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名言の呪縛

以前「選挙には行っても意味ない」という誰が言い出したかも分からない呪いの言葉について投稿したのですが、もうひとつ本当に罪深いなと思っている呪いの言葉について書こうと思います。

ただ、こちらについては「話したご本人の意図、使った企業の意図とはまったく別の受け取り方を視聴者がした」ということは先にお断りしておきます。良い言葉でもあるんです。

それはチャーリー・チャップリンの映画「ライムライト」の中での台詞

"人生に必要なのは、勇気と想像力……そして少しのお金"

今の社会に生きている人はこの台詞からどんな思いを自分の中に持ったでしょうね?言葉はその時々の置かれた環境など状況によると思うのです。

これは私が小学生の頃に金融機関のTVCMで流れたフレーズだったと思います。私の記憶では郵便貯金のCMだと思っていたのですが、検索しても分からなかったです。

CMの意図としては、「たくさんとは言わないものの、人生には必要なときのために堅実にお金を蓄えておくことが大事ですよ」と言いたかったのかもしれません。

でも、当時の私と2歳下の弟には「お金はちょっとのが素晴らしいんだ!たくさん稼ぐのは悪いことだ」と頭に擦り込んでしまったように思います。
今思うと清貧の思想の芽生えです。
大金を稼ぐこと・持つことがはしたないことのような、がめついような、そんなイメージが自分の中にこびりつきました。

でもそれは成長するにしたがって、整合性が取れず、違和感が生まれました。
「お金があれば困ってるひとを助けられるなぁ」と思ったのでした。

そして当然ながら生活するにはある程度お金が必要になことも分かるので、稼がないとならないのです。もしやそちらのが一般的な感覚かもしれませんが…私にはお金を稼ぐモチベーションにはなりにくくて。

こどものころは親からお金をもらうことも極力したくなかったくらい自立心だけはあったので(今は逆に甘えてばかり!苦笑)、高校生になったら自分でお金を稼ぎたくてアルバイトするようになりましたが「お金を稼ぐってなんだろう?」っていちいち考えてました。

そこで自分なりに結論づけたのは「お金を稼げる人はバンバン稼いで、困ってる人を助けることに使ったら社会にとっても自分にとっても良い」ということ。

特に12歳前後の頃に「家族サービス」といって父親の職場見学をするのが流行って、私も父の働く大手町まで出かけたことがあります。途中の上野駅周辺、東京駅周辺にいたホームレスが印象に残っていて、その後TVでも「浅草橋ヤング用品店(浅ヤン」という番組の企画にホームレスの服装や髪型をきれいに整えて見違えらせ、本人の意識もちょっと変わる(仕事する意欲が芽生える)ような企画があったりして、なんとなくホームレス=仕事がないというイメージだったのです。実際には理由はひとつじゃなく色々あるでしょうけどね。
そういったわけで自分がお金をもしもすんごく稼げるようになったら仕事のない人に仕事をつくれば良いんだ、と思いました。

現実にはそんなお金を稼げるってなかなか出来ないですね〜。苦笑

とはいえ、そういった思考から徐々に「お金を稼ぐこと・大金を持つこと=悪いこと」という思い込みから解放されていきました。

ただ、大人になって弟と会話したときに、私も抱いていたこの子供時代のお金のイメージを弟も抱いていることが分かり、しかも大人になった当時でもまだ根強く抱いていると分かりました。(今では子供が産まれたことでだんだん解消されているようにも感じます)

それから数年後、埼玉県北部〜東部あたりで知り合った方とその周辺に強烈な清貧主義が根付いていることを知りました。
地域性があるんでしょうか?
自分が好きで自然とそうしていることなら他人と比べて他人を批判することもないでしょうけど、他人の批判が多かったのでもうこれは妬みに近いのかな…と。

身の回りでもがんばって売り上げ伸ばしているお店が妬まれるという話を聞いたことがあるので、それとちょっと似ているかもしれませんね。

なぜかお金を稼がせない思考は先生のような職業の方、公務員の方にも多いですよね。(給料の財源についてどうなると持続可能か考えたことあるんだろうか…)
それはもしかしたら何かの受け売りを疑問なくそのまま受け入れてしまってるせいかもしれませんね。

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