エッセイ : 人生は LET IT BE (なされるがままになさい)

僕は現在61歳、ビートルズ世代ではない。
僕はカーペンターズ世代だ。
僕は1962年生まれ、この年にビートルズはデビューした。
だから、何処かでビートルズの音楽が流れているなかで育ったが記憶にない。
中学生になって初めてビートルズを聴いてからファンになった。

ビートルズ世代というのは、僕よりも10歳くらい
歳上の人たちだ。
坂本龍一さんや桑田佳祐さんや山下達郎さんのようなミュージシャンの人たちや、村上龍さんのような作家の人たちだ。

ビートルズのLET IT BEを初めて聴いた時、いい曲だと思い、さすがポール・マッカートニーと思ったが
歌詞がLET IT BEなのに驚いた。
社会への反抗の象徴だったビートルズが最後に
なされるがままになさい
と歌ったのは印象的だった。

まだ若かった僕は、自分の人生は自分で切り拓くんだ、と思っていた。
だから、なされるがままになさい
という歌詞に反感を持った。

ところが歳を重ねるごとに
何故ポール・マッカートニーがLET IT BEと歌ったのかが分かるようになって来た。

人生は大きな川の流れのなかにいる様なもので、
その流れのなかで、
自分が果たすべきことを果たして行くしかない
その大きな川の流れ自体は
どんなに逆らっても決して変えることは出来ない。
そして、何処に流れ着くのかも分からない。
なされるがままになるしかない。

その大きな流れが
何処から始まり、どんな意志を持っているのかは、
きっと死ぬまで分からないだろう
人生はLET IT BE なされるがままになさい
だと思う。






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