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豪雪の山里から ~ 独特な日本海側のお天気

こんにちは。ようこそ

今日は、移住して初めて知ることになった、「日本海側の気候」の特異性についてお話しします

自分の生まれた飛騨高山も大学時代を過ごした長野も同じ雪国ですが、日本海からは離れているので、あくまで内陸らしい気候でした

冬、TVの天気予報ではよく、
「西高東低の冬型の気圧配置で日本海にはすじ状の雲が広がっています」
てな解説を耳にしますね

そんな時、新潟には寒波が来ていて雪が降り続いていますが、たかだか100㎞ほど南、越後山脈をぬけた先の関東地方はカラカラに乾いた冬晴れと、あまりの違いに驚かされます
頭では理解していたけど、本当に「トンネルを抜けると…」の川端康成の小説そのままの世界なんですね

でも雪が降り続いているという、そんな日でも、突如、雪がピタッとやんで急に日の光が射したりします。そして喜んだのもつかの間、5分もすればまた吹雪になるという風に、1日の中でも猫目のように入れ替わります
まさにこれが「すじ状の雲」ってことなんだな~と
地上に居ながらにして衛星画像を肌で感じられる瞬間です

豪雪地の冬は、春までずっと雪だと思っていましたが、
本格的に雪が降るのは、だいたいクリスマスから2月中旬まで
降る時は一晩で50㎝くらい積もるの雪の日が1週間も続いて
もううんざりしますが(それでも災害にはならないけど)
この怒涛の2か月間を何とか乗り切ってしまえば
あとは雪解けを待つばかりです
(とはいえ、完全に雪が消えるのは5月のGWの頃!だったりしますが)

でも意外に小雪の冬に限って
もう春かな~って思っていると4月に入ってから
まとまった雪が降ったりします
だから小雪といって雪消えが早まるとも限らないのです
梅雨もそうですが、本来くるべき時にくるべきものが来ないと、お天道さまもリズムが崩れるってことでしょうね

一方で夏場の新潟は、天気が不安定で雷ばかり
毎日のように雷注意報が出されています
あまりに頻繁なので、そのうち気にも留めなくなりますが(笑)
しかし実際の発生頻度は、全国的に見てそれほど多い訳ではなく、ゲリラ雷雨のメッカ、北関東の比ではないです

実は雷は「稲妻」とも呼ぶように、稲作とは密接な関係があります
そういえば「雷」という漢字も、雨の下に田んぼが付いていますね
昔から、落雷があると米が豊作になると言われます
この言い伝えは、およそ科学的にも正しいと考えられています
植物の生育に欠かせない窒素は、大気中に豊富に存在しているけれど、そのままでは植物が取り込むことはできません。それが、雷の放電によって窒素が酸素と結合すると雨に溶けて土中に浸み込み、植物が根から吸収できるようになるとのことです
そんな、稲作と縁の深い雷だからこそ、米どころの新潟では、やたら雷注意報を出す(期待を込めて?)のかもなぁ~なんてことを勝手に勘ぐったりします

ということで、夏の雷はそれほど珍しくもないですが、
日本海側で特徴的なのは、むしろ冬の雷なんだそうです
冬の雷は世界的に珍しく、見られるのは日本海側の他はノルウェーだけだそうです
頻度は高くないですが、冬に雷が鳴って激しく雹や霰が降るようなことは、確かに岐阜や長野では経験したこと無かったなぁと、珍しく思います

そして雷雨が多いということは、虹も多いということ?
こちらに来てから、よく虹を見かけるようになりました
まあ、これは会社勤めから屋外の仕事に変わったせいかもしれませんが

それから春先、とても不思議だったのは「なだれ注意報」です
5月頃、家の周りの雪がほぼ消えたのに、まだ毎日のようになだれ注意報が出されます
最初のうちは、なぜそんな時期になってもまだ注意報が発出されるのか理解に苦しみました
でも数年経って気が付きました
その時期は、地元の皆さん、山菜を採りに残雪の山深くへと入っていく頃だということに
そこでやっと合点がいきました

いずれにせよ、こちらに移り住んで農業に携わるようになってから
本当に一日中、天気予報と空を気にするようになりました

ここに来て間もないころ、スマホで天気予報をチェックしていると
地元の爺ちゃんから「そんなのより空を見りゃいいだろ」と言われました
確かに今も天気予報には良く騙されます
リアルタイムで雲の動きを見、風を読んで、天気の変化を察知する、気象観測点じゃないこの山里では、それが一番精度が高いかもしれません
自分も、おもむろに空を眺め見て「お、〇分後に雨が来るぞ」なんて言ってみたいものです

ではでは


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