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温泉あんま芸者(1968)

温泉あんま芸者(1968、東映、89分)
●監督:石井輝男
●出演:吉田輝雄、橘ますみ、三原葉子、三島ゆり子、高倉みゆき、英美枝、賀川雪絵、應蘭芳、芦屋雁之助、金子信雄、上田吉二郎、南都雄二、由利徹


さあみんな張り切って稼ぎましょう それ~」という能天気な掛け声で映画は始まる。

大勢の芸者が出てきて野球拳をする場面はフィクションというより本当にそういう宴会を開いて撮影したような感じがある。

あの状況でエキストラに台本が渡され、リハーサルを行い、しっかりとした演技指導されてるとは思えない…。

印象的だったのは芸者の富丸(三原葉子)が客として出会った、家族を捨てて蒸発した恩師が心筋梗塞で亡くなった後のシーン。

遺骨を抱いた先生の娘と二人。

夕刻の田んぼ道を歩いていく。

花嫁行列が現れる。

二人の胸に様々な思いが去来する。

そのまま歩く二人の姿をカメラは優しく寄り添いながら映していく。

エロ&バカで押し通す映画ではあるが合間に挿入されるこの感傷的なシーンは不覚にもグッと来た。

「プロ」の女たちに混じって主人公の橘ますみは何とも素人っぽい清純で上品な佇まいを保っているのも後ろめたい感じを与えてくれていて良い。


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