しっぽな

気ままに創作してます。 絵を描いたり、ピアノ弾いたり、 お散歩、お裁縫、毎年ヒヤシンス…

しっぽな

気ままに創作してます。 絵を描いたり、ピアノ弾いたり、 お散歩、お裁縫、毎年ヒヤシンス水栽培をしています。去年 ナメコ水栽培にチャレンジして残念ながら失敗しました。😅

最近の記事

超短編「俺の子守唄」

超短編「俺の子守唄」 ◆「俺の子守唄」 まだ目がよく見えなかった頃、俺はいつも傍に温もりを感じる世界に居た。母親や兄弟の姿がよく見えるようになったと思ったら、いつの間にか、俺は1人取り残されていた。 空腹に耐え切れなくなった俺は、寝ぐらを抜け出すことにした。俺や兄弟と同じ姿の仲間には会わないまま、車の通る大通りに出た。 俺の寝床は、大きな車庫の屋根裏だった。だから車というヤツは知っていた。 広いコンビニの植込みで立ち止まり一啼きしてみた。気づいた小さな女の子が、スナック

    • ハイドランジア(水の器)

      お散歩で見かけたアジサイ。 鬱陶しい雨ですが アジサイの花は麗しく美しいです。 同じ株から咲いた花が 様々な色で咲き、華やかな花だと思います。 アジサイは基本は青かなと思いましたが、 もともとアジサイが保有しているのは アジサイ特有のアントシアニンと補助酵素。 これだけだと赤いアジサイになります。 これに土壌に含まれるアルミニウムが加わると 花は青くなります。 アルミニウムは酸性の土壌に溶けやすく よって、酸性の土壌の栄養を受けたアジサイが 青くなります。 一つの株

      • さくらんぼ🍒

        散歩の途中で見かけたさくらんぼ。 ツヤツヤしてて艶やかで 瑞々しい。

        • ベネズエラの有名指揮者

          面白い指揮をする人を 求めて 動画を徘徊。 情熱あふれ陽気なオーケストラを発見! 南米ベネズエラの シモン・ボリバル・オーケストラ。 ノリノリの楽しい音楽シーンが オーケストラで味わえる。 若手 天才指揮者 グスタ-ボ・アドルフォ・ドウダメル・ラミレス (名前が長いです 💧) 率いる世界的に注目されているオーケストラ。 説明ぬきに 楽しい! https://www.youtube.com/watch?v=VS1tRoCAr-Q シモンボリバル・ユース・オーケストラ

        超短編「俺の子守唄」

          挿絵画家アーサー・ラッカム

            「不思議の国のアリス」 グリム童話、エドガー・アラン・ポー作品など 多くの作品を残してきた イギリスの挿絵画家 アーサー・ラッカム (1867.9.19〜1939.9.6) 幻想的な雰囲気がある絵が好き。 「不思議の国のアリス」 「真夏の夜の夢」 「3匹の熊」 「眠り姫」 「エドガー・アラン・ポー 怪奇幻想小説」 「森のなかの3人の小人」 新聞紙の服? 素足だし…😰 美少女の痛々しい姿…て 奇妙な…耽美な魅力になるんでしょうか? 作者 アーサー・ラッカ

          挿絵画家アーサー・ラッカム

          写真家 ナダール

          写真家ナダールの本を読んだ。 ナダールの名前は知らなかったが、 本を開くと見慣れた肖像写真ばかり。 ベルリオーズ ロッシーニ 詩人ボードレールは親友だった。 厳かな雰囲気の肖像写真。 ナダールの経歴は異色だった。 18歳の青年はジャーナリズムと文学に興味をもつ。伝手も財産もないが、パリのカルチェラタンに住み、バルザック、フロベール、ボードレールなど後の高名な文学者たちと文学や芸術の世界を夢見て作品をつくる。 まずは女性モード紙の記事を書いていた。交流する人々の影

          写真家 ナダール

          超短編「カピバラの見た夢」

          群れからはぐれて迷子になったカピバラの子供がいました。目の前を飛んでいたチョウチョに気をとられ追いかけて、気がつくと仲間の群れを見失っていたのです。  かすかな臭いを手掛かりに西へ東へと走ってみましたが、走り疲れて歩き出すと、もうかすかな臭いの痕跡すら途絶えていました。  辺りは真っ暗になり空気も冷え切ってきました。湿った空気を感じると雨粒が落ちてきました。パラパラと落ちる雨は次第に強くなり一気に土砂降りになりました。  カピバラの子供の不安に追い討ちをかけるように雷まで鳴り

          超短編「カピバラの見た夢」

          エッセイ「夢〜旅の行方」

          数年前にみた夢です。 ルネ・マグリット「光の帝国」のような 世界にかんじました。 *** 夢を見た。 知らない町を歩いている。曇り空で、海につながる川の橋は水量が多くて水の色も黒ずんでいた。 それでも川を眺めたい私は 立派な大きな橋でなく、何かの作業用に作られた 水面に近い橋を渡りたかった。 途中まで行くと 水量が多すぎて橋の上にも水が流れこんでいるのに気づき、しかも向こう岸は遠く橋を渡りきるまで時間がかかりそうだったので、 皆が渡る大きな立派な橋にしようと引き返した

          エッセイ「夢〜旅の行方」

          「手」

          両親のいない姉と弟がいました。 7つ歳が離れた姉は親代わりのように弟の面倒を見ていました。 弟は口煩い姉を少々疎ましく感じながらも、弟の自分を大学進学させるために姉自身の進学を諦めていたことに感謝していました。 反面 弟は、年頃の姉が自分自身より周りを気使うことに申し訳ない気持ちも抱いてました。 姉のミハルは25歳にしてすっかり家事も手馴れた手つきでこなしてます。流行りのネイルもすることないその手は紛れもなく「働く手」でした。 弟のサトルは洋食屋でバイトを始めました。会社

          「あるキノコ一族の話」

          とある山奥に、仲のよいキノコの家族がいました。 毎年、キノコ狩りの季節には、家族揃って悩ましい問題に頭を抱えてました。 狐や狸ならば、害はないのですが、キノコ家族は、自分たちの意志に反して「毒」を持っていたからです。 正確には大昔、人間の体にも、このキノコ一族は安心して食べられる存在でした。しかし近年、謎のアレルギー症状を起こす人間が増えてきてしまい、キノコ一族は、身を潜めるように、すぐ見つからない場所で生息するのですが、宝探しのごとく、岩陰、木の根の陰、苔の間のキノコ一族を

          「あるキノコ一族の話」

          日本野鳥の会 創設者 中西悟堂さん

          フランス文学者であり、虫と詩人の会館長でもある奥本大三郎さんのインタビュー記事を読んだ。ファーブルの昆虫記を30年かけて翻訳を完成させた方であり、日本アンリ・ファーブル会理事長でもある。 その奥本大三郎さんが 子供向けに終わらない面白いファーブルの昆虫記を翻訳した人に中西悟堂さんを挙げていた。 1895年 11月16日生 石川県金沢市 幼少期に両親は亡くなり父親の兄の養子となる。発育不全であったため、10才で秩父の山中で百八日の坐行、二十一日の滝行、断食をし丈夫な体とな

          日本野鳥の会 創設者 中西悟堂さん

          占星術と天文学と暦

          伊能忠敬が、 旅行をする時に暦を気にしていたこと。 やがて、天文学を学び始めたこと。 この経緯から 占星術と天文学が日常深く根強いている カレンダーと関係あるはずと 気になっていました。 占星術家の鏡リュウジさんが、星好きから占星術に興味をもち、古代からの天文と占星術と文化史と書かれたものを読み、かなり自分の着眼点が 合っていたと嬉しくなりました。 かねてより、占星術の12星座の期間が 日にちがまちまちで謎でした。 そうしたら、 日本に昔からある季節の区切れ目を示す 「

          占星術と天文学と暦

          超短編「影」

          ︎「影」2021.8月 コイツはロクな所に行かない 「影」はそう思いました。「影」は 付いた主の行動に付いていくだけの人生です。「影」の主の外出は人気のない夜や早朝ばかりでした。 「影」の存在が薄い時間ばかりです。「影」も強い日差しで濃く短くなったり、穏やかに翳りある日差しで長くなったりしないと運動不足になり一人前の影になれないのです。 ある日、珍しく晴れ渡る昼間に「影」の主は外を歩きました。歩きながら、おばあさんの背後に近寄りました。こともあろうに おばあさん

          超短編「影」

          超短編「白い猫と牛乳」

          ある時、白い猫は殺し屋に飼われていました。 毎朝、一緒に牛乳を飲むことが習慣でした。 飼い猫といっても、殺し屋には、みすみす痕跡を残すようなことは許されませんから 同じ部屋で過ごす時間は限られていました。 それでも、一人ぼっちの白い猫は毎日欠かさず、殺し屋の部屋にやってきました。 殺し屋といっても、人の子ですから、膝の上も、そして白い猫を撫でるその手も温かでした。 殺し屋はお掃除屋さんでもあります。 そう、とても清潔だったので、いつも微かな洗剤の匂いのする男でした。 微

          超短編「白い猫と牛乳」

          超短編「腕枕」

          「腕枕」(2016年) 初めて腕枕をした時、甘い気分はものの数分で、人間の頭のずっしりとした重さとシャンプーと入り混じった頭皮の匂いに生々しい感覚を知った。 一般的に、頭の重さは4~5kgほど。確かにすぐ腕が疲れるはずだ。 それでも真っさらな気持ちで彼女に腕枕をすると何やら自分の知らない彼女の様子が目に浮かぶことに気づいた。 爪切る姿と派手に散らかった部屋。 母親らしき女性と口論する姿。 おばあさんに何か説明してる。 仕事しながら指をならす。 よくも悪くも、自分の知らない

          超短編「腕枕」

          超短編「黒いもの」

          「黒いもの」(2017年) 作家M氏の作品のタイトルには「黒」という言葉がよく登場する。 作品には、「権力悪」「社会的弱者」「欲」「金」「哀」が描かれていた。 貧しさから、若くから働くも、職場の不遇から色んな会社を転々とする。 古本屋で見つけた本を読み、好みの作家に出会い、さらに文学に傾倒する。 うら若き青年は、疑うことなく働くが、勤めた先の経営者は、仕事以外のものにのめり込み破綻していった。 働かなければいけない身の上は、苛酷な作業場へも飛び込むこともあった。 ある

          超短編「黒いもの」