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豪雪の山里から ~ 大人だからこそ、体験をしよう

こんにちは。ようこそ

さて、魚沼に限らず米づくりをしている全国の田舎町では
小学校の行事など、主に子供たちを対象にした米づくり体験イベントがよく開かれています

春なら田植え、秋なら稲刈りといったピンポイントでの体験が一般的です
普段なら親が苦い顔をする泥んこになっての作業は、子供たちにとっても非日常的で楽しい行事です
主食であるお米がどうやって作られているのかを、子供たちが学習する貴重な機会になっていると思います
今は田植えも稲刈りも機械で行うのが当たり前なのですが、その体験のために、手で植えて鎌で刈り取りをする田んぼをわざわざ用意して、地元の農家さんが、農繁期の忙しい中に時間をやりくりして手弁当で講師役として参加されています
それもこれも、この子供の頃の体験が、将来の米農家の誕生につながればという、淡い期待を込めて
でも、ほとんどはその時だけの楽しいイベント事、楽しい思い出として終わってしまいます
自分も遠い記憶のかなた、小学生時代に農作業体験したような思い出がありますが、ほとんど内容を覚えていません

そして、正直言うと米づくりの中で田植えと稲刈りって、88の手間がかかると言われる米づくりの数ある工程の中でも特に華やかな作業です
残りのほとんどの工程は、とても地味な作業の繰り返しなのですが、派手なところだけに目を向けられるのは、少し残念な気もします

かく言う自分も、米づくりを始めた当時、田植えと稲刈りは何となくイメージできるけど、他にどんな作業があるのか、まったく想像すらできませんでした
例えば、稲刈りしたらすぐに食べられる米ができるんでしょ?と単純に思っていたように
だから、実際に米づくりにかかわってみると、ほんとうに目から鱗のごとく驚かされることばかりで、作業自体は地味でも、とても新鮮で刺激的な日々でした

おそらく自分みたいな大人は、世間にまあまあ溢れてるんだろうと思います
そして、何となく農業に興味を持っていても、分からないことだらけで二の足を踏んでいる大人も意外といるかもしれない
だから、子供向けではなく、大人の人に向けた本気の米づくり体験ができる場をつくりたいと考えるようになりました
工場とかでよくある「大人の社会科見学」の農業版みたいな感じで

大人相手なら農業機械の運転も、少々キツイ作業もやってもらっても平気だろうし、大人だからこそ、農業体験をきっかけに自然との共生とか生き方とか田舎のかかえる問題とか、作業だけに留まらずより深く広く理解が進むかもしれず、子供の食育とは別の意味があるように思います

世の中、ネット社会で、検索すれば色んな情報や動画が出てきて農作業の内容も知識として取り入れることはできますが、実際にやってみると頭で思い描いたようにはいかないものです
ネットの危険なところは、知ったような気になってしまうこと
実際に農作業をしてみると、そんなことを気づかさせてくれます
だから、リアルな体験に意味があるんだと思います

ということで、数年前から独自の米づくり体験を企画してやっています
普段は自分が管理していますが、参加者は都合の良いときにいつ来てもかまわないとして、その時にできる作業をしてもらうというスタンスです
イベント事にすると、そのために色々と準備したりして受け入れ側の負担も結構あるので、できるだけ普段の延長線上で運営できたらと思っています
(とはいえ、田植え、稲刈りがメインイベントになっているのは否めませんが)

まあ、この体験を企画したその裏には、刈り取った稲を「はざかけ」にして天日乾燥させる工程が、とにかく人手がいるのですが、いつまでも集落のお年寄りに手伝ってもらう訳にもいかないので、先々を考えてもっと若い世代の協力者を確保したいという本音もあります

実際に始めてみると、大人が新たな体験をするということに留まらず、大人が夢中に汗だくになってとりくむ姿を見て、子供も一緒になって頑張ろうとします
子どもには無理だろうと決めつけていた力仕事も、自らやりたいと子供が言い出したりして、逆にこちらが教えられることも多いです


そんな、大人向けの本気の米づくり体験
今年はどんな出会い・シーンが生まれるか、今から楽しみです

ではでは




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