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遅考術

 植原亮さんの遅考術(ちこうじゅつ)、『じっくりトコトン考え抜くための10のレッスン 遅考術』を久々に手にした。
 インターネットが生活に深く浸透し、私たちの仕事や生活を取り巻くスピード感は更に早くなっている感じがする。ChatGPTに至ってはこちらからの質問と同時に詳細な回答が瞬時に返ってくる。膨大なデータベースの蓄積が日々AIを進化させているのだと思うが、「もっとゆっくり考えてもいいんじゃない?」と思っていたところ、植原さんの遅考術に出会った。

 これまで頭の回転の速い人が頭のいい人のように思われていたが、スピーディーな思考と同時に「状況を適切に見きわめ、それに応じてあえて遅く考えている」ことが能力を存分に発揮する上で必要と植原さんは説く。

意識的にゆっくり考えること――を「遅考」と呼び、それを使いこなす方法、「遅考術」

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 このように定義し、自分の限界のその先まで、自力で思考を進めていけるようになるという。

 「まずは、思いついたことを否定してみる」
 「『いかにもありそう』に潜む落とし穴」
 「思い出しやすいことにはワナがある」
 「曖昧な言葉は明確にする」
 「おかしな主張を見破ろう」
 「一つの原因に固執しない」 
 「原因と結果が『逆』かもしれない」
 「ジンクスや都市伝説を検証してみる」
 「偏りのあるサンプルでわかったことが、もとの母集団にも当てはまると
  は限らない」
 「選択そのものをやめる」
 「条件をそろえる想像力」
 「プラシーボ効果を疑え!」
 「『個人の体験談』の真偽を確かめる」

 など、考えるヒントが満載。

 考えているつもりでもなかなか考えがまとまらない、思考が堂々巡りになっているなど、私自身も常々陥ってはいるが、その解は外部の知見やAIに頼るだけでなく、深呼吸でもしながらゆっくり遅く考えることが大切なのかもしれない・・・そんなことをこの本は気づかせてくれます。

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