満足度が「効果」となります。

つまり、モノに対する満足感を何から得ているか、という価値観が判断基準となり、その基準は人によって異なります。


「モノ」か「道具」か?

ここからは少し概念的なお話になりますが、アパレル業界に携わる者として、この話はきちんとお伝えしたいと思います。

服や靴などは、モノですか?道具ですか?

モノも道具も同じやん!?という方に、1つ例を挙げてみると、

野球選手はバットやグローブを使ってプレーします。彼らにとって、バットやグローブはモノ or 道具のどちらでしょうか?

私は服も靴も、モノであると同時に「道具」だと思っています。そして、コスパという観点は、モノであっても道具であっても存在します。

ただ、モノであればプレミアが付いたところで、せいぜい元の価格の数倍ぐらいでしょうか。(アートは除きます)
収集癖のある方は、基本モノとして見ていると思います。もちろん、これが悪いとは思いません。

道具は、それを使ってその人が「稼ぐ」わけで、使う人自身のパフォーマンスをどれくらい上げるか、が「効果」になります。

上に書いたように、コスパとはどのような「効果」に対する費用なのか?そしてその「効果」はモノとしてか、または道具としてなのか、そこが個人の判断基準になってくると思います。

私は革靴を売るにあたり、モノとしての価値は当然ですが、「道具」として見ていただけるような発信をしていきたいです。
(まだまだそこまで到達していませんが)


本当に良いモノを理解しているか?

そもそもなぜこんな話を書いたかといえば、プチプラなどが流行っていますが、本当に良いモノの存在を理解していなければ、「パフォーマンス」なんて判断できない、と考えているからです。

コスパが高いファッションとは、そもそもどういうものでしょうか?何となくのイメージで書いてみると、

単価が安くて、それなりに品質もあって、トレンドはカバーしている

・・・今のアパレル業界の潮流を表していますね。

まだお金の無い若年層に対するニーズがあるのは分かります。ただそれでは、ユニクロという王者には絶対に勝てません。

既に、消費者の方が賢くなっています。
そりゃ斜陽産業と言われますよね。。。


本当に「コスパ」が高いのは・・・

単純なコストであったり、目先のトレンドを追いかけたり、SNSでいいね!をもらうためのファッションである以上、それは「投資」ではなく「浪費」であり、コストパフォーマンスが高くても限界はあります。

(※この辺りの詳細は、また別記事で書く予定です)

本当に費用対効果として考えるのであれば、トレンドという考えは捨ててください!

ファッションを愉しむうえで、トレンドを把握する事はとても重要です。ただ、日本はトレンドの変化が激しすぎます。

なぜなら、モノを売るために恣意的にトレンドを作っているからです。


例えばきちんとしたカシミア(あえてこう書きます)のコードなどは、何年着ても魅力は落ちません。むしろヨレヨレになったらカッコいいとすら思います。

リネンジャケットも、新品のモノは着ていてちょっと恥ずかしく、ヨレヨレになった頃合いがカッコ良く感じます。

このように、本当に良いモノは使用感すら味わいに昇華します。なぜなら、ヨレヨレになった時の事を考えてデザインされているからです。


超浪費社会となった現代において、表面的なコスパを求めるのではなく、自分のパフォーマンスを高める「道具」に投資してみませんか?


「出かける準備は出来ているか?」

ゲットゴーイング


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