先日は、たびたびお邪魔させてもらってる、長野県上田市の上田映劇さんで、『This Magic Momentディス・マジック・モーメント』の鑑賞をしてきました

日本各地の、南は沖縄から北は北海道まで、各地のミニシアターを監督のリム・カーウァイ氏が直接訪ね、館長やスタッフさんにインタビューを行い、映画館の歴史や成り立ち、そして溢れんばかりの思い入れを伺う、というドキュメンタリー映画です
上田映劇さんも、この映画に出演しているので、今まさに自分が座っている座席と鏡合わせになるように、スクリーンに上田映劇さんのシアター座席とリム・カーウァイ監督と、インタビューを受けるスタッフさんが写し出されるのは、とっても美しい…まさにタイトル通りの魔法のような体験でした
またそのスタッフさんは、普段自分にチケットを販売して下さったり、館内のお掃除をされてたり、ポスターの張り替えをなさったりと、いつも上田映劇さんを守ってる方なので、すごく感慨深かったです！

他の日本全国のミニシアターのご紹介も、本当に盛り沢山でした
その土地毎に、ひとつひとつ、外観から内装までたっぷり写して下さった上で、その館の成り立ちのインタビューが聞けるので、たいへん見ごたえがあります
エピソードも千差万別で、
親御さんがずっとやっていた映画館を引き継いだ
地域に映画館が無いことを苦慮して市民団体が立ち上げた
古い映画館を自宅として買い取って修繕していたら映画館を再開すると誤解されたのでそのまま始めた…などなど、
胸が熱くなる理由も、え！？　そんな感じで映画館ってはじめちゃうの！？　と驚く物語も、色んなお話があって楽しかったです

そして、リム・カーウァイ監督がなぜこのドキュメンタリー映画を製作したかというと、日本に留学してすぐの頃から通っていた大阪のミニシアターが閉館してしまい、それにとても思うところがあって、日本の各地のミニシアターを知りたい、その歴史を取材したい、映画館には物語があるのだと…突き動かされるように取材を始めたのがきっかけだそうです
映画館を取り巻く環境は、コロナ禍を経た後の物価の高騰や配信サービスの普及などもあり、年々厳しくなっていると言わざるをえません
このドキュメンタリーで紹介された映画館も、閉館の危機に見舞われたり、一度閉館した場所が再開されたといった経緯の館があちこちありました
上田映劇さんも2000年代初頭に一度は閉館されたのですが、上田市の有志の方々が映画の文化と、そしてこの貴重な大正時代の映画館の建物を守らなければ！　と立ち上げたNPO団体さんにより2017年から、現在の上田映劇さんと姉妹館のトゥラム・ライゼさんを運営されているそうです

もし、この上田映劇が閉館してしまったとしたら、それはすごく、痛手に思うなあ、しんどいなあと泣けてきます
しかし、今まさに、日本のあちこちで閉館してしまう映画館ってあるんですよね
noteでよく読ませて頂いている傘籤さんも、地元の映画館が閉館してしまい、その思い出を記事にして下さってます

しかし、『This Magic Momentディス・マジック・モーメント』では、閉館してしまった映画館は“無くなっていない”
映画をその映画館で観たという記憶はいつまでも残るし、そうして心に残っているということを、同じく映画館をやっている者として知っている、と語る館長さんがいらっしゃいました
色んな人の心の中にある映画館のお話も、そして今も映画を上演している映画館のお話も、もっともっと聞けたらいい
そして今、自分が通えてる映画館にも、もっともっと出かけたい、そう感じたドキュメンタリー映画でした

ところで、
ほんとにここからは雑談というか余談というか
妄想なんですが

先日、傘籤さんのこのゲームの記事を読んでて思ったんですが
この『８番出口』のスピンオフゲームで『チネ・ラヴィータ』さんを舞台にした『チネ・ラヴィータからの脱出』ってゲーム作れないかな…なんて考えました
映画館って駅と同じように、掲示板があったり、物販カウンターやチケット売り場があったり、ポスターがたくさん飾られてたり、通路に休憩スペースがあったり自販機もあったりしますよね
間違い探しの舞台にうってつけです
映画のさまざまなポスターが怪しく変化しても面白いし、実在の人気映画やカルト映画のポスターが現れたりしたら、「チネ・ラヴィータさんでこの映画が上演されるのか！」という驚きも演出できます
そして、『シャイニング』なんかの著名な演出が出てきてもいいですね
有名な双子、溢れる血のエレベーター、さりげなく床があのホテルと同じ柄になっても面白そう
そして、何よりも、チネ・ラヴィータさんに出かけてみたかった、館内を歩いて映画を観たかったと思ってるので、ゲームでそれが叶えられたらな、なんて妄想してしまうのです
脱出できなくてもいいな…ってきっと思ってしまいそう

という訳で、妄想で締める記事でしたが、読んで下さってありがとうございます
来週はどんな映画を観に行こうかな～