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父との思い出 お年玉編

先にも書きましたが父が売れ出したのは私が小学校4年の時ですので、それまでは裕福な家庭ではありませんでした。それが原因なのかは分かりませんが、お年玉を両親から貰うという文化は我が家にはありませんでした。

ところが、ある時お年玉をくれるという話を年末に父がいつものように唐突に切り出します。もう歓喜でしかありません笑
そして当然、長男である私は当然一番多く貰えるのだろうと勝手に期待値は高くなります。

しかしなから、そこはたかもちげんという男。あるお題を出してきます。

父「世の中で1番価値のある人間、偉いと思う人間とはどういう人か? 答えによって金額を決める。年功序列ではない。」

正確に上記のような発言をしたかは定かでないですがニュアンスはこんな感じであったと思います。

難しいテーマですよね。
皆さんはどう思われるでしょうか?
人によっては一生をかけて問うテーマなのかもしれません。

しかしながら今回は期限がありますので何らかの答を導かなくてはなりません。私は足りない頭でひとつの解を出します。

そして迎えたお正月。

父「どうだ?一人づづ発表しろ」

私「カリスマがある人間」

今思うと我ながらアホな答です。

父「…」

父「だとしたらヒトラーはどうだ?彼はカリスマはあったがドイツを戦争に導き、第二次世界大戦を引き起こしたぞ。」

私「使い方が間違っていたのであってカリスマ性自体は悪いことではないと思う。」

父「そうかもしれんな次」

弟たちが次々と答えます。スミマセン何と答えたかは覚えてません。

そして当時小学生であった1番年下である妹が答えます。

妹「お母さん」

私「笑」

父「よし。出揃ったな。今からある映像を観る。そしてもう一度聞く」

映像で流れてきたのはこちら。

レーザーディスク版だったかと思います。

また、どこで仕入れた情報か分かりませんが、

父「雅子さまが最近読んで感動した絵本だそうだ。」

と言っていたような記憶があります。

30分ほどの短い映像を観終え、私達に問います。

父「どうだ?わかったか?」

答えに戸惑う兄弟に対し父は語ります

父「人間の価値とはどれだけ多くの人間を幸せにしたかで決まるんだ。そういった意味では【お母さん】と答えた◯◯(妹)が1番近い。なので◯◯が1番。◯◯(私)は1番ダメだ。」

ええーーーっ?!

全く納得出来ません。それってアナタの感想ですよね?(言ってみたかった笑)


2度世界大戦の最中でも木をひたすら植え続け荒野を森に変えた男。素晴らしいホスピタリティ。それ以上でもそれ以下でもない。というのが私の感想ですが、これをもって人間の評価価値とまで言い切っていいのでしょうか?

父の言い分は一理あると思いますが、断言して良いのでしょうか?
父のイデオロギーは認めますが(上から目線笑)そのような価値観でない人も世の中にはいるのではないでしょうか?
仮にも漫画家という表現者であるならば断定をし、例え実の子供たちであっても価値観を押し付ける行為はいかがなものかと…

実際、作者も物語の狙いは「読者に“木を植えること”を好きになってもらうこと」であったと語り、ブフィエによってこの狙いは成功したとしている。

とあるようにそもそも作者の意図ではないのかもしれない。

被扶養者ですのでその価値観によってお年玉の額が決まるのは百歩譲って、まぁ仕方のない事だと思いますが理不尽だなぁと感じた私でした。

作品集にはなりますがDVD化されております。映像としても素晴らしいのでご興味ありましたら是非。

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