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むかし、女学生の間で流行した、さだまさし研究会

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まあ、70年代に世の女学生を虜にした、さだまさしの世界を耳にしながら雑談でもしましょうか。
勿論、プロのさだ研など、どうでもいい。昔々の女学生が金木犀の香りを思い出しながらやっていたような、学園祭以外はただの雑談サークルに過ぎなかった、あの「さだまさし研究会」である。
うちには姉はいなかったけど、恐らくそれくらいの年齢にあたる近所の女学生が、丁度そんな適齢だったように思う。みつはしちかこの世界とかに、どっぷりとはまっていた世代だったように思う。

彼女たちは、文化放送のラジオ番組「さだまさしのセイ!ヤング」を聴いた翌日の放課後にワイワイとしていたらしいと、近所の年上兄さんたちの証言も耳にした。まあ、セイ!ヤングは、女学生たちだけのモノじゃないんだけどね。

結局は、女学生の他愛のない集まりで、学祭の時に喫茶やってパンプキンパイとシナモンティを出してみたり、「雨やどり」の世界にうっとりしてみたりと、恐らくは当時の秀樹ファンがしていたことと大した違いはなかったんじゃないかな。
ただし、さだまさしは心象風景を歌詞に描き、それを曲にのせて奏でる作家性の強いシンガーだった。この歌詞の世界に酔う乙女は、きっと多かった。
「つゆのあとさき」という歌がある。
別れの歌だけど、実は叙情的でもあって、今でも人気が高い。
      めぐり逢う時は 花びらの中
      ほかの誰よりも きれいだったよ
      別れ行くときも花びらの中
      君は最後までやさしかった
      梅雨のあとさきのトパーズ色の風は
      遠ざかる 君のあとかけぬける
そして、「主人公」という曲もある。多感な女学生の心を鷲掴みにする素晴らしい歌だ。
      あなたは教えてくれた
      小さな物語でも
      自分の人生の中では
      誰もがみな主人公
「雨やどり」という名曲に隠れた「もうひとつの雨やどり」という名曲もある。姉さんたちはこういう心象世界が日常に現れないかと思ったところへ、誰かが雨やどりしないかと、こっそり憧れていたのかも知れない。

洩れ聞くところによると、日本最古の「さだまさし研究会」は、早稲田大学らしい。事実でも何でも、まあ、個人的にはどうでもいい。ただ、紅白歌合戦に出場したさだまさしが気の毒でならぬ。NHKで決めつけられた歌だけを押しつけられて、さだまさしの固定された歌ばかりが、ずっとクローズアップされてきた。知られぬ名曲や新曲に目もくれぬ。随分とNHKの偉い人は狭歪で勿体ない価値観しかないのだなと思う。

時は流れて、昭和も終わろうという頃に出た、ドラマの主題歌となった名曲がある。「夢の吹く頃」という歌は、年末時代劇スペシャルで使われた。
きっと作品の概要は考えずに、イメージで作られた歌だと思う。
しかし、幕末という数多の惜しむ才を抱えた若者が、後世に惜しみある才を残せずに散り失せた悲哀感が歌のなかに漂う。作品と一緒に聴いているだけで、ひょっとしたら歌のためにドラマが作られたのかと、錯覚すら覚えた。
映像と重なって、涙がとまらない。
どうやら女学生よりも、ワシは純粋なのだろう。

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こうしてみると、70年代から人の心の琴線を捕らえて、そして今も、さだまさしは歌い続ける。

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歌のない、さだまさしの世界。まだまだ当時の女学生はさだまさしから離れられそうにないですね。


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