エッセイ : 僕が子どもの頃の土曜日

僕は1962年生まれだが、
僕が子どもの頃は、週休二日制ではなかった。
僕の父もそうだったが、サラリーマンの人たちは、
毎週土曜日の午前中は仕事だった。
公務員の人たちも土曜日の午前中は働いていた。
銀行も土曜日の午前中は営業していた。
今のように金曜日の夜を楽しむ、あるいは、金曜日の夜を楽しみにしているという感覚はなかった。

僕が中学生の時も同じだった。
この頃、ベイ シティ ローラーズというスコットランド出身のイギリスのアイドルバンドが大人気で、
女の子たちが聴いていた。
このバンドのヒット曲の1つが、サタデーナイトという曲。
土曜日の夜だ、ロックンロールで踊り明かそうぜ!
という曲だ。

僕が高校生の時も同じだった。
ジョン トラボルタさん主演の映画、
サタデー ナイト フィーバーがロングランしていた
土曜日の夜は、その当時の言葉で言うと
ディスコで踊ってフィーバーしようぜ! という映画

僕が大学生になってから、週休二日制ということが
言われるようになった。
そして、僕が大学を卒業すると、銀行と公務員の人たちは週休二日制になり、民間企業も週休二日制を採用して行った。
そして、土曜日が休みだから、金曜日の夜を楽しむ
あるいは楽しみにしているという感覚が生まれた。
そして不倫ドラマのはしり 
金曜日の妻たちへ(金妻)というテレビドラマが
大ヒットした。

今日は土曜日で休みなので、朝からゆっくりと過ごしている。
僕は小学生の頃、土曜日は給食がないので、午前中の授業が終わるとお腹を減らして家に帰った。
母親が作ってくれた昼食を食べ終わり、午後の1時を過ぎると、父親が帰って来て昼食を食べ始めた。
父親が明日の日曜日は家族で何処かに出かけようか
と言うと、僕は嬉しくて漫画の本を放り出して、
父親が昼食を食べているところに行った。 
親子3人で日曜日に何処に行くか話しをしている時が、今思うと、小学校時代の僕の1番幸せな時間だったと思う。
今の若い人たちは、休日が少ないことを不満に思うし、休日の少ない会社で働こうとしない。
でも、休日が少ないからこそ休日が大切で休日が楽しみだった。週休二日制を有意義に過ごしている人が果たして何人いるだろう? ただ、何の目的もなく
ダラダラと過ごしているのなら、休日の意味がない
僕は週休二日制ではなく、土曜日の午前中働いていた時代は決して悪い時代だったとは思っていない。




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