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「ラッキガールは泣き虫」

7年ほど前、
大学受験の面接室できいた、
衝撃のエピソード。

私の隣にいた、
ななちゃん。
彼女は、
毎回面接練習の度に泣いたらしい。

え、なんで?

「怖くなっちゃって」

意味がわからなかった。
こんな繊細な女の子が世の中に存在するのか。

面接室にいる人たちみんなが
薄くて綺麗なガラスを大切に扱うように
ななちゃんへ
声をかけた。

そんな強烈な印象を植え付けた
彼女は、
入学式初日、

「絶対友だちになろうって思ったの!」

と、ぼーっと学部説明会にいた
私のところへ真っ先に来た。

繊細そうに見えた子は、
意外とアグレッシブで、
どんなに適当な返しをしても、

「ねえ、かれんちゃん、話聞いてる!?」

と無理やり
授業前に
寝ている私を叩き起こして
話をしてくれた。

ドイツに行くと決めたとき、
報告したら

「何で、相談してくれないの!?」

と階段で泣かれた。

そんな風に
友だちに怒られたことなんて
一度もなかった。

彼女に捕まえてもらって
誰かに愛される
めんどくささも知り
自分が少し、
好きになった。

繊細そうにみえて、
強い。

かわいくて、
めんどくさい。

「かれんちゃん!!!」

といつも嬉しそうに呼んでくれる。

ななちゃんは

私の永遠の

ラッキーガールだ。

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