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最近の記事

呪(しゅ)を捨ててみるのだ

窓から差し込む柔らかな光が、カーテンの隙間を縫って私の部屋を覗き込んだ。 小春日和の日差しは収穫間近のオレンジの色を彷彿とさせる暖かさで、私の部屋を聖母のようにゆっくりと柔らかに包む。私は、眠い目をこすってゆっくりと起き上がり身支度を始めた。 折り畳んだ下着が冷たい。指に触れる綿の感触、一瞬の遅れて到達する化学繊維の感触。その折々の主張を冷えた指先で摘み取って身に纏っていく。 袖を通した小さな花柄の可愛いキャミソールは、昨年買った。年季を経て、期待の新人から大ベテランま

    • 閲覧注意 私が自殺の第一発見者になった話

      はじめに 私がこのnoteを書くに至ったのは、掲題の通り—— 飛び降り自殺の現場に遭遇したことに端を発します。 そして、このnoteの目的はあくまで今人生が辛く、自殺をも考える人へ「どうか思い留まってほしい」という私の本気のメッセージを届けたい。その意図そのものであることをここにハッキリと示します。 ※文中、かなりショッキングな内容が含まれますのでご注意ください。それでも読んでくださる方のみ、以降読み進めてください※ *************************

      • 古本屋アンソロジー

        私の祖母は、幼い頃から私に読書を勧めることが日課のような人だった。 顔を合わせては「本を読んでいるか」。 食卓で膝を突き合わせては「本も食べ物に劣らぬ栄養になる」。 買い物に出た先では「欲しい本はないか」。 スーパーで買う牛肉1つの価格でさえ1円単位で気にする祖母が、本屋においてだけ財布の紐が緩かった。 おかげで私は生半可に本を読み、結果子供らしからぬ悪知恵をつけた。祖母からもらった1000円を握りしめ、駄菓子屋やゲームセンターで遊蕩し、帰りに古本屋で50円の本を新

        • その喝采は沈黙に似て

          自分の理解の範疇を大きく超える事象に出くわすと、人は往々にして『感想』を失うという。 正しく言うと、『感想』を表現できなくなるのだ。口でも、手でも、表情でも。賛辞の言葉を贈るべき瞬間にも、ピタリと思考が止まり、呆然としてしまう。 例えば、能や狂言に代表される演劇。 織物や漆器に代表される工芸。 オペラや歌劇に代表される舞台芸術。 それらは全て、遥かな昔からずっと高い価値があり、歴史があり、崇高で、それでも尚歩みを止めず研鑽され、受け継がれてきた芸術なのだ。 言うな

        呪(しゅ)を捨ててみるのだ

          貴女の「好き」の色彩を

          「なんで!?5日前は好きって言ってくれたのに、なんで突然連絡がこなくなるの!?これじゃ私セフレじゃん!」 居酒屋で声を荒げる女の子の目の前で、僕は枝豆に夢中だった。 少なくとも、目の前で発狂する不幸な女子の話よりは、名実ともに実があるし、パンチの利いた話よりも塩味が利いている枝豆に走りたい。 「ねえ聞いてる!?なんで!?男の好きってそんな早く心変わりするの!?」 豪雨のような怒号。しかし、怒っているのか泣いているのかわからない表情。勇猛なボディアクションとは裏腹に、状

          貴女の「好き」の色彩を

          灰色を喰らう

          人生で初めて「制限」を感じたのはきっと5歳のときだったと思う。 家で天下を取ったかのように走り回る僕も、手元のオモチャも、皿に盛られた濃色の苺も、背伸びしても手が届かない窓の外に広がる世界ですら、僕の完全性を疑わなかった。 そこに初めて顔を出したその「制限」は、白く細く小さかったが確実な存在として僕の前にある日現れた。 BBQ場で美味しくもない肉を焼き続ける大人たちはそれをタバコと呼び、僕に大人のシャボン玉だと説明した。 大人たちがバツが悪そうに僕から遠ざけるその「制

          指輪を乞う犬のように

          「でも彼、少しは私のこと好きだと思うんです。いつもは素っ気ないけど、優しいときもあるし、毎回会ったら抱いてくれるし。興味がないってことはないと思うんです。どう思いますか?いつも家デートなんです。実はこの前も~...」 自らをある男性のセフレと認めながらも、決して彼女ポジションへの昇格が望めない立場ではないと信じる彼女は、僕の前で必死に自分と彼の共通点や、自称仲睦まじいエピソードを、証明するかのような口調で語る。 その話に相槌を打ちながら、僕は冷めきったホットコーヒーに再度

          指輪を乞う犬のように

          誓われた呪い

          「永遠の誓い」「男女の契り」「薬指の約束」 世の中には、実に沢山の愛の誓約を表現する言葉が存在する。 呼ばれ方もこの通り様々だ。 きっとこれまで数えきれないほどの人々がこの誓約を交わし、自身の愛情を相手に表現してきたのだろう。 日本語において、愛する男女の約束を表現したキャッチコピーは計り知れない量がある。 今回は、そんな「誓い」に関するお話。 * ある日、僕はDMで一人の女の子の相談に乗っていた。 言い分はこうだ。 ・最近彼氏が私を振った ・付き合った際

          「終わり」を告げる美女

          世の中の女性が羨望の眼差しを向ける先には、大抵イケメンや金持ち、はたまた足の速い男子や面白い男等々、様々な男がいる。 しかし、その女性たちの集団から外れて一定数常に存在し続ける「ダメ男好き」の女性。 心当たりのある人もいるのではないだろうか。 ダメ男とは、例えば暴力をふるう男や、生活能力がない男、経済力がない男など...一般的な価値観からすると決して高くは評価できないであろう特徴を有する男性を指す言葉だ。 そのダメ男を好む、ダメンズ好き女性が本日のテーマ。 * ダ

          「終わり」を告げる美女

          伝えた言葉と伝わらない意図

          僕に届くお悩みDMのおよそ3割を占める内容が 「今の恋人と結婚に踏み切っていいのでしょうか。最近会話がなく思いやりもすれ違っているように感じます」 「今の恋人と合わない気がします。何も理解してくれない。」 「Sexレスなんです。誘っているのに。」 などの、恋愛ないしは異性との心身の対話に関するものだ。 とりわけ、『今の恋人が察してくれない男でムカつくんです系相談』については年間何百件と多種多様の内容が届く。 だけど、僕の返す返答は毎回ほぼ変わらない。 「その言葉

          伝えた言葉と伝わらない意図

          単位と愛情

          昔、僕の知り合いに自称「枯れ専」の女の子がいた。 23歳OLの絵梨。 中学生時代から25歳以上歳の離れたオッサンしか好きになれない性分で生きてきたという。 元カレが最近還暦を迎えただとか...聞く人によっては事件性すら感じる話題を話す屈託のない笑顔の絵梨には、大きな悩みがあった。 どんなに好きなタイプの男に愛されても、満足できない オッサンに憧れ、自分から近づいたにも関わらず、いざ付き合い始めたり一夜を共にすると一瞬で冷めてしまうという。 それが絵梨の悩みだった。

          【最初のご挨拶】こんにちは、僕は「おばけ3号」

          こんにちは。 初めまして。僕の名前は「おばけ3号」。 twitterでは「オバケ」と呼ばれ、@ghost03typeというアカウントで活動しているごくごく一般的な成人男性だ。 2020年1月現在、7.3万人のフォローを頂戴し、小規模だがグッズ発売なんかも企画している。 この記事を読んでくれている方々、まずはこのnoteを読んでくれて本当にありがとう。 普段はTwitterで短文でしか呟かない性質であるため、改めてこのような中、長文を前提とした場でみんなと相対すると緊

          【最初のご挨拶】こんにちは、僕は「おばけ3号」