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豪雪の山里から ~ 除雪戦隊、HEROs見参!

こんにちは。ようこそ

さて、都会暮らしで目にすることない物の一つに
冬に活躍する大型の除雪車輌があります

今の車社会では、道路除雪は生命線
多いときには一晩で50-60㎝の積雪もあるので、
除雪車が出なければすぐに車は使えなくなります
除雪車が無かった時代は、
家の屋根や周囲の雪を搔き出すと道にどんどん
積みあがって、家は2階から出入りして
道に出ると電線を跨げるほどの高さになってたそう
「雪かき」じゃなく「雪掘り」と言うのは
まさに雪を掘り上げるようだったから
そんな中、人はかんじき履いて歩いて峠道を
行き来してました
今だったらひと冬もたずに音を上げるに違いありません

積雪が10㎝を超える時には除雪隊の出動となります
10㎝にもなると、重い雪だと車のハンドルを
取られてまっすぐ走るのも難しいです
通常は早朝出動(と言っても実際には夜中)で
朝の通勤に間に合うように、
その後も降り続くなら、昼前から2回目の出動で
夕方の帰宅の道に支障が出ないように働いてくれます
まさに時間との勝負です

この集落だと管轄の違いで県道チームと市道チームがあり(下の町だと更に国道チームも)
それぞれ除雪ドーザーと除雪ロータリー(フライヤーと
も言う)がタッグを組んで作業します
まず最初は除雪ドーザーで路上に積もった雪を片側に寄せて、
後から来るフライヤーが寄せた雪を遠くに吹き飛ばしていきます
除雪の目印になるように路肩には3-4mのポールが立ててあり
それに沿って除雪を繰り返すうちに、雪壁が高くなっていきます

どちらも巨大な車両で、初めて見るとその迫力にビビります
そして、まだ暗いうちから集落内を走り回るので
エンジン音やバックする時の警告音で目が覚めてしまうこともあります

でも地元の男の子たちからすると、
人々の暮らしを守る、まさに「ヒーロー」
格好いいと憧れる存在でもあります

除雪車が出動している時には、一般車輌は
作業の邪魔をしないのがマナーです

狭い峠道でかち合うこともあるので
雪が降ってるなら除雪車から視認しやすい
ように昼でもヘッドライトをONにします

そして運悪しくかち合った時には、
いったん停止で
除雪車が止まってハザードランプで
「行っていいよ」と合図くれるまで
待機します

そうして通過させてもらった時には、
「ありがとう。ご苦労様です」の
ハザードも忘れずに

また歩行者もむやみに歩いていると
除雪の邪魔になるだけでなく
除雪車が通った跡は路面がつるっつるになるから
滑って転倒する恐れがある(滑りそうと
分かって気をつけても防げないくらい)ので
相当気をつけないといけません

逆に、家の前を通る時間帯がだいたい読めるから
そのタイミングを見計らって
家の周りの雪を道に出しておけば
飛ばしてくれます
そうすれば、家のまわりに雪がたまって
捨てる先がもう無い!って困ることも
ありません

除雪車は、ただ単にデカいというだけでなく
その運転には熟練の技術がいるようです

路上のマンホールやグレーチングなどの位置を把握し
除雪作業で傷めないように
ドーザーの排土板(前に付いてる雪をかく板)の高さを
数センチ単位で微調節しながら除雪していくと聞きました

操作が複雑なので、常時ふたりのオペレーターが乗り込んでいて
運転役と周囲の安全確認役、あるいは運転役と除雪の操作役というように、ふたりで息を合わせることで、安全かつスピーディに、そして精度の高い除雪ができます

同じ県内でも雪がそれほど多くない平地より
ここら山間の豪雪地域の方が
道路除雪後の仕上がりが美しいように見えるのは
出動経験の差が出ているのだろうと思います

その実、運転オペレーターは普通の農家さんだったりするので
もともとプロでも何でもないのです

今時ならこれこそ「リアル二刀流」と呼ぶんでしょう

仕事っぷりはプロ級で、本当にすごいスキルだと
いつも感心させられます

そんな、多くの二刀流の職人たちに支えられて、
今年も無事に冬を越せそうです

ありがたや








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