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春から夏にかけて多い病気


①皮膚病
この時期動物病院で最も多く見られるのが皮膚病や外耳炎です。
日本は梅雨から夏にかけて湿度と気温が高くなるため、 細菌や真菌が増えやすい環境になります。
グラフにある通り、 犬猫ともに春から夏にかけて皮膚病が急増します。
皮膚病は原因によっていくつかに分類されます。
代表的な症状を記しますが、 原因が複数のこともあるので症状は様々です。

予防法
こまめなブラッシングで抜け毛を取り除くようにしましょう。
特に換毛期は毎日ブラッシングを行い、抜け毛が残らないように入念に行います。
ノミやマダニ等の寄生虫は月に1回、背中に薬品を垂らして予防するようにします。

また、ワンちゃんの体調が崩れないように健康管理も重要です。
下の炎症は代表例


②細菌性皮膚炎・真菌性皮膚炎
細菌性皮膚炎

ブドウ球菌や大腸菌などが皮膚の表面で増えることによって発症します。
白や黄色のカサブタ状のものが毛の根元に出てカサブタと一緒に毛が抜けることがあります。
急性湿疹という急激に進むものでは、 一晩で広範囲に毛が抜けてグチュグチュした状態になることもあります。

真菌性皮膚炎

糸状菌やマラセチアというカビの一種が原因になることが多いです。
皮膚糸状菌症では円形に脱毛が広がっていくのが特徴です。
糸状菌は人間にも感染する可能性があります。
マラセチア性皮膚炎は皮脂の多い犬種で特になりやすく、 独特の脂臭い匂いがします。


③ノミアレルギー皮膚炎
ノミに咬まれることによってかゆみと皮膚の赤みなどがでる病気です。
全身に粟粒状の湿疹がでることもあります。
一箇所でもノミに咬まれると発症する可能性があるので、動物病院で処方されるノミ・ダニ予防薬を利用してしっかりと予防することが大切です。


④外耳炎
細菌やマラセチアが増えることによって黄色や茶色の耳垢が増えたリ、 耳の中が赤くなってかゆみがでたりします。
耳を掻く仕草や、 頭を振る動作を多くしたら要注意です。
特にタレ耳の犬種や猫種での発生が多いです。

予防と治療
皮膚病の予防には清潔と乾燥が大切です。 細菌や真菌が増えにくくするためにブラッシングやトリミング などで皮膚の通気を良くする、 クーラーや除湿機を使い環境中の温度や湿度を下げる、 殺菌成分の入ったシャンプーで定期的に洗うなどで予防しましょう。
症状がでているときには抗生剤や抗真菌薬、 かゆみ止めなどが処方されます。
場所や範囲などによって飲み薬や塗り薬などを使います。


⑤熱中症・脱水症
熱中症
犬猫は人間のように汗をかけず、 体温が上がりやすいため少しの温度上昇で熱中症のリスクがあります。
高体温や呼吸数の増加、 苦しそうな呼吸や元気消失、 食欲低下などがあったら注意が必要です。
応急処置としては、 濡れたタオルで全身を覆い、 うちわなどで冷たい風を当ててあげましょう。
首や脇の下、 足の付根などの血管が近いところを保冷剤などで冷やしてあげることも効果的です。
急変の可能性があるので、 なるべく早く動物病院を受診しましょう。

予防と治療
予防としては、 日中の暑い時間の散歩を避ける、 一日中クーラーをつけて温度管理をする、ネックバンドや濡らした服などで身体を冷やすなどをするとよいでしょう。
毛量の多い子や短頭種で発生のリスクが上がります。
治療は体温を下げることが基本ですが、 状態が悪い場合は緊急薬や点滴をいれて治療を行います。
死に至ることもあるので予防するのが重要です。

脱水症

水分をなるべくとってもらうために、 フードをふやかしたりウェットのフードを与えるのもよいでしょう。
気温が高いと脱水しやすいのでクーラーを常につけていただくもの効果的です。

予防と治療
予防としては、 日中の暑い時間の散歩を避ける、 一日中クーラーをつけて温度管理をする、ネックバンドや濡らした服などで身体を冷やすなどをするとよいでしょう。
毛量の多い子や短頭種で発生のリスクが上がります。
治療は体温を下げることが基本ですが、 状態が悪い場合は緊急薬や点滴をいれて治療を行います。
死に至ることもあるので予防するのが重要です。


⑥食中毒・胃腸炎

夏場はフードが傷みやすく、 細菌や毒素によって食中毒になることがあります。
症状としては元気・食欲の低下、 嘔吐や下痢などです。

予防と治療
常温で置いておくことで食事中の細菌が増えますので、特にウェットフードやふやかしたフードは食べたらすぐに下げるようにしましょう。
ドライフードは傷みにくいですが、 湿気が多い時期でもあるので半日経ったら交換しましょう。
症状によって吐き気止めや下痢止めで治療をしますが、重症の場合は点滴入院や抗生剤の投与が必要になるかもしれません。


⑦マダニ感染症
フィラリア(犬糸状虫)という内部寄生虫。
フィラリアの感染幼虫に寄生された蚊がワンちゃんの血を吸う際に体内へ移動します。

予防
蚊の出始める時期の1ヶ月後から出なくなった1ヶ月後まで予防薬を投与する。
この予防薬はフィラリアの幼虫に作用する薬で、種類によっては体内の回虫やノミの駆除を同時に行ってくれます。
3ヶ月に一度の投薬で済む予防薬や、半年に一度の予防接種(注射)もあるので飼い主さんやワンちゃんに合った予防方法が無いか獣医師に相談してみてください。

⑧フィラリア感染症
体内に寄生したフィラリアがオスメス揃うと、繁殖によって体内のフィラリアの数が増えてフィラリア症を発症します。

予防
蚊の出始める時期の1ヶ月後から出なくなった1ヶ月後まで予防薬を投与する。
この予防薬はフィラリアの幼虫に作用する薬で、種類によっては体内の回虫やノミの駆除を同時に行ってくれます。
3ヶ月に一度の投薬で済む予防薬や、半年に一度の予防接種(注射)もあるので飼い主さんやワンちゃんに合った予防方法が無いか獣医師に相談してみてください。

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