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【ネタバレ注意⚠️】映画レビュー『こんにちは、私のお母さん』って話

中国映画『こんにちは、私のお母さん』

これは多分観た人の八割くらいには確実に刺さる映画ではないかなと思います。


舞台・テレビ・映画で活躍する人気喜劇女優ジア・リンが、自身の母との実話を元に監督・脚本・主演に初挑戦した本作。元気と明るさだけが頼りで、何もするにもまるでダメで母に苦労ばかりかけていた娘が、母と巻き込まれた交通事故をきっかけに 20 年前の 1981 年にタイムスリップ!?迷惑をかけてきた母の幸せのため、別のお金持ちの男性と結婚させるべく孤軍奮闘!それがたとえ自分が産まれてこないことを意味したとしても…。(公式サイトより引用)

イントロダクションでも触れている通り、監督・脚本・主演は1982年産まれのジア・リン。
これはだから言ってしまえばこのジア・リンという人物が作り上げた怪作ということになり、かつ、自身の半生を描きつつタイトル通り、“お母さん”に向けて捧げられた一作であるということになる。

でまぁ結局これはぜひ観てもらいたい作品です、ネタバレをしてしまうと面白さが半減してしまうので前情報をあまり入れずに観にいかれるとより楽しめると思います。

全然作風は違うんですけどこういうのは日本だと上田慎一郎監督や福田雄一監督がやりそうな感じはします。
あぁちょっとそう言えば『スペシャルアクターズ』感はありますね。

特段撮り方が上手い訳でもないし、無駄も多いなぁと思う作品ですがそれらがとは言え本当にラストの展開に繋がっていく様は自然で当たり前のように涙が出て、恥ずかしながらしっかりと号泣メーンでした。

で、よくよく考えてみたら、この作品て僕の中の“映画”に対しての理想形というか
完成形に近いような気がしていて、演者(もちろん本国では有名だったりするというのは承知の上ではあるのだけれど)のバランスが大変素晴らしいんですね。

主人公を演じているジア・リンは正直容姿が端麗な訳でもないですし、出てくるほかの演者も飛び抜けて美男美女では無い、これが日本では決してこうは行かないでしょうね。とにかくちゃんと男と女、外国人、老若男女や体型が様々に揃っておりそれが自然にレイアウトされている事が本当に個人的には評価点です。

この辺が一番遅れてるのは日本だと思っていてハリウッドも韓流もキャスティングにおいての多様性と言うのはもうずっと前から進んでいるのに日本では(興行という点があるにせよ)相変わらず人気タレントが主演して、美男美女の物語を展開しています。

タレント=才能は見栄えが良いことも勿論ですが、そうじゃない人達にもちゃんと役割があって、そういう物語にもドラマがあると言うことを日本の映像を作られる方も改めて考えて貰えればと思います。

とにかくまずはこの作品を観てください、今年最初の大傑作でもちろん、オススメです。

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