D進(博士課程進学)した理由

D進を迷っていた当時のブログを発掘したので、供養の意味も込めてnoteにしようと思った次第。D進を迷っている人の決断の参考にでもなればいいなと思う。以下は2020年、当時M2のブログ記事の抜粋と書き換え。


M2の春、D進をすることにした。正直、血迷いでしかない。

自己紹介でも嫌々、と書いたけど、マジで嫌々。悩むなかで数々のD進に関連するブログ記事とかを読み漁って思ったのは、博士課程進学する人は、「研究は好きだけど、就活やお金の面が不安」みたいな考えの人が多い。

一方自分は全くもってそんなことはなかったので、あくまで自分の体験に乗っ取って「そこまで研究は好きじゃないけど色々あって迷っている」人たちに響けばいいなとか思いながら書く。とは言いながらも、自分の感情の整理の面が大きい。

きっかけ

これはもう、「ボスに言われたから。」に尽きる。大体M1の1月の半ばごろ。それまでは学科の推薦使って適当に就職するつもり100%だった。どうしてこうなった。

理由① 3年で卒業できそう

博士の学位を取得するには、各学科で定められた要件を満たす必要がある。ウチの場合は「(国内でも良いらしいが基本は)海外のジャーナルに筆頭著者として英語で投稿論文3報以上」。

他大や他分野の話を聞くと、3年で卒業できない(上記要件を満たせない)こともよくあるらしい。

自分の所属する研究室は、教員陣がかなりすごい。実績的な面はかなりのもん。ゆえに環境も整っているしお金もある(かなり重要)ので、普通に実験してれば要件を満たすことはおそらく難しくない。加えてボスはこれまでに20人以上博士学生を輩出してきたという意味でノウハウもあった、先輩もいた。

そんなこともあって、とりあえず4年も5年もいることにはならないだろうなっていうのが理由のひとつ。コレまでの先輩で4年以上かかって卒業した人は聞いたことが無かった。

理由② (民間企業への)就職は問題なさそう

自分はアカデミックに行くつもりは無いので、民間への就職前提で書く。アカデミック行きたいならやっぱり運と実績も大事になってくるんじゃないかなと思う。これはうちの研究室に限らず、分野とか時代の問題だと思う。『博士学生が100人の村』とかはかなり悲観的に書かれているのは有名な話で、最近は大企業とか特に博士卒の採用も増えてきている。理系、特に工学部とかはその傾向が強いと思う。

なのでまあ、食いっぱぐれることは無いな、という感覚。

理由③ 学振が貰えそう

学振とは日本学術振興会特別研究員に採用されることを言い、採用されると月に20万貰える。これはマジで大事で、普通の人がD進をためらう理由のほとんどはお金にあると思う。

ボスが学振に絶対の自信を持っていて、まあそれを信じた(というかまだ採用は決まってないので騙されたつもりで乗っかってる状況)。ただ、担当教員の過去の学生で学振に採用された人が一杯いるというのは少なくともプラス要素と思う。もし落ちたとしても奨学金とか学費免除とか結構色々あるので、まあ頑張るしかない。

理由④ M1の1月時点で行きたい企業ややりたい仕事がない

これはそのまんま。B4、M1の間は無給で研究やるのマジでクソ、地獄やなって思い続けて生きてきたので、お金もらえたらなんでもよかった。ただ、関西には残りたかった。理系のメーカーの工場とかは辺鄙なところにありがちなので、そこは就活の幅を多少狭めた。ただ、一番大きいのは次で

理由⑤ 学科の就活のシステムがまあまあくそだった

特定されて困ることはないけどなんとなくぼやかす。それともこんなクソシステムが意外とスタンダードなんだろうか。

うちの学科には企業からの推薦が一杯来ていて、それは素晴らしいことではあるのだが、一社一人という縛りがあって、それが不便でしかなかった。Aさんが学科推薦でB社を受けて採用されたら、自分は自由でB社を受けに行って採用されても辞退しなければならない(あるいは採用されないようになっている)、というルール。

いつか詳しく書くかもしれないが、とりあえず就職活動が極端にやりにくくなる制度があって、このせいでD進を決定したってのは正直大きい。このルールは博士卒就職には適用されないので。ろくに行きたい企業も決まってないのに選択肢狭いんじゃやってられなかった。

理由⑥ 教員の人間性

これもまあ大きくて、組織に所属してライフワークを行っていく上で一番大事な要素は周りの人やと思うし、よく言われること。

正直教員にはかなり恵まれていて、それはもちろん厳しく言われることも多々あるけども、理不尽に思うことはほとんど無いし、成果を出せば当然、出なくても自分の思考をちゃんと伝えれば認めてもくれる。

とは言え、ストレスを感じる要素はいくらでもある。自分の場合だと、学会発表、そのための資料作り。逆にストレスフリーなのは基礎検討寄りの実験をしてるとき。ただ社会に出ても多かれ少なかれストレスは感じるわけで、その要因の1つは人間関係になると思うし、上司ガチャ引くくらいなら(結局引くことにはなるけど)、プラス3年知った人のもとで学んでも良いかなと思った。

理由⑦ 時間、スケジュール的な自由度

もちろんD進したら今よりはやることも増えて教員も厳しくなるとは思うけど、それでも、切羽詰まってる時期じゃなければ、急な思い付きで1日、2日くらいなら休める自由さはメリットだと思った。

うちにはコアタイムがないので、成果さえ出してればあとは自由。これをメリットと感じる人は大体朝苦手ゆえな気がするが、自分の場合はかなり朝型で、なんなら朝早くから行って夕方には帰ることを理想としている。

まあそんな理想通りにはいかない気もするが、少なくとも就職するよりはその部分でストレス管理できそうなのは、良いと言っていいんじゃないかと思った(結局就職するなら一緒じゃね問題は置いといて)。

とりあえずはこんなもんかな~。

次は嫌だった要素すでに後悔しちゃってることとかを書きます。


我ながらそこそこ言語化してるな。

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