「あるキノコ一族の話」
とある山奥に、仲のよいキノコの家族がいました。
毎年、キノコ狩りの季節には、家族揃って悩ましい問題に頭を抱えてました。
狐や狸ならば、害はないのですが、キノコ家族は、自分たちの意志に反して「毒」を持っていたからです。
正確には大昔、人間の体にも、このキノコ一族は安心して食べられる存在でした。しかし近年、謎のアレルギー症状を起こす人間が増えてきてしまい、キノコ一族は、身を潜めるように、すぐ見つからない場所で生息するのですが、宝探しのごとく、岩陰、木の根の陰、苔の間のキノコ一族を