勝ち負けなんかじゃない事に気づかせてくれた君へ

44歳にして人生で一番大きい挫折を味わったわたし。

それまでの人生は常に何かと戦い、比較し、優劣をつけ
自身の立ち位置を模索してきた。

常に人の顔色を窺い、人目を気にして
去勢を張り、他人より優位にいる事で安心感を得てきた。

身なりに気を使い、部下後輩に慕われる為に何をするかを常に考え
出世の為に必要な事を考え、誰にでも良い顔を見せてきた。

とにかく常に誰かと競争し、勝つための手段を最優先とし
勝って当たり前、負けを認めたらそこで終わり。
そんな風に思っていた。
他人に勝ってこそ”いい人生”なのだと信じていた。

しかしそんなものは一瞬にして崩れさる砂上の楼閣だと言う事を
思い知らされた。
ある事件をきっかけに私は職を失った。
今まで仲間だと思っていた人たちが一斉にいなくなった。
ビジネスありきの関係性、利害関係の一致、組織で生きるための建前、
これらの柵がなくなった瞬間20年働いてきた会社の関係者とほとんど疎遠になった。家族だった人も離れていった。
大手企業の管理職と言う看板が外れたらその人達から見て私は
「無用の長物」になったのだ。

人生そんなもんだとやさぐれた。
失望した。憤慨した。すべてを破壊したいと思った。

そんな時一人の女性と出会った。
今の妻だ。
初めて会った時わたしは自身が持つマイナスな情報を全て打ち明けた。
親密になってから打ち明けてお互いイヤな思いをしたくなかったからだ。
しかし彼女は全てを理解したうえでそれでも私を受け入れてくれた。
私と一緒にいる事を選択してくれた。
両親以外では人生で初めて勝ち負けや損得ではなく
ただ一緒にいたいと言ってくれる人に出会えた。

出会ってから半年が、そして私と同じ姓を名乗ってくれる様になってから
1か月が経った。
私はまだ「夢の中にいるのではないか」と不安になる時がある。
もし夢なのであれば心臓の鼓動が止まるまで覚めないで欲しいと思う。

それくらい今目の前で寝息を立てている貴女が愛おしい
人生勝ち負けだけではないことを感じさせてくれた貴女が。

私を選んでくれてありがとう。
一緒にいてくれてありがとう。

心から愛しています


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