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映画『イニシェリン島の精霊』の感想

こんな恐ろしい映画はない
内容は、おっさんとおじいさんの友人同士がケンカをする話、ほんとにそれだけなのに
一方的に友人関係を断ち切られた側が、困惑して、哀願して、なだめすかして、どうにか関係の修復を願うのに
断ち切った側はそれを許さないし、断固として関係を終わらせる事を貫こうとする、そのために何でもやって、やりすぎて、どう考えても頭がおかしい

でも、切った側は別に嫌いになったわけじゃないし
切られた側もまた仲良くなりたいだけ
それなのに、あんまりにもあんまりな展開に見ていられない、しんどすぎる
しかしだんだんと観てる側もおかしくなってくるのか、もういいあんたら! やれるとこまでやってくれ! そして早くこのケンカを終わらせてくれ! と悲鳴を上げてしまう…

切った側の上げた関係を断ちたい理由が、そんな理由で!? と一瞬思ってしまったのですが
鑑賞をしていくうちに、ああ、どちらの気持ちも分かってしまった…
そういう理由で人を切ってしまうことも
そういう理由で切られたら、ショックで頭がおかしくなってしまうことも、両方わかる
わかるから辛い

ディズニー+で鑑賞したのですが、嬉しいことに特典映像が付いていて、本編でケンカする主演ふたりと監督が笑ってるショットがあって心底ほっとしました
これはフィクションだ…そうなんだ…と言い聞かせて情緒の安定を図っているところです

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