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嵯峨野小倉山荘色紙和歌異聞~三十の歌~

《あの時も》 原作:壬生忠岑
夜っぴいて遊んでサヨナラやったなぁ。
つれないけどそんなもんや、しゃーない。
振られたもんやさかい、エエかっこでけへん。 
思い出して一人不貞寝しててもつまらんし、バイクで生駒山を攻めたった。
振り仰いだら、今度も夜明けの月が物憂そうにタバコ吸ってたわ。

(注)夜っぴいて:よっぴいて、と読む。夜じゅう。生駒山:大阪府と奈良県との境にある山。

定家「有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり 憂きものはなし。そんな感じやな。バイクはNINJAかな」
蓮生「この前、別嬪さんがNINJAに乗ってはったで」
定家「夜明け前の山の上、独り、お月さんとタバコの吹かしあい、か」
蓮生「バイクもついでに吹かしてぇな」
定家「せやな。吹かしあいや、かっこええがな」



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