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『光る君へ』二話目の感想と、オススメ書籍の紹介とよもやま話の日記

先週は大河ドラマ『光る君へ』に対して、だいぶ不満がある感想記事を書いたのですが
2話目を視聴するとすごく面白さのギアがかかっていて、いいぞいいぞ! と、盛り上がってしまいました とても手のひら返しです
以下、感想を書きますが、内容にだいぶ触れてますので閲覧はご注意ください


二話はまひろ(のちの紫式部)の裳着(成人式)のシーンから始まりました
貴族の中流階級の慎ましい裳着の様子を観れるのはとても嬉しいですし、その衣装もとても艶やかで、でもまひろはそんな衣装をただ重たい、と疎んじているところが良かったです
さっさと終わらせて書でも読みたいんだな、と微笑ましくなりました
成人式に父の友人の藤原宣孝(佐々木蔵之介)さんが参列しているのもいいです まひろの家は何かと手元不如意だから、きっとあの豪華な装束は彼が贈ってくれたんだと思う
道長も成人して、変わらず姉(梅壺の女御)と仲良くしているところが微笑ましいし、恋話をしてキャッキャするところも可愛い
まひろの方でも弟との会話があって、どちらも仲のよい姉と弟、という描写ですごくほっこりします
つまり、まひろはお姉ちゃんで、道長は弟で、どちらもきょうだいと仲良しなわけです そこが気が合って心が通じるひとつの理由なんだろうと感じます
そんなたくさんのほっこりがあった上で、円融帝に冷淡にされる梅壺の女御の話や、円融帝を退位に追い込む策略を巡らす藤原家の父親と、その道具にされる息子…のシーンなど、しっかりドロドロ陰謀も盛り込まれるバランスがすごくいいです
そして、まひろが密かに京の街の中で性別を偽って、“恋文の代書屋”をやっていたというエピソードがあったんですが、完璧すぎます
後に『源氏物語』の中で、何百という歌を、様々な人物に成り代わり詠んだ彼女ならではの逸話です、素晴らしい

という訳で、先週あんなに文句多めの記事を書いておいて恥ずかしいのですが、急に楽しみになってきました、日曜日が待ち遠しいです

ところで『源氏物語』に登場する“和歌”を解説してくれるオススメの本があるんですが、こちらです

『愛する源氏物語』 俵万智

源氏物語の作中に登場する和歌は実に795首におよび、それをひとりの作者が登場人物に成り代わり、詠んだことは実に驚異的であり、和歌をひとつひとつ読み解くことで、複雑な内面や物語の展開に与えた影響をより深く、面白く、感じることができるんだよ! という源氏物語の解説本として、とってもオススメの作品です
数多ある現代語訳の中での和歌の取り扱いの比較と、それぞれの訳者さんの個性の面白さについての解説や、俵万智さんご本人の源氏物語に対する思い入れなど、読み応えばっちりなのに、すごく分かりやすく、また源氏物語を読み返したくなる魅力にあふれています
個人的に好きなのは、源氏物語における推し姫君である女三ノ宮の歌の解説と、瀬戸内寂聴さんとの対談で「どの女君が好き?」というお話をして楽しかった~! というエピソードのところです
「どの女君が好き?」ってほんとにめっちゃ盛り上がるし、いくらでも話せますよね

ちなみに自分は、前述の通り源氏の妻となったひとの中から選ぶなら女三ノ宮が好きです
作中で、よく書かれているところは少なく、源氏からはろくに愛されず、重いのは身分のみという扱われ方だけど、源氏に恐ろしい痛手を与え、自分の意思を持って源氏を拒絶することができた姫君だからです
物語を通じての推しは弘徽殿女御(弘徽殿大后)です
冒頭からの登場で、かなり強烈な個性が光る“悪役”に見えますし、何かと怒ってるシーンも多いですが、それは物語冒頭では桐壺帝が宮中の道理に合わない事をしていたり、源氏をひいきし過ぎていたり、源氏は源氏で浮かれてやっちゃ駄目なことばかりしてるからであって、理不尽に対して弘徽殿女御は怒ってるんであって、怒らしてるのはあのダメ親子やろ、と擁護したいんです、あと、怒りをみせる女君ってすごく異色の存在でスカッとして好きです
その他の登場人物なら、紫の上の子供の頃の女童である“犬君”が好きです 雀を逃がす、人形を壊す、という粗忽なエピソードでしか出てこない子ですが、彼女は生涯に渡って紫の上に仕えて、ずっと支えていたんじゃないかなと勝手に思っています

ここからは余談なんですが
こちらの本を以前、noteにて感想記事を書いたのですが

『源氏物語解剖図鑑』

『光る君へ』関連で、源氏物語のフェアをやっていて、限定小冊子の紫式部解剖図鑑が付いていたので、もう一冊買ってしまいました

あとこちらは、記事ヘッダーの写真ですが

 蝋梅と小菊
実家の一角

実家に行ったら、蝋梅と菊が花器(元電球カバー)と小さな壺(グリーンガムのおまけ)に生けてあって、近くに茶箪笥もあって雅感が満載だったので撮影しました
『源氏物語』も『光る君へ』も楽しみつくす一年にしたいです 

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